颯太

22歳、西村賢太愛好家(自称) 毎週土曜日に勝手に連載してます

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最近の記事

初めての裁判沙汰〜後編〜

某IT企業から圧迫面接をされ、怒りに打ち震えた私は本社に長文のクレームメールを送った。 その後、担当の面接官ではない別の人事担当の者がメールと電話を私によこし、平身低頭で謝罪してきた。 私はその場ではなんとなく和解の形をとり電話を切ったものの、どうにも怒りは収まりきらない。 そこで、私はこの一連の出来事をXに書き込むことにした。 無論、現在使っているアカウントではなく、当時使用していたアカウントである。 「某IT企業に圧迫面接をされ、この仕事は向いていないから工場で働けなど

    • 初めての裁判沙汰〜前編〜

      裁判沙汰になった経験が人生で二度ある。 しかも、一年間で二度である。 と云うと、恰も武勇伝のような、老人がする「昔はよく悪さをしていた」云々の痛々しいアピールのように感じるかもしれないが、決してそんなつもりはない。 毎週noteを書くと勝手に決めたはいいものの4回目にして早くもネタ切れをしているというのもあるし、折角の貴重な経験なのだから書いてみようという極めて虚心坦懐な気持ちからである。 一度目の裁判沙汰は、約一年前に起きた。 当時私はニートで転職活動をしており、ボロボロ

      • 承認欲求ポリス

        私のXを見てくだすっている方はご存知かもしれないが、私はSNSを割と積極的に使っている方だ。 他の人の投稿等を見るのは勿論、noteは誰にも頼まれてもいないのに毎週書いているし、誰も聴いていないラジオを週に2回公開している。 で、そうなると必ず沸いてくるのが 【承認欲求ポリス】である。 【承認欲求ポリス】とは私が勝手に名付けただけなのだが、 「自分以外の人間が目立とうとするのを絶対に許さず、目立とうとしている人間の足を引っ張り、自分が気に入らない他人の行動は全て承認欲求や自

        • 「すごい面白かったよ」

          私が人よりも長けている能力と云えば、 「人を嫌いになる能力」である。 些細な言動が癇に障り、邪推し、直ぐにその人を嫌い、陰口を周囲の人間に言い続けるという救いようのない性質を持っている。 それは同性に対してだけではなく異性に対してもなので、今まであまり人を好きになった経験がない。 柔らかな体温に触れたいという希求は人並み以上にありつつも、恋愛感情を抱くことは人よりも少ない方であると思う。 当然、そんな私に想いを寄せる異性などいるはずもないので、そうなると恋愛経験が少なくなるの

        初めての裁判沙汰〜後編〜

          西村賢太作品の面白さとは

          基本的に無口で根暗な私だが、西村賢太先生について聞かれると無駄に話しすぎてしまう癖がある。 西村賢太先生はおろか、読書すら全くしない友人や家族に対しても先生の作品について熱弁してしまうのだ。 そうすると決まって聞かれるのが 「西村賢太のどこが面白いの?」という質問だ。 この問いはファンの人たちの間でも必ず話題になるのだが、根がカッコつけにできている私はいつも「単純に面白いから」などと云う身も蓋もない答えを言ってしまう。 これは本音でもあるが、好きなものの好きな理由を考えるの

          西村賢太作品の面白さとは

          羅針盤は壊れても

          自分が好きになった対象へのアプローチの仕方は人それぞれである。 他人の趣味や応援の仕方をとやかく言うのはナンセンスであるし、めいめいが好きなようにやればいいだけの話だ。 きっと一人ひとりにポリシーや流儀のようなものがあるのであろう。 で、「私の流儀」などと言うと少し大袈裟になってしまうが、私は好きになったものはとことん追求し、身銭を切るタイプである。 というより、気付いたら身銭を切ってしまっているタイプである。 勿論お金が全てではないし、お金でしか人や物の価値を図れない成金

          羅針盤は壊れても

          叱られる幸せ〜2週間の社会復帰〜

          専門学校を卒業後、新卒で入社した会社は1ヶ月、次は半年、その次も半年で退職し、半年間の無職期間を経て再び社会復帰をした。 その会社には一度面接で不採用の旨を言い渡されたのだが、他に行くあてもなくこれ以上無職期間を引き延ばすのは精神的にも経済的にも厳しいと踏んだ私はダメ元で再度連絡をし、リベンジ面接をしてもらい、【スキルはないが熱意と意欲はある若者】として内定を貰ったのであった。 そして7月8日から入社し、初日こそ順調だった。 短期離職は履歴書に書いていないし(れっきとした

          叱られる幸せ〜2週間の社会復帰〜

          嘆謬忌は淸えても〜西村賢太生誕祭〜

          2024年7月6日土曜日。 西村賢太先生の生誕祭(故人に対して生誕祭というのもおかしな話だが)が開催された。 場所は勿論、鶯谷の信濃路。 タイトルは【嘆謬忌は淸えても】。 僭越ながら私がタイトルを考えさせていただいた。 参加者の方から「これはどういう意味なんですか?」と何度か聞かれたのだが、正直深い意味はない。 【羅針盤は壊れても】をもじり、西村賢太っぽい難読漢字(というほどでもないが)を使いたかっただけである。 西村賢太っぽい難読漢字や難読単語ならいくらでもあるのだろうが

