超子さん

健やかなるときも病めるときも飄々と

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最近の記事

官能的勘違い

※急に文章がデスマス調になりますが気にしないでください。どっちが良いか悩み中デス。 ───── 官能的といえば。 長年の友人K君は昔からサブカルというか面白いものに幅広く詳しく、私にも音楽や本をいろいろ教えてくれます。 そんな彼が昔、ある本を「すごく面白いよ」と勧めてくれたのです。 団鬼六という人の本でした。 世間では緊縛、いわゆるSMの世界で有名な方で私も知っていたので 「ほう!」 と少し驚きながらも (いや、驚くなんてダサい。『宝島』読んでるサブカル女子としてはいろ

    • 官能師

      20年以上前に、友人宅のパソコンで3人で相性診断や性格診断をして遊んでいた。 パソコンで、というのは単に当時スマホがなかったからである。 「あなたに向いている職業」という診断をやってみたら、ほかの2人にかなりピッタリな職業が出てきたので、私も期待してやってみると、サービス業、評論家などに交じって、前の2人には決して出てこなかった職業がヒットした。 「官能小説家、エロマンガ家」 友人ふたりが「向いてるよ!」と言いながら笑い転げる。 書けるかとか描けるかという問題以前に、向い

      • メガロフォビア検証④「巨大な車」

        【そんなに怖い画像はないですが、映画のネタバレがちょっぴりあるとかないとか】 あれは20代前半頃だった。もうかなり大人だ。 私は友人の家のTVで、ある昔の映画を観ていた。 スピルバーグがその名を知らしめたと言われる『激突!』(1971)である。 観たことがなかったし、けっこう怖いと聞いていたのでワクワクしていた。「怖いっつったって、カーチェイスとかでしょ?ヒヤヒヤするやつでしょ?」 甘かった。 よくわからないが観ているうちに動悸が激しくなっていく。 あらすじは知っ

        • メガロフォビア検証③トーキング・ヘッズ

          【注意:メガロフォビア関係なく怖がりの人は閲覧注意】 80年代はミュージックビデオの隆盛期。洋楽に興味を持ち始めた中学生の私は『ベストヒットUSA』などで流れるMVに夢中だった。 しかし当時はYoutubeもネット配信もないので、観る手立てが非常に少なかった。 東京都下の団地に住んでいた私は、がんばれば神奈川のローカル番組で洋楽ミュージックビデオが観れることを知った。「がんばれば」というのは、ブラウン管TVのアンテナでUHFをうまく拾うとか荒い映像に耐えるとか、そんなこと

        官能的勘違い

          メガロフォビア検証②「トラウマ」

          【注意:ガチ恐怖症の方は見ないほうがいいかもしれない画像あります】 小学1年生まで数年間、山形県に住んでいた。 忘れもしない、あの日。 通学路の途中に、突如、でっかい生首が現れた。 「!!!!!!!!」 心臓が飛び出るかと思った。 小1の私の体感では、それはほぼ球体で高さ3m以上あり(たぶん実際はもっと小さい)Y字路に挟まれた緑地部分にドドーン!と置かれていた。 素材は石こうだろうか、ビニールだろうか、ハリボテというものなのか。 真っっっ白い顔に切れ長の大きな目、真っ

          メガロフォビア検証②「トラウマ」

          メガロフォビア検証①「気づいちゃった」

          【注意:ガチ恐怖症の方は見ないほうがいいかもしれない画像あります】 巨大物恐怖症。メガロフォビアともいう。 自分よりはるかに大きい人や物に対して恐怖を覚える恐怖症。 50年以上生きてきて、ようやく気づいた。 私はメガロフォビアらしい。 気づきのきっかけは、石川県のハニベ巌窟院の写真。 Xのフォロワーさんがアップしていたハニベ大仏の仏頭を見て、心がザワザワしたのだ。 「こういうの見ると怖いんだけど、なぜか無性に見たい」 怖いもの見たさ、というやつね。 しかし、そもそ

          メガロフォビア検証①「気づいちゃった」

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根⑥

          [お食事処もパワースポットな旅の記録。全6話] ***** 3日目。最終日。 しつこく雨。 「もうええでしょう!」 と地面師のあの人ばりに空に言い放ち、これまたパワースポットと言われる、多賀大社へ向かいます。 近江鉄道というローカル線に乗ります。 ICなし切符のみ、無人駅も多く、車内に小さな整理券発券機があるなど、たまらないローカル感にほっこり。 スクリーンという駅がありました。 何でしょうか。スクリーン。謎のままです。 駅から多賀大社までは、絵馬通りという風情の

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根⑥

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根⑤

          [なんとかなる旅の記録。全6話] ***** さて、雨の中を30分以上歩く覚悟を決めました。 と言っても、おっきい道路を真っすぐなんで驚異的方向音痴の超子さんも迷いはしません。 「しかし暗い。遠いようで近くに見えるあの山々は数キロ、いや十数キロ先だろうか。晴れた日中なら山に癒されるだろうけど、雨雲に覆われた黒い山並みはもう地獄なのよ。コワいのよ。ここは地獄なの?ここはどこ私はだれなの」 思考が地獄寄りに。 でもまあこんな状況でも別に泣きたくなるわけではなく、なんていう

