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素人が書いた小説

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素人が音楽系小説を書いてみる「かつて王子と呼ばれた男」

素人が音楽系小説を書いてみる「かつて王子と呼ばれた男」

目が見えないという事はハンディキャップと捉えられがちだが、案外そうでもない。その代償なのか、むしろ聴覚が発達し”肥えた耳”の持ち主になる可能性もある。というのは、僕の願望に過ぎないけどレイ・チャールズにスティービー・ワンダー、古いけどホセ・フェリシアーノ・・等偉大な盲目のミュージシャンはそこそこ居る。

残念ながら自分は楽器を演奏するわけではないし、歌詞を書いたり曲を作るわけでもないが、子供の頃か

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短編小説「電車で見かける気になるあの子」

短編小説「電車で見かける気になるあの子」

※以前投稿したものを創作大賞用に前編・後編まとめたものです

前編こんな男子高校生の生活をイメージしてほしい。第一志望の高校へは入れず、校則は無駄に厳しい、自分の地元からは遠い、入りたい部活も無く友達も多くない上にそこまで格好良いとは言えない、あるお笑い芸人に似てるという理由でからかわれる事も有った2000年代後半のモテない男子高校生の生活を。そう、言うまでもなく僕の高校生活はイギリスの空並みにど

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掌編小説を書いてみる 昭和歌謡愛好会in渋谷

掌編小説を書いてみる 昭和歌謡愛好会in渋谷

頭の中で「ガラスの観覧車」という曲が流れる。あの「真夜中のドア」でも知られる林哲司作曲及び歌唱、そして売野雅勇作詞のこの曲は、「ハチ公物語」という映画の主題歌。今早歩きで向かっているのが待ち合わせ場所であるハチ公前広場ゆえの<脳内選曲>というわけだ。石野真子も歌ってたっけ。少しずつあの像と、馴染みのある二人が人ごみの中からはっきりと見えてくる。

「あ、来ましたね清貴さん」

昭和歌謡愛好会のリー

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短編小説を書いてみる「不思議な夢・命を絶とうと決めた日に」

短編小説を書いてみる「不思議な夢・命を絶とうと決めた日に」

協力:畠山隼一

なんて爽やかな朝なんだろう。心とは対照的に。今日が「最後」の日だと言うのに、完全には閉め切られていないカーテンからは、僅かに皮肉にも希望的な朝陽が差し込み、ベッドの上の僕の顔や足、素肌に溶け込むような色の鋭い線を描いている。

もう後には引けない。何故なら昨日、配信サイトで「新学期が始まる明日の朝、いつも乗る電車に飛び込んで自殺する所を配信します」という宣言をしてしまったから。夏

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素人が短編小説を書いてみる・シルバーモンスター、コンビニを襲撃す!・後編

素人が短編小説を書いてみる・シルバーモンスター、コンビニを襲撃す!・後編

 前編はこちら

「何だよ?二人共。俺が買いたいのはな、、」

「ポテトサラダ良いですよ~。使っているじゃがいもは北海道産男爵いもなんです」

「新発売の昭和なつかしシリーズ、もつ煮込みは如何ですか?なんでも、昭和のガード下居酒屋の味完全再現、だそうです」

「かあちゃんの台所シリーズの卵焼きもオススメですよ」

「下町キッチン・グリル村上監修のロールキャベツも・・」

「うるさいなあ、俺が買いた

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素人が短編小説を書いてみる・シルバーモンスター、コンビニを襲撃す!・前編

素人が短編小説を書いてみる・シルバーモンスター、コンビニを襲撃す!・前編

駅から少し離れていて住宅地寄りのこのコンビニにとっては、15時から17時辺りにかけてはお客さんが少ない、いわばちょっとした空白の時間でもある。今日も店長の笹川さんと僕竹山、そして東南アジアからの留学生である青年・ミンさんと、ある程度落ち着いた時間を世間話をしながら共有していた。あの人が来るまでは・・。

「ミンさん、日本は多少慣れましたか?」

「ハイ、まだまだ分からない事多いですが、日本の皆さん

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素人が掌編小説を書いてみる「帰ってきたよ!」

素人が掌編小説を書いてみる「帰ってきたよ!」

突然ですが私、生き返りました。不運にも結婚直後、私は夫と共に交通事故に巻き込まれ、夫は軽傷で済んだものの私は不運にも、帰らぬ人となってしまったのです。しかし事故から少し経ってから私は甦り、信じてもらえないかもしれませんが今や空も自由に飛べるようになりました。幽霊かと思うかもしれませんが、壁や障害物を通り抜ける事は出来ませんし、黒い長髪でもなく、当然白いワンピースも着てません。何故かやたらとお腹が空

