業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社 その5.11 私の推したい会社 当たり前過ぎて意識しなくなっていること
私の推したい会社は、業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社です。
その理由を一言で言えば、業務で使われる程最先端で信頼性が高い技術を民生用に昇華して日々の暮らしの中に活かせるからです。
今までの経緯
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具体的には例えばソニーさん。
その1.0では民生用の製品は皆さんの染みの少ない放送業務用制作機材に絞ってご紹介し、今後の期待感まで吐露させて頂きました。その辺りはこちらをお楽しみ下さい。
如何でしょうか。街で見かけるソニーさんの製品とは全くの異なるプロフェッショナル向けの機能美を感じる製品群って素敵ですよね。
このとんでもない高価な業務用製品向けの技術が民生用にもフィードバックされていると思うと、何かお得感を感じませんか?
というオチでした。
その1.1はソニー・インタラクティブエンタテインメントグループさん。研究所が手掛けた際物(きわもの)を民生用、しかもゲーム機という最も大衆ウケするプラットフォームにというお話でした。
その1.2は、ソニーさんとCBSソニー(ソニー・ミュージックスタジオ)さんの話です。ソニーさんの民生用製品を元に、ソニーさんとCBSソニーさん(ソニー・ミュージックスタジオ)さんが業務用製品を共同開発され、余りの好評のためにその業務用製品は、今ではまるで民生用製品の様に販売されているという珍しいお話でした。
その1.3は、業務用の可搬型テープレコーダーが、私的な演奏会や鉄道·自然等の生録音のニースに応える形で民生用製品に仕立てられ大ヒットしたというお話でした。その名はカセットデンスケ。
その2は、鉄道や機械等に用いられる業務用の電気モーターが、家電として掃除機、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの民生品の心臓部として転用されるというお話でした。
その3は、流体力学と誘導機技術(誘導電動機(モーター)・誘導発電機(発電機)ともに成り立つ技術)から始まり電力インフラやエレベーター等の業務用機器をしつつ、扇風機から始まりエアコン等の民生用機器へその技術を展開されているというお話でした。
その4は、造船業から始まり鉄道車両、航空宇宙、エネルギー・環境、精密機械・ロボット分野等でプロフェッショナル向けのソリューションを提供されていて、その技術を二輪車、ATV(四輪バギー車)、多用途四輪車、パーソナルウォータークラフト「JET SKI®」といった民生品に生かされいる会社のお話でした。
その5.00から連作で時計メーカーさんを推したく、その前フリとして時計の歴史をご紹介しました。
その5.01は、時間軸は明治少し前辺り以降、地理的には日本に絞り今日的な時計の価値についてその背景を共有させて頂きました。
その5.02は、鉄道網の発達と時計について振り返ってみました。
その5.03は、義務教育の普及と時計について振り返ってみました。当たり前過ぎて意識しなくなっている程陳腐な内容ですが、網羅性という意味で抑えて執筆しました。赤面する程基本的な内容も恣意的に含まさせて頂きました。
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前フリが長くなりましたが、そんな時計の世界の中で、今回は商社として輸入時計の販売と時計修理を開業し、業務用製品と民生用製品をしたたかに糾(あざな)いながら時計の分野で世界的な地位を築いた会社さんのご紹介です。
その名前はセイコーグループさん。
人生の色々なシーンでお世話になりました。
海外畑で過ごしたサラリーマン人生、どの国でもセイコーさんの製品を見ないことはない程国際的に成功されていると思っています。
セイコーさんとの本格的な出会いは義父から。海が好きで大学から船乗りになることを目ざした方でした。ですから基本的に自分のことは全て自分でする、例えば料理、洗濯、掃除全て完璧にこなされます。洋服などもきちんと畳んで綺麗に揃えてありました。下着に至っては狭い船内でのお作法なのか小さく畳んでコンパクトにしまわれていました。そのような正に船乗り気質の義理の父から結婚のお祝いにもらったのはその父のお眼鏡にかなったセイコーさんの100m防水の腕時計、多機能クロノグラフでした。因みにクロノグラフとは、ストップウオッチ機能の付いた懐中時計や腕時計のことです。
船乗りさんらしい。
私は持ち合わせていない価値観のセットに大いに感動しました。愛しき吾妹と結婚して望外の素敵な父ができたと感動した瞬間。