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根⑤

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根④

          [ほっこりトホホな旅の記録。全6話] ***** 竹生島からの帰船。 ガイドブックで北のほうにある温泉施設を見つけました。マッサージやエステもあるらしい。 「いい加減雨にうんざりしてきたし、大雨のことは忘れて午後は温泉に浸かってやろうか。長浜市なので焼鯖そうめん食べてから。そうだ、そうしよう!」 この思いつきだけの行動が地獄のはじまりです。 彦根から長浜はJR琵琶湖線で数駅。鉄道アプリで調べると…50分後? え、待って。アプリがバグった? 違う、そうじゃない、本数が

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根④

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根③

          [アメニモマケズな旅の記録。全6話] ***** 2日目。琵琶湖に浮かぶパワースポット、竹生島へ。しかし。 雨。雨。大雨!ナハハハハハ!(泣笑) 朝食をとり、彦根港へ向かいます。 平日のシャトルバス情報を調べても見つからず、タクシー使おかな、と思いつつ駅前の観光案内所で尋ねると 「そこのバス停からもうすぐ港行きが出ますよ」とあっさり教えてくれる。 いったい何をどう調べていたのでしょう、ぼんやり超子さん。 オフシーズンの平日ということもあり、シャトルバスには、70代ぐら

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根③

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根②

          [とくに何も起こらない旅の記録。全6話] ***** 彦根城から降りる途中、『いどくるわ』を通りました。 よくわからんが面白いつくり。 「いどくるわ~」って思いました(は?)。 お城は小高い山にあって裏の山道には木がワッサワサ。にわかに鬱蒼とした緑に出会うのも楽しいです。 城下の庭園「玄宮園(げんきゅうえん)」へ。美しい。そして静か。 出たところのお濠。 3羽の白鳥が、ずっと等間隔で泳いでいました。シンクロ選手もびっくりです。 事前にVlogで見た四番町スクエアを

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根②

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根①

          [日本一参考にならない旅の記録。全6話] ***** し~らな~い~ま~ち~を あるい~て~み~た~い~。 なぜあの曲のメロディーはあんなに暗いのでしょう。 それはともかく、たいした苦労もしてない超大人女子ですが、日々やりきれない事は多々あります。 健康のこと家族のこと親族のこと仕事のことお金のこと… もうやだ、1人で知らない町へ行く! と、超テキトーな電車一人旅に出ました。 『光る君』に出てきた石山寺ってどこだろう?から始まり、滋賀県行った事ないな、琵琶湖見たい、

          ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根①

          18歳

          私の働いている店ではお客さん自身で押してもらう式の年齢確認システムが最近導入された。 これ、明らかに未成年に見えない中年女性男性にとってはときに煩わしいものでもあり、高齢者の方にいたっては聞こえない押せないと悶着のもとになるから聞かんでええやんと思うのだが、ルールなので基本的に押してもらわねばいかんのである。 レジ当番の日。見たとこ60代後半くらい、すごい強面で恰幅の良いオジサマが酒の入ったカゴを持ってやってきた。 若いころ絶対ヤンチャしてたであろう、ブラザーコーンさん風の

          コンチ君

          [魅紅死意の儀。それは十何年も前にあのmixiに書いた日記を加筆・修正し蘇らせる儀式。退会後も80以上の雑文を保存してあるが、当時は自分で面白いと思って書いていたのに今読み返して少しでも面白いと思えるものは、恐ろしいことに2つか3つしかない。そのひとつが今、蘇生いたします] ---------------- 天気がよかったから、少し遠い吉祥寺まで自転車で行った。 友人とランチして買い物しておしゃべりして、 とても気持ちいい帰り道。 吉祥寺を出た頃から、私と同様に西へ

          キレイなおねーちゃんとやりたいだけの男

          夢の中でどういうわけかロッド・スチュワートの『HOT LEGS』を熱唱していた。起きてすぐ歌ってみたのだが、実際には全然歌えず、歌えたのは「I love you, honey!」の部分だけ。 とはいえ昔よく聴いて耳になじんだノリノリな曲だし、せっかくだから歌詞を覚えてみようとよく見てみた。 「きみの足がセクシーすぎてオレもうダメ」 「お望みなら今夜にでも愛してあげちゃう」 「まだ学生だって?まいったね」 「愛してるぜハニー」 そんなようなことばかり言っている。 感動的に

          キレイなおねーちゃんとやりたいだけの男

          ジュ・テーム

          もうそろそろ、この話をしてもいいと思う。 人生はいつまであるかわからないから。 女友達のC子は、熟女となった今も美しくユーモアとバイタリティに溢れている。 好奇心旺盛な彼女は、性に関しても貪欲だった。とりわけ20代の独身時代は。 私は彼女のあまたの体験談を文字通り鼻息荒くして聞いたものだ。 そのひとつ。 渋谷で働く美女C子は、少し年上の素敵な男性と出会った。仕事を終えてデートの夜に向かったバーで、彼の好きな映画の話を延々と聞かされた末に猛烈に口説かれ、ホテルへ。 経験豊

          ジュ・テーム