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素人が掌編小説を書いてみる「伸びない木」

素人が掌編小説を書いてみる「伸びない木」

私、中山和樹はもうすぐ米寿を迎える男だ。妻に先立たれた私は、今一人縁側に座り、趣味であるラジオを聴きながら、庭のある場所を凝視していた。傍から見れば、私の視線の先にあるものは草さえ生えていないただの土であり、愛する者を亡くした、後は死を待つのみの枯れた男が魂さえ抜けた状態で佇んでいるようにしか見えないだろう。しかし、それにも理由がある。

私が若い頃、つまり半世紀以上前のこと。夜の屋台で管を巻いて

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素人が掌編小説を書いてみる「戻ってきた愛車」

素人が掌編小説を書いてみる「戻ってきた愛車」

今、僕の視線は窓の外、更に言えばアパートの駐車場を向いている。色とりどりに並べられた車が並ぶ中、ぽっかり空いた駐車スペース。そこには僕の車が停まっていた。数日前まで。

その車は、生産されてからもうすぐ30年が経とうとしている、国産のスポーツカー。車に興味を持ち始めた子供の頃からの憧れの車種で、僕はその車種のミニカーを買い、プラモデルを組み立て、ラジコンを走らせ、レースゲーム内で運転し、部屋にはポ

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素人が小説を書いてみる「電車で見かける気になるあの子・後編」

素人が小説を書いてみる「電車で見かける気になるあの子・後編」

前編はこちら

電車の窓は、限られた時間であるものの僕に豊かな時間を与えてくれた。普段なかなか見る事の出来ない、あの子の全体をとらえた姿は何より貴重で、登校時見かける姿よりも疲れこそ見えたが、途中通るトンネルに入ったことで一瞬より鮮明となる整った顔立ちは、僕が彼女に一目ぼれした瞬間の衝撃さえ蘇らせた。

しかし、迷惑にならない程度に、ほんの少しだけ足を伸ばし携帯を操作する姿は、どこか他者を寄せ付け

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素人が小説を書いてみる「電車で見かける気になるあの子・前編」

素人が小説を書いてみる「電車で見かける気になるあの子・前編」

こんな男子高校生の生活をイメージしてほしい。第一志望の高校へは入れず、校則は無駄に厳しい、自分の地元からは遠い、入りたい部活も無く友達も多くない上にそこまで格好良いとは言えない、あるお笑い芸人に似てるという理由でからかわれる事も有った2000年代後半のモテない男子高校生の生活を。そう、言うまでもなく僕の高校生活はイギリスの空並みにどんより、ぱっとしない冴えないものだった。し・か・し、これはあくまで

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素人が短編ホラー小説を書いてみる「マネキン」

素人が短編ホラー小説を書いてみる「マネキン」

何十もの視線を常に浴びる人間の気持ちが分かるだろうか。別に僕は歌手やモデルといった華やかな世界の人間でも、誰もが名前を知っている著名人というわけではなく、ただの収集家、かっこよく言えばコレクターだ。それもマネキンの。マネキンのコレクターなら、もしかするとそこそこ居るのかもしれないが、僕はちょっと限定的、つまりマネキンの頭のみのコレクターで、それらを部屋の棚に幾つも飾っているわけだ。どうせ人に理解さ

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素人が短編ホラー小説を書いてみる「電車の中のA君」

素人が短編ホラー小説を書いてみる「電車の中のA君」

※この話は知り合いの方が昔体験したという話をベースに作りました。

私が高校生だった時、いつも通り学校が終わり夕方一人電車に乗って帰っていた時の事だ。確かそれは金曜日の夕方。当時私は進行方向とは逆の端、つまり電車の一番後ろに位置する車両に乗るのが何となく習慣となっており、その日も駅で待っている段階からそこに座る事をイメージしていた。電車がホームに入り、車両一つ一つが私の前を通り過ぎていく。それぞれ

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素人がサスペンスホラー小説を書いてみる「ホラー苦手なんです」

素人がサスペンスホラー小説を書いてみる「ホラー苦手なんです」

「ホラー苦手なんです。ああいったのを喜んで観る人達の気持ちが分からなくて」

と、清々しい今の季節と重なるような澄んだ声で麻衣は言った。彼女とは仕事を通じて知り合い、少し前から仲良くしており、今回家に招かれそこに向かって二人歩いている所だ。話題はいつの間にか観る映画のジャンルの事となり、「ホラーは観るの?」という俺の質問に対する麻衣の答えがこれなわけだ。

「やーいやーい怖がり麻衣」

登下校中気

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