人生初めてのクロノグラフでした。
感動的なのは、その正確さ。
それまでの機械式時計では毎日朝のニュースを見ながら腕時計を秒針まで合わせ込む事が習慣でした。時刻合わせのモードの時計のスクリューを軽く逆方向に回すと秒針が止まります。それをテレビの正時に合わせて開放して秒針を合わせ込みます。
因みにテレビがアナログ時代の時は、テレビからの時刻は電波到達に掛かる遅延とアナログ回路の遅延位ですので秒針を合わせ込む程度ならタイムラグは無視できました。テレビがデジタルになってからは、テレビ内のデジタル処理の遅延だけでも1.5秒以上あり無視できなくなりました。そこでアナログ電話の時報を、その後は電波時計の時刻、最近はそれに加えてカーナビやスマホのGPSからの時刻で合わせています。
その頂いたセイコーさんのクロノグラフは時刻が殆どズレませんでした。
残念ながらそのクロノグラフは盗難にあうことに。家族帯同でシリコンバレーに駐在していた時のことです。家族でサンフランシスコ空港を利用していました。カフェレストランで食事を終えて、腕まで汗を流したく時計を外してトイレに向いました。戻って見ると机のトレーの上に置いておいた時計が無くなっていました。今思えば100m防水なのですからそのまま外さずに時計ごと洗えば良かったのですが。周辺を探しましたが結局見つかりませんでした。まぁそれぐらい魅力的な時計だったということでしょうか。
クロノグラフといえば私の父は。ストップウォッチそのものを単品で所有していました。セイコーさんの典型的な懐中時計型のストップウォッチを箱に入れて何時も大事そうに書斎の机の上に置いていました。それは機械式時計の1つの頂点。使っているところは見たことがなく単に所有して楽しんでいたのだと思っています。それぐらいシンプルで正に機能美。因みに今は私が大切に保管しています。
会社員の成れの果てになった年に、新入社員の部下と指してお酒を楽しんでいた時のことです。いきなり
その腕時計良いですね。貰えませんか?
と。最初は唐突な不躾だけど素朴な言葉に驚きました。そのクロノグラフの腕時計はサラリーマンの成れの果てになれた自分へのご褒美に買ったものでした。しかし、直ぐに驚きは消えて
まぁ、喜びのお裾分け
とその場で外してお渡ししました。それからその新入社員の方は何時もその時計を身に着けてくれていました。今でも使っているのかなぁ…
そういえば、セイコーさんのクロノグラフの腕時計をお渡ししたエピソードがあります。
矢張りサラリーマンの成れの果てになって、協力会社の方々と会食後カラオケに行きたいということで、カラオケバーに行った時のことです。マイクを貰うタイミングで、注文したてのビールがフルに入ったグラスにマイクの先を当ててしまいました。カタンとグラスは倒れ見事に私の前に居たフロアレディの方の服に…私の粗相なのに
大丈夫でしたが?お怪我は有りませんか?
と。テーブルと床を始末して新しいビールを手配して着替えに行かれました。その後その服は私服だったと聞き、せめてクリーニング代は出させ下さいと財布を開けて…その前の会食したお店がクレジットカードに対応していなく、何時も10万円だけ不測の事態用に持って居たお金を使い切って居たのに気づきました。
その日はたまたま三井アウトレットパークで買ったばかり明るいオレンジ色のセイコーさんの男女兼用のクロノグラフの腕時計をしていました。入店時にそのフロアレディさんに
素敵な色の時計ですね。
と目ざとくお世辞を言われたことを思い出し、
あっ、ごめん。前の店でキャシュ使っちゃて…
代わりにさっき褒めてもらった時計あげるね。
と。そんな高いものと固辞されるも持つし訳ないからとお渡ししました。行きつけの店なら次回と言えますが、初めてのお店で私の動線から遠くまた来ることは無いだろうからこの場で何とかとの思いでした。
因みにその腕時計は型落ちの海外向けでアウトレット価格で85%引きだったのです。オレンジ色の上品な細い縁取りと男女兼用というこれまた絶妙なサイズ感からチョットした遊び感覚で買ったものでした。
しかし結局協力会社さんの行きつけということもありその後も何度か利用させて頂きました。協力会社さんから事前連絡が行くのか、何時も入店時ににはそのセイコーさんのクロノグラフを… 流石はプロフェッショナル(笑)
クロノグラフの腕時計を他人にあげるという極めて稀な出来事でした。それが今のところ人生で2回も起こったのは驚きです。しかも何れもセイコーさんのクロノグラフ。
セイコーさんのクロノグラフの腕時計だけでも数個は所有しました。
セイコーさんの時計にまつわるエピソードだけでも出るわ出るわ…ですね。
業務用製品と民生用製品をしたたかに糾(あざな)いながら時計の分野で世界的な地位を築いたセイコーグループさんは私の推したい会社なのです。
つづく