現代俳句集 1 〜冬の川〜
「 冬の川 」
~現代俳句集〜
こえのする空は日ざしよ鶴がとぶ
しら息よ舞い上がるかに鶴のこえ
水鳥といちばんぼしのゆうぞらと
探梅よあしもとに日はさしながら
ふゆの梅山のにおいがかわりだす
ショーウィンドウなかば鏡よ雪催
関東平野ひとひらの雪てのひらに
おでん酒こころの角がとれるまで
温厚でいることみかんあまいこと
オリオンよきえのこる夜の町灯り
◇
白鳥が飛ぶたびかげよみずのうえ
無思想よ噛んでもかんでも寒林檎
やわらかにひっくりかえす落葉焚
かぜやんでちんもくがふる粉雪よ
撃ち撃って兵士とびちる夕枯れ野
とじてゆくせかいごと冬夕焼けた
コートたちにはかかわらず雪達磨
せんそうがこの店にまでおでん酒
寒星よ路じょうのスマホ明りほど
灯をすぎて灯までの坂よふゆの月
◇
はくちょうよ水わけて富士山中湖
凍滝よしんからあおみがかるほど
ふれる手に猫あまえがち日向ぼこ
あっという間に年寄るぞかえり花
毛糸編むミニマリストの淋しさに
やまやまをひとつにむすぶ冬蔦か
縛り解くストーブの薪ごろごろと
河豚鍋よじんせいときに懐かしく
まだ厚い日めくりごよみ春を待つ
もうつぎのきせつのおとよ冬の川
01月16日〜01月26日
発表日順
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文語体・口語体・しゃべり言葉
口語体・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き
なども活かして必要最小限使用しています
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体
◇口語=口語体=現代語=書き言葉
∟==話し言葉
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
◯使用している切れ字について
この作品集では
現代的な切れ字の候補を使用しています
「現代切れ字 十八字(推奨)」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ
◯俳句の目標
下記について、毎日の投稿などで
月日をかけて探っていければと思っています
「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」
「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」
「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」
「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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