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お互いの安心をベースにした対話の場を作るための7つのポイント


2023年の年末に開催した「対話的な場にはどんなグランドルールが必要か対話的に語ろう!」というイベントで皆さんと一緒に共有した視点を基に、「対話」を行う際に重要だと感じたポイントを私なりに7つにまとめてみました(今現在、私が思う仮の意見です。)。


①危険を感じないよう、お互いに「安全」を意識して対話をしよう

まずは、危険を感じる相手やコミュニティから物理的に距離をとった場所で対話ができるといいと思います。

対話の場が「安全基地」であるためには、価値観のおしつけや否定などのコントロール性が抑えられて、継続して参加でき、お互いに安心を感じられる枠組みが工夫されている居場所であることが大切だと思います。

 「オープンダイアローグ」では、安全があまり感じられない環境下(関係性やコミュニティ)の中に二人以上のセラピストが入り、少しずつ安全な場を作り上げていく側面があると思います。


②自分自身と相手の尊厳を尊重し、対等な関係で対話をしよう

相互に尊重しあう意識が大切だと思います。それによって、自分と他者が尊重されると思います。

 自分のことばかり考えてしまったり、逆に相手を尊重しすぎて自分を尊重できないという難しさがありますが、対話的な枠組みを作ることである程度解消できると思います。

例えば、話す時間と聴く時間を分ける、ファシリテーターが対等に扱ってくれる、時間の配分を提案するなどが考えられます。


③自分の気持ちや考えを「おぼんにのせる」ように伝えてみよう

これは練習や、上手な人を模倣することで身につけられると思います。
ただし、自分の話し方はこれまでの経験が反映されているため、自覚するのは難しいと思います。

私としては、話を聴いている際に、自分の中で起こった「感情、考え、印象」などを、その場に浮かべるように表現できるといいと思います。例えば、「話を聴いているうちに、私の中で〇〇という感情が浮かんできました。」というような表現です。


④落ち着いて聴き、ゆっくり話してみよう

 聴くときは、湖のように静かに聴き、相手の言葉に、湖面の揺れを感じ取って表現できると良いと思います。

また、自分が感じたことを話すときも、静かにゆっくりと言葉にできると良いと思います。

対話の場は基本的に体が落ち着いている状態で行うことが理想だと思います。ゆっくりと落ち着いて話したり、聴いたりすることで、感情を冷静に扱うことができると思います。

マインドフルネスやグランディングを意識できるといいと思います。

とはいえ、落ち着いた状態を作るというのは難しいことだと思います。私の実際の感覚としては、対話をしている内に、徐々に呼吸がゆっくりになり、落ち着いていくという感覚があります。自分の内的対話に意識を向けたり、安心して話をし受け止められている様子をみているうちに心身が落ち着いていくということがあると思います。


⑤臆測を避け、話し手の言葉を新鮮に聴いてみよう

話を聴いていると、自分の世界観で解釈し、これはこういうことだと決めつけてしまうことがよくあります。ただ、相手の話を新鮮に受け止めることは、目的もなく深海の暗闇を泳ぐような感覚になる苦しいことかもしれません。
相手の言葉をそのまま受け止めて、呟いてみたり、関心を示すような応答ができるといいなと思います。例えば、「〇〇と言ったことについて、もう少し聴いてみたくなりました。」など


⑥無理をせず、自分に正直な在り方で対話の場に身を置いてみよう

 対話の場で、ありのままの自分でいることは難しいと感じます。共感や同調が起きやすく、相手に合わせたり、配慮しすぎることもあります。うまく相手と境界線を引きつつ冷静に参加できるといいなと思います。

少なくとも、自分が話したいことを話すときは、その時思っていることを安心して言葉にできるといいなと思います。そのためには、言葉をその場に置くように話し、相手が受け止めやすいようにすること、また、同じ相手と継続的に対話を行うことが助けになると思います。

調子が悪い時は、無理に対話の場に参加しないで、一人で自分を大切にする時間もあるといいなと思います。


⑦相手の反応の仕方や伝え方の特徴に気づき、「おぼんにのせる」ように相手の話を聴こう

 他者と話すときは、相手にどんな反応が起きるのか、自分にどんな反応が起こるのかが不確実だと思います。良かれと思って発した一言が、決めつけや価値観の押し付け、否定などのコントロール性を持っていることに発した本人が気づかない状況や、相手の意図を必要以上にネガティブに受け止めてしまう反応が自分に起こってしまう場面もあると思います。

対話的な場は、普段の会話に比べてそういった緊張が起きにくい枠組みはありますが、他者と交流する際は、常に緊張が伴い、葛藤が生じる可能性があることを前提にすることが大切だと思います。

対話のスペースの中で、自分の反応に気づいたり、相手の反応の特性や伝え方の特徴をメタ認知できるといいなと思います。その場で処理できなかったモヤモヤは次の対話の場で取り扱えるといいなと思います。SNSなどで取り扱うとまた別の問題が起きる気がします。


⑧最後に対話の場のお知らせ

悩みごとや日常のことをありのままの自分で安心して話し続けることができる場を、私が関わっている「りすにんぐファーム」で参加者の皆さんと一緒に創っています。

ご参加おまちしております!
くわしくはこちらです。


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