人気の記事一覧

仕事結婚子そだて俳句はつしぐれ

ものごころついて今日まで冬暖か

思い出はおもいだすだけ湯豆腐よ

千鳥とぶ沖がもっともかがやくと

木洩れ日のそらひらければ冬の滝

いちりんといわず古町のかえり花

いちりんのしみじみ自然かえり花

みずへって瀬のいくつもよ冬の川

いきおいがひたとこおるか冬の滝

ふくかぜよ地べたにすわる冬の鹿

ふゆすばる光としてのものがたり

小鳥来て尾羽をゆらすえださきよ

けぶる日よあめとひとつの大枯野

木を伐っていまあきらかに眠る山

木の椅子も日褪せてゆくか冬の芝

熱燗よしんとひと夜のすごしかた

鯛焼きよ島までおなじかえりみち

一輪よほかは日ざしのふゆの薔薇 口語俳句で詠嘆語(切れ字)を使うこと それで他の口語俳人の方々と一線を画せます つくり方の選択肢が1つプラスされるだけで害はありません 一行の散文が、詠嘆をする詩(俳句)に進歩します 現代的な詠嘆語は よ、か、ぞ、こそ、だ、など多数あります

ともに寝る銀河あかりの山やまと

いちぞくよいちりんとなく返り花

オリオンよ夜々沈黙のものがたり

吸いこんで肺つめたいかふゆの霧

流星ようちゅうの歴史またたく間

引くたびに波打ちぎわの秋澄むか

みさき沖くろが波打つふゆのあめ

口語俳句 作品集 28 〜初しぐれ〜

冬木の芽ぜんてんをさす丘のうえ

あかとんぼしんと川瀬の石のうえ

日のそらに孤独ただようわた虫よ

航跡よよこぎりあってあきのくれ

街灯よひるもひかりをふゆがすみ

はなったりもどりきたりよ腕の鷹

鐘凍る明けぞらなんど撞いてもよ

一輪よほかは日ざしのふゆの薔薇

船を飛ぶにほん映画のふゆかもめ

霜ばしら俳句じゆうということか

しあわせに背まるめてこそ置炬燵

河豚汁よのこるじんせいすする音

坊っちゃんのからくり時計暮の秋

鳴きかわす鯨にこころうみのおと

せまりくる夜のしずけさよ残る虫

河としてまた雲として行くあきか

じんせいの名残の月ということか

鰡跳んで斑のゆらゆらと岸釣りよ

いちまいの秋ぞらとして鳶舞うか

寒灯よあおげばかげとなるこころ

◇口語化の方向性 俳句の口語化には大まかに2つの方向性がある印象です ・俳句を口語化して「口語俳句」にする ・俳句を口語化して「口語一行詩」にする 前者が俳句化、後者が一行詩化です 俳句化では、俳句の基本的な特徴 一行詩化では、現代詩の基本的な特徴 が各々強まりそうです

風に乗る時それぞれよくさのわた

口語俳句 作品集 27 〜またたく間〜

つゆくさは葉にかげおとす日の光