島津寿制作/デザイナー

フリーランスをサポートするデザイナー。イラスト、ロゴ、広告チラシ、ウェブデザインなどの…

島津寿制作/デザイナー

フリーランスをサポートするデザイナー。イラスト、ロゴ、広告チラシ、ウェブデザインなどの制作をする一方、10年以上コンサルティング会社で社内デザイナーをしていた経験を活かしてアドバイザーとしても活動。迷いがちなデザインについて役立つ情報を発信

マガジン

  • デザイナーの一人語り

    デザイナーを目指す人やクリエイティブが好きな人にとって役立つ話や、後世に伝えたいメッセージ等、デザイナーならではの視点と考察を一人語りしています。グラフィックデザインだけでなく、セイナー講師、絵画講師なども兼任してきた島津寿制作だからこそ、知りえた情報や経験を織り交ぜてお伝えします。

  • 島津寿制作デザインの教科書

    これを読めば、デザインは「センス」ではなく、頭で考えて「設計する」ものだということが理解できるはず。デザイナーを目指す人必見!デザインのノウハウを「デザインの教科書」にまとめました。

最近の記事

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デザイナーの私がnoteを始めた理由

それは多くの人にノウハウを伝えたかったから。小さい頃から、絵を描いたり、モノづくりをしたりするのが大好きで、三度の飯よりクリエイティブが好きでした。私は創作活動をしているときは、本当に食事を取らなくても生きていけるんです。睡眠さえも取らなくても大丈夫。 いつまでたっても満たされなかった過去 そんなクリエイティブが好きだった私は、念願の美術大学へ進学し、グラフィックデザイン学科を卒業した後、コンサルティング会社に就職し、社内デザイナーを務めていました。しかし、憧れていたはず

    • デザイナーの一人語りNo.8「デザイナーがいらなくなる時代」

      これからの世の中は、デザイナーがいらなくなる時代になっていくでしょう。デザイン好きの私にとっては非常に残念なことですが、逃れられない現実です。 AI(人工知能)の進化で誰でも制作ができる AI(人工知能)の進化により、すでにデザイナーの需要は減ってきています。今はIllustratorなど特殊な編集ソフトやデザイン知識がなくても、AIの自動生成で簡単にイラストやロゴが作れますし、ソースコードの知識がなくても誰でもWEBページが作れるツールが世に出回っています。 20年く

      • デザイナーの一人語りNo.7「天命を全うする」

        「天命を全うする」という言葉をよく聞きますが、実は天命は「天から与えられたもの」ではなく、自分が「天に誓ったもの」なのです。人生は、好きなように自分で生き方を決めて良いのであって、寿命を迎えるまでに天に誓った「やりたい事」を「完全に果たす」ことが「天命を全うする」の真の意味なのです。 昭和の時代に生まれた私は、社会の風習や慣習に縛られ「好きなように生きる」なんて、なかなかできませんでした。嫌もしかして、令和の世代でも好きなように生きられている若者は、ごく一部かもしれません。

        • デザイナーの一人語りNo.6「三日坊主なのは魂がそれを望んでいないから」

          途中で挫折して続かないのは、魂がそれを望んでいないから。本当に好きな事というのは、諦めなくてはいけなくても、諦められないものなのです。自然と涙が出てきて、諦める方が辛いのです。 得意なことは、それしかなかった 私は美大受験の時に、親に凄く反対されました。父は「そもそも大学なんていかなくても良い」という考えでした。中学を出てすぐに親方のもとで丁稚奉公をして職人になった父には、大学進学の意味が分かりません。私は幼いときから両親から「勉強しろ」と言われたことが一度もありませんで

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        • デザイナーの一人語り
          8本
        • 島津寿制作デザインの教科書
          9本

        記事

          デザイナーの一人語りNo.5「今はその苦労の意味が分からない」

          人生の幸不幸は予測できないものだというたとえを「人間万事塞翁が馬」と言いますが、昔の人はよく言い当てたものだなと、人生の大半を過ごしてきた自分だからこそ理解できる言葉です。 私は美術大学卒業後、都内にある経営コンサルティングの企業に就職し、インハウスデザイナーとして勤務しました。インハウスデザイナーとは、あまり聞きなれないかもしれませんが、会社に所属して自社のデザイン業務を担当する人、つまり社内デザイナーのことです。 デザイン事務所ではなく、一般の企業に所属するデザイナーで

          デザイナーの一人語りNo.5「今はその苦労の意味が分からない」

          デザイナーの一人語りNo.4「その道のプロになるために」

          恩師が白血病で亡くなったということを知ったのは、だいぶ後のことでした。インターネットでたまたま訃報の記事を読みました。もう何十年も合っていなかったので、最後にお礼だけでも伝えたかったという残念な思いで今はいます。 私の恩師は東京芸術大学を卒業後、現代アートの世界で作家として活動しながら、美大や芸大を目指す受験生に絵画の指導をしていました。大学受験予備校にしては珍しく、デザイン学科を目指す私たちクラスにも、試験科目に含まれない美術の歴史や絵画についても、たくさん語ってくれまし

          デザイナーの一人語りNo.4「その道のプロになるために」

          デザインは好みで選んではいけない!?

          もし、あなたがデザインする側の立場なら、好みでデザインを制作してはいけません。デザイナーに発注する側も、自分の好みでデザインを依頼してはいけません。なぜなら、顧客(ユーザー)に「どんなイメージを伝えたいか」を基準にデザインを選ばなければならないからです。 昨今、ビジネスをするうえで欠かせないのが資料作りです。企画書、提案書、広告チラシ、WEBページなど様々ありますが、フリーランスなら、ご自分で作らないといけないケースもあるでしょう。 そんなとき、あなたは何を基準にデザイン

          デザインは好みで選んではいけない!?

