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現代俳句集 3 〜初蝶〜 

「 初蝶 」
~現代俳句集〜

初蝶よ黄の野しろの野むらさき野


あおあおと日ざしの松よ雪しずく


鳥雲に入るあけがたをゆうばえを


ちがう香よあおぐじぶんと梅の花


遠い日につづくのは畦げんげ揺れ


ただよせる波も琵琶湖よ春がすみ


雉走るててててててと尾を立てて


チューリップDNAが咲きならぶ


はるのうみ島国千々にゆうばえて


ぼんぼりよいんえいの美を雛人形

そらに枝くきくきくきようめの花


波おとが和をとりもどすはるの浜


ものの芽よ特に庭木のものがたり


ワイヤレスイヤホンの静はるの雪


アスファルト歩道漆黒黄たんぽぽ


散る枝のあばれどころよ雪やなぎ


沈黙よときがふくらむさくらの芽


くもにあく日ざしのあなよ龍天に


瀬戸の暮船はたがいにかげろうか


またたきよなにかかたって春北斗

季とともにめぐることばよ春一番


蕊の黄のほのぼのまじるうめの花


茶を摘むかいただき白く富士の山


むすびたておむすびの湯気春の雪


空踏んでゆくかに春のかみなりよ


そのさきは日の光だけ木の芽吹く


打って畑ひっくりかえす嶺ふもと


しんじつを詠むげんじつの梅の花


やわらかよゆく雲ほどにはるの風


あなたでもわたしでもある淡雪よ


02月15日〜03月02日


▽俳句の読みくらべはこちらから▽
文語体・口語体・会話体


現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です

ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き

なども活かして必要最小限使用しています


下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です

◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体

◇口語=口語体=現代語=書き言葉
         ∟==話し言葉

◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い


◯使用している切れ字について

この作品集では
現代的な切れ字の候補を使用しています

「現代切れ字 十八字(推奨)」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ


◯俳句の目標

下記について、毎日の投稿などで
月日をかけて探っていければと思っています

「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」

「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」 

「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」

「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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