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メガロフォビア検証②「トラウマ」

【注意:ガチ恐怖症の方は見ないほうがいいかもしれない画像あります】

小学1年生まで数年間、山形県に住んでいた。
忘れもしない、あの日。
通学路の途中に、突如、でっかい生首が現れた。

「!!!!!!!!」

心臓が飛び出るかと思った。
小1の私の体感では、それはほぼ球体で高さ3m以上あり(たぶん実際はもっと小さい)Y字路に挟まれた緑地部分にドドーン!と置かれていた。

素材は石こうだろうか、ビニールだろうか、ハリボテというものなのか。
真っっっ白い顔に切れ長の大きな目、真っ赤な唇、むくんだような頬…
そう、あれは中国の「かぶり面」にそっくりだった。

【イメージ画像】

怖い。
今思うと、近所の美大生か芸術家が作ったアート作品かもしれない。しかし小1の私には、なぜそんなものがそこにあるのか理由が全く想像できない。何もかも意味不明でひたすら怖かった。

困ったことに、少し遠くから通学していたこともあり、そこを通るとき私はいつも1人だった。

「学校に行く途中になまくびがあった!(正確には生首ではないが)」と両親に言っても「誰かのイタズラじゃない?」と、とり合ってくれない。
私は翌日から、その道を通らずに迂回して学校へ通った。健気だ。

クラスメートにも、言おうものなら「本当?見に行こう!」と連れて行かされそうで言えずに、1人おびえていた。

何日か経って、まぼろしだったことを願いその道を通ると、まだある。
というか、あるっぽい、と指の隙間から確認すると決して見ないように生首にランドセルを向けてカニ歩きで通り過ぎる日々が続いた。

ようやくブツが撤去されたのを確認できた頃に、父の転勤で引っ越すことになった。

結果、1学期間しか通わなかった小学校のことはほとんど覚えていないのに、あの生首の恐怖ばかりが記憶に残っている。

以来、私は大きな頭や顔だけのアートがちょっと苦手だ。

おそらく私のメガロフォビアは生首のトラウマから始まったのである。

③へつづく。


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