          デザイナーの一人語り No.3「灰色の絵しか描かない少女」

          これは私が講師を務めるカルチャースクールの絵画教室であった出来事です。私の教えるクラスは、特に課題はなく、好きな素材で好きな絵を描く授業をしていました。あるとき入会してきた小学生は、とても物静かで一言も話そうとせず、周りの子たちがどんなに騒いでいても、一人もくもくと絵を描いていました。彼女は本当に絵を描くのが好きで、授業が始まる前の待ち時間にも、廊下でひとり絵を描くことに没頭していました。 灰色の絵しか描かない少女 小学校の高学年とはいえ、彼女の技術はとても素晴らしく、高

          デザイナーの一人語り No.3「灰色の絵しか描かない少女」

          デザイナーの一人語りNo.2「もはやオリジナル作品は作れない」

          現代においてオリジナル作品を作り出すことは不可能です。アート作品を生み出す美術の分野においても、デザイン業界においても、音楽業界においても。今となっては不可能なのです。 なぜ、オリジナル作品は作れない!? 「あなたたちがどんなに考案しても、オリジナルの作品を作ることは、もはや不可能です」これは、現役デザイナーであった教授が、当時学生だった私たちに教えたものでした。 どういう事かと言うと、完全なるオリジナル作品というのは、とうの昔に作り出されてしまっているので、私たちが今

          デザイナーの一人語りNo.2「もはやオリジナル作品は作れない」

          デザイナーの一人語り No.1「盗める技術は全て盗め」

          盗める技術は全て盗め これは、今は亡き恩師が言った言葉です。当時まだ高校生だった私は、美大受験のために試験科目にあった絵画の対策として、下校後に絵を習っていました。 その頃の私は、人の技術を盗むことに凄く抵抗を感じていました。技を盗むなんて、何か悪いことでもしているかのようで、人の真似は絶対にしないで、なんとか上手な絵を描こうと試行錯誤していました。 しかし、恩師はこう言いました。「簡単に盗めるような技術は、たいしたことではない」「本当の技術というのは、何年かけても盗め

          デザイナーの一人語り No.1「盗める技術は全て盗め」

          派手な色使いをしなくても目立たせることができる

          視覚による心理的作用を活かしたデザイン手法 世の中には様々なデザイン手法がありますが、目立たせる方法は、大きく分類すると4つに分けられます。これは視覚による心理的作用を活かしたものなので、人が意識しなくても注意をひく作用があります。その原理を理解すれば、デザイナーがあみ出した様々な手法が、どうして効果があるのかが納得いきます。実は、WEBや広告などのデザインは、派手な色使いをしなくても顧客(ユーザー)に注目してもらえる方法があるのです。 では、目立たせる方法はいったい何か

          派手な色使いをしなくても目立たせることができる

          デザインの法則ーその5

          余白は「余った部分」ではなく、活かすもの 多くの人は、余白を余った部分と捉えがちです。余白にどんな効果があるのかを知らないからです。そこで今回は、余白の効果と重要性について解説していきます。デザインの法則5つ目は「余白を活かす」つまり、間隔を開けるというものです。 デザインの法則4つ目では、関連する要素にまとまりを持たせる(グループ化する)ことが大事という話をしましたが、まとまりを持たせるとどうなるかと言うと、自ずと間隔が空いて余白ができます。この余白こそが重要な働きをし

          デザインの法則ーその5

          デザインの法則ーその4

          正しく識別させるためにグループ化すべし 関連のある要素はまとまりを持たせてグループ化すると、見る側が内容を理解しやすくなり、デザインも良くなります。人の視覚は、近くにあるものを「グループ」として捉える傾向があるため、文章、写真、図形といった要素同士は、離れているより、近くにある方が「関連のある情報」だと認識します。デザインの法則その4は、関連があるもの同士にまとまりを持たせる、つまり「グループ化」するということです。 近くにあるものは関連があり、同じグループだと捉えてしま

          デザインの法則ーその4

          デザインの法則ーその3

          規則性をもたせると人は知覚できる! デザインの要素に規則性をもたせると、情報が整理されて内容を認識しやすくなります。なぜなら、人の視覚というのは意識していなくても「規則性」があるものや「パターン化」したものに意味を見いだそうとするからです。 具体的な例を上げます。例えば「箇条書き」を見たとき、それがどんな規則性があって並べられているのかを、人はすぐに判断します。行頭記号に1、2、3といった数字がついた箇条書きの場合、人はこれを何かの「手順」か「順番」もしくは「優先順位」か

          デザインの法則ーその3

          デザインの法則ーその2

          揃えられるものは全て揃えるのが鉄則! デザインの法則の二つ目は、写真や文字などの要素を「揃えて配置する」というものです。整列させると、自ずと見栄えが良くなります。敢えてずらしてインパクトを与える効果もありますが、意図してやる場合を除いては、画面(紙面)の要素(文字、写真、図など)はできるだけ揃えることがデザインの基本です。 では何を揃えるのか?それは、縦列と横列それぞれ揃えられるものは全て揃えます。左揃えなら左側に、右揃えなら右側に、中央揃えならば、中央に「揃える」のがレ

          デザインの法則ーその2

          デザインの法則とは

          良いデザインには法則が5つあります。コツやテクニック、技法と言ったものは細かく分けると沢山ありますが、大元になる法則は5つに分類されます。これらはデザインの基本で、広告、チラシ、WEBデザイン、名刺など、あらゆるジャンルに共通する原則となるルールなのです。 この法則にのっとって制作すると、見栄えは自ずと良くなります。逆に、これを無視して制作すると、コツやテクニックといった小手先の技術にどんなに力を入れても、結果的に良いデザインに仕上げることは難しいです。 誰でもセンスよく