【連載】ラジオと散歩と味噌汁と(2/15)
2.再会
中学卒業から十五年目に開かれた同窓会の席で、君と再会した。四年前の夏のことだ。
当時、私は定職には就かずアルバイトで糊口を凌ぎながら、懸賞小説に作品を投稿する生活をしていた。だが小説家として生計を立てるという確固とした意志があったわけではない。そうできればいいなあぐらいに思っていただけだ。
人付き合いが苦手で、友達はいないし、会いたいと思う人もいないのに、なぜ同窓会に出席する気になったのか、自分でもよく分からない。強いて理由を探しても、暇だったからぐらいし