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素人が音楽系小説を書いてみる「かつて王子と呼ばれた男」
目が見えないという事はハンディキャップと捉えられがちだが、案外そうでもない。その代償なのか、むしろ聴覚が発達し”肥えた耳”の持ち主になる可能性もある。というのは、僕の願望に過ぎないけどレイ・チャールズにスティービー・ワンダー、古いけどホセ・フェリシアーノ・・等偉大な盲目のミュージシャンはそこそこ居る。
残念ながら自分は楽器を演奏するわけではないし、歌詞を書いたり曲を作るわけでもないが、子供の頃か
掌編小説を書いてみる 昭和歌謡愛好会in渋谷
頭の中で「ガラスの観覧車」という曲が流れる。あの「真夜中のドア」でも知られる林哲司作曲及び歌唱、そして売野雅勇作詞のこの曲は、「ハチ公物語」という映画の主題歌。今早歩きで向かっているのが待ち合わせ場所であるハチ公前広場ゆえの<脳内選曲>というわけだ。石野真子も歌ってたっけ。少しずつあの像と、馴染みのある二人が人ごみの中からはっきりと見えてくる。
「あ、来ましたね清貴さん」
昭和歌謡愛好会のリー
短編小説を書いてみる「不思議な夢・命を絶とうと決めた日に」
協力:畠山隼一
なんて爽やかな朝なんだろう。心とは対照的に。今日が「最後」の日だと言うのに、完全には閉め切られていないカーテンからは、僅かに皮肉にも希望的な朝陽が差し込み、ベッドの上の僕の顔や足、素肌に溶け込むような色の鋭い線を描いている。
もう後には引けない。何故なら昨日、配信サイトで「新学期が始まる明日の朝、いつも乗る電車に飛び込んで自殺する所を配信します」という宣言をしてしまったから。夏
素人が短編小説を書いてみる・シルバーモンスター、コンビニを襲撃す!・前編
駅から少し離れていて住宅地寄りのこのコンビニにとっては、15時から17時辺りにかけてはお客さんが少ない、いわばちょっとした空白の時間でもある。今日も店長の笹川さんと僕竹山、そして東南アジアからの留学生である青年・ミンさんと、ある程度落ち着いた時間を世間話をしながら共有していた。あの人が来るまでは・・。
「ミンさん、日本は多少慣れましたか?」
「ハイ、まだまだ分からない事多いですが、日本の皆さん
素人が小説を書いてみる「電車で見かける気になるあの子・前編」
こんな男子高校生の生活をイメージしてほしい。第一志望の高校へは入れず、校則は無駄に厳しい、自分の地元からは遠い、入りたい部活も無く友達も多くない上にそこまで格好良いとは言えない、あるお笑い芸人に似てるという理由でからかわれる事も有った2000年代後半のモテない男子高校生の生活を。そう、言うまでもなく僕の高校生活はイギリスの空並みにどんより、ぱっとしない冴えないものだった。し・か・し、これはあくまで
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