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algo2020
テレビを見続けていたら
見つめ続けるだけで瞬く間に二時間が
過ぎ去っていくテレビマジック
齧り付いて見つめては
うさぎの様に眼球を赤くさせて
下がる視力止まる思考力
ダラダラと見つめているだけで
世界はカラフルに点滅を繰り返すものだから
見惚れてのめり込みすり減らす自分の時間
その世界の中に僕も存在しているかの様な
不思議な感覚だがふと気づけば
僕の背中には翼なんて生えてないし
特殊能力に目覚めた訳でも
世界を救うヒーローになれた訳でもなく
何もないただの僕が口を開けてポカンと
テレビの前にいるだけと言う現実
あぁ胸を高鳴らせていた
あの興奮はCMによって打ち消され
握りしめてるテレビのリモコンじゃ何も救えない
現実と虚構の狭間で僕は二時間
何をしていたのだろう、、
竜宮城に行っていた浦島太郎の様に
ひどく疲れた心だけが僕の体に
貼り付けられた思い出
振り返っても信じられない事に
思い出せるのはところどころの
細々とした部分だけ
見ている様で見ていなかった僕の脳みそ
一体何の為の二時間だったのか
ダラダラと過ごした時間を
僕には他にもっと何かしらのやるべき事が
あったのではないか
問いかけても分からないが
心の虚しさがその答えに近いかもしれない
他にもっとやるべき事が
あったのではないか、、、
失われた時間を取り戻したくても
かえってくる事はなく
僕は結局今日も何もなせないまま
眠りにつく事になる