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趣味は新聞コラムを読むこと

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新聞各紙のコラムについて書いたものをまとめています。
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2021年11月の記事一覧

広いネットの世界なら少しくらいは

広いネットの世界なら少しくらいは

計算社会学者の鳥海不二夫さんが今日の朝日新聞の政治とSNSに関する記事のなかで「ネット上では多数派の声のように見える現象でも、それはごく少数者の発信による場合があり、現実の反映とは限らない」と書いていました。

ここ数年、選挙のたびに感じることをうまく言葉にしてくださっています。

『文學界』12月号の九段理江さんの小説「Schoolgirl」で14歳の少女がYouTubeで似たようなことを発信し

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「オレのバイアス」を語りたい

「オレのバイアス」を語りたい

今日も思いついたことをスマートフォンのメモ帳に記しておきました。このメモが人生に気付きを与えてくれる気がします。気のせいである可能性は高いです。というわけで今日メモした言葉たちを振り返ります。

【おっさんは事実ではなく「オレのバイアス」を語りたい】

これは自戒も込めてということになるのですが、おっさんは決して事実を語りません。事実についてどう思ったかを語ります。事実よりそちらのほうが遥かに比重

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あなたといっしょ あなたが一緒

あなたといっしょ あなたが一緒

昨日の佐賀新聞『有明抄』に佐賀西高2年の投稿について書かれていました。

「おむすびとたくあんだけのお昼でも
あなたといっしょ あなたが一緒」

この短歌への感想が綴られており、「いっしょ」が平仮名と漢字で表記されているところに着目し、柔らかな平仮名は女性、漢字は同じことを考えている男性であると、歌の視点が途中から変わっていると読み解いたそうです。

この読み解き方については、ジェンダーに関するあ

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立場の強い人たちの言葉は

立場の強い人たちの言葉は

昨日の毎日新聞に池上彰さんと五木寛之さんの対談が掲載されていました。

五木さんは、かつて「引き揚げ記録センター」なるものを作ろうと思い、録音機を抱えて日本各地の村を回ったのだそうです。しかし、本当にひどい目に遭ったとみられる人ほど真実を話ではくれなかったらしい。

「いろいろありましたけど、おかげさまで今は」これで話が終わってしまう。

一方、雄弁にいろいろなことを語る人たちというのは、その話を

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「たまたま」のお膳立て

「たまたま」のお膳立て

普段、考えていることと似たようなことが書かれてある文章に出合い驚くことがあります。

今週火曜日の日経新聞夕刊に文学紹介者の頭木弘樹さんのコラムが掲載されていました。頭木さんによると、「知らないうちに人に恨まれていることがある。自分ではまったく意識していなかったり、忘れてしまっていたりするのに、相手は深く傷ついて、ずっと恨んでいる」

これに関しては、自分では「そうかもしれない」と思う。なぜなら誰

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組織はリーダーの力量以上には伸びない

組織はリーダーの力量以上には伸びない

11月9日の産経新聞にコロナ時代のパリの風景について書いてありました。新型コロナウイルスの流行が続いているものの、パリは屋外ならマスクなしで自由に歩けるようになったそうです。ただ、悩ましいのが「あいさつのキス問題」。

「実は、前から嫌だった。今後、キスは息子だけにする」という50代女性の言葉に拍手を送りたくなりました。誰かが嫌な気持ちを押し殺しているような習慣は無くなってしまえばいいと思います。

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