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ぼんやり超子さんひとりたび、滋賀県彦根⑤

[なんとかなる旅の記録。全6話]

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さて、雨の中を30分以上歩く覚悟を決めました。
と言っても、おっきい道路を真っすぐなんで驚異的方向音痴の超子さんも迷いはしません。

「しかし暗い。遠いようで近くに見えるあの山々は数キロ、いや十数キロ先だろうか。晴れた日中なら山に癒されるだろうけど、雨雲に覆われた黒い山並みはもう地獄なのよ。コワいのよ。ここは地獄なの?ここはどこ私はだれなの」

思考が地獄寄りに。
でもまあこんな状況でも別に泣きたくなるわけではなく、なんていうか、こんなおかしな旅をしてる自分がちょっと情けなくて面白くなってきました。

とりあえず音楽を聴きながら歩こう。
「歩く」で思い出すあの曲を聴きます。

悩んで
僕らは
また知らない場所を
知るようになる
疲れを忘れて

ありがとうサカナクション
音楽とコトバの力により、あっけなく前向きなる超子さん。

たどり着いた木ノ本駅はやはり静かで、仕事帰りの土建風のお兄さんが数人いるのみでしたが、数十分ぶりに人の気配を感じて安堵しました。

だけど東京にも、もっと静かな駅はあるんだよね。

ホテルの近くのちゃんぽん亭というチェーン店で滋賀のソウルフードと言われる近江ちゃんぽんをいただきます。実は今日まで私は近江ちゃんぽんを知りませんでした。
モニターでは私の好きなダイアンが近江ちゃんぽんソングを歌ってます。

え、待って。おいしい!
ゴイゴイスー!

味変用の辛味噌、酢、しょうが、どれも好き。ちゃんぽんと言えば長崎だけど、この近江版の出汁の利いたあっさり醤油みたいの、すごい好み。

食券システムの店には仕事帰り風の女性やら部活帰り風の少年やらが次々とやってきます。地元民に紛れて私はまったく目立ちません。

ほっとするわー。

一人旅やソロ活の決して達人ではない一個人的な意見ですが、1人の夜の外食は麺類がいちばん気楽です。ビールが飲める店に限るけど。

そして、あとでわかったことですが、近江ちゃんぽんは東京にもとっくに進出していたらしいですね。でも閉店してる店が多いみたいで悲しい!もっと進出して~!

⑥へつづく


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