懐かしき思い出のアイス

暑くなってきた

そろそろ風呂上がりなんかに

アイスが食べたくなるそんな時期がやってきた

スーパーカップや爽

ホームランバーやパピコ

雪見だいふくにちょっと贅沢してハーゲンダッツ

あぁフラッペなんてものもある

ピノやガリガリ君などなど

コンビニに行けばよりどりみどりの中から

今日の渇きと憂いと求める欲求の形から

はてさて何を選ぼうかと冷凍庫を前にして

悩んでしまう

そんな時にふとあの懐かしい緑色の球体をした

プラスチックに入ったアイスが食べたくなった

メロンの形をした容器でヘタの部分を指でつまみ

ぐりっと回して持ち上げると

中のアイスとご対面できるあのアイスである

あの懐かしいフォルムのアイスを

昔親に買ってもらい食べていた思い出が

暑くなってくると脳裏をよぎり食べたくなる

近くのコンビニで探しても

なかなか見つからなかったが

シャトレーゼに行った際に何気なく

アイスのコーナーを覗いたら

そのメロンの形をしたアイスを見つけたのだ

昔と今じゃもしかしたら味やらなんやらが

違うかも知れないが求めている欲求を

満たす形に近いのだから

わぁああ！という感動に心が沸いた

思い出のあの味にあの感覚にまた触れられると

思うと悩む事なく

いそいそと僕はそれを手に入れて

お家に帰ったのだ

アイスを食べるだけでも贅沢なのに

子どもの頃の思い出にも浸れるのだから

これ以上ない幸せだ

メロンのヘタの部分を

握って回して持ち上げれば

ひんやりとした冷気が

ふんわりと流れ出してきた

うっすらと緑色のアイスに見えるのは

メロンの形をした容器の色のせいだろうか

冷たくかちこちの表面をかりかりとスプーンで

こそげとる

口に含めばじんわりと広がる甘さと冷たさ

決して高級ではないがそれがいいのだ

あぁこの味だあと思える素朴な味わい

濃厚じゃなくていい

爽やかな風味がたまらない

子どもの頃には感じられなかった喜びが

大人になってから感じられるのは

僕が着実に歳をとっているからだろうなあ

ノスタルジックな思いを

スプーンでこそげとりながら

味わう夜更けの贅沢な時間帯

夜中に食べる事ができるのも

また大人になってしまったからこそできる

贅沢な瞬間だ

子どもの頃だったら

間違いなく親に叱られていただろうに

うひひひと一人怪しく笑みを浮かべながら

僕は懐かしきアイスと二人きり

冷たく気持ちの良い蜜月の時間帯

ゆっくり味わい堪能していくのだ