          嘆謬忌は淸えても〜西村賢太生誕祭〜

          遠回りの道中で〜西村賢太追影記最終回〜

          七尾のアパートから車を数分走らせ、先生が眠る西光寺に到着した。 こちらも事前にアポイントを取っていたため、 住職の方と藤沢外吉さんが出迎えてくださり、 本堂の中でさまざまなエピソードを話してくだすった。 記憶力と洞察力が凄まじく、住職や外吉さんのことは小説内で好き勝手書いても、そういったことを嫌う住職のお母様のことは絶対に書かなかったこと。 電話をかけても殆ど出ないが、藤澤清造関連の時だけは先生の方から積極的に連絡を取ってくること。 あれだけ酒癖が悪いのに、七尾の地では決し

          遠回りの道中で〜西村賢太追影記最終回〜

          遠回りの道中で〜西村賢太追影記②〜

          お昼頃自宅を出発し、石川に到着したのが19時頃だったためこの日は金沢の安宿に一泊した。 ベッドの上でも当然先生の作品を読んだ訳だが、その作品の稚拙な感想などは誰も興味がないと思うので割愛する。 そして迎えた次の日は6時半に起床。 無職特有の昼夜逆転生活が板についている私にとって数ヶ月振りとなる6時台の起床は正直辛かったが、いくら早起きとは云い条、なにもこれから嫌ったらしい労働に出向くのではない。 一年間追い続けてきた命の恩人に会いに行くのだから、早起き如きで文句など言ってら

          遠回りの道中で〜西村賢太追影記②〜

          遠回りの道中で〜西村賢太追影記①〜

          はな私が西村賢太先生の作品に出会ったのは、今から丁度一年前である。 当時の私は(今も殆ど状況は変わっていないが) 全くもって仕事が続かず、新卒で入社した会社は1ヶ月、転職した会社も半年で辞めるという暴挙に出ていた。 根が大の労働嫌いにできているのに加え、 社会に放り出されてからあっという間に2連敗を喫した私は完全に心が折れ、無収入にも関わらず転職活動をろくにせず、アルバイトすら探さずに実家に寄生して惰眠を貪るだけの生活を送っていた。 実家暮らしとは言え無職が親からお小遣い

          遠回りの道中で〜西村賢太追影記①〜

          5年遅れ

          もうすぐ23歳になる。 時々自分の人生を振り返ると、何においても人より5年遅れぐらいで今まで生きてきたのだなと思う。 恥ずかしい話だが小学2年生ぐらいまで指しゃぶりをしていたし、小学6年生ぐらいまで自転車に乗れずに友人と遊ぶ時は走りで移動していたし、中学生の頃は夜道を1人で歩くのが怖くて常に誰かに家まで送ってもらっていたし、未だに厨二病と思春期は終わらず、同い年の友人たちが社会に揉まれていく中で自分だけは就職も出来ずに未だにぷらぷらしている。 あまりにも、遅い。 当たり前

          5年遅れ

          周回遅れの春

          4月1日。 いつも通り昼過ぎに起床し、Xを眺めると 【#新社会人】がトレンド入りしていた。 そのトレンドを見た瞬間に気が滅入り、Xを見るのを辞めてインスタグラムを開く。 友人たちのストーリーズを次々に開いたが、その多くがXと同じく、新社会人に関わるものだった。 スーツを身に纏い、社会人生活への意気込みを語る友人。これからの生活を憂う友人。葛藤している友人。 結局インスタグラムを見るのも嫌になって、スマホを放り投げて、天井を眺めた。 いつもと変わらない天井を、ぼーっと眺めた

          周回遅れの春

          ADHDという流行り

          ※本記事はADHDの方を揶揄したり差別したりする意図は全くありません SNSの普及なのか、医療の発達によるものなのか、ここ数年はADHDという単語を目にする機会が増えた。 最近では中高生でも知っているような単語だし、SNSのトレンドにもよく顔を出す。 ADHDの症状や特徴が世間に浸透したことで、実際にそういった傾向がある方は、それを知ることで救われる側面もある。 「原因不明の生きづらさ」が言語化されて腑に落ちる部分もあるだろうし、通院して改善を図るという選択肢もできた。

          ADHDという流行り

          下ネタ大好き

          何を隠そう、僕は下ネタが好きである。 下ネタが大好きである。 何を突然!と思うかもしれないが、本当のことなのだから仕方がない。 下ネタを聞くのも、話すのも大好きなのだ。 誰もが分かるような平易なワードや稚拙なネタも好きだし、人によっては本当に嫌悪感を抱くような、エグめの下ネタも好きだ。 友人から、「お前は本当に下ネタしか話さないよな」と言われたこともあるので、僕は自他ともに認める下ネタソムリエということになろう。 で、この前友人と数人で飲みに行った時もいつものように下ネタ

          下ネタ大好き

          下手くそなのに楽しい

          9時に起きて、朝の10時から兄と4時間ぶっ通しでライブ(カラオケのことを勝手にライブと呼んでいる)。 友人と歌番組をする時(友人とのカラオケは、勝手に歌番組と呼んでいる)は、皆が知っているであろう曲をチョイスして、1.2時間程度歌ったら適当に談笑して帰るというのが恒例なのだが、兄とのライブはひと味違う。 各々が好きな曲を歌い、ほとんど休憩もせず約4時間熱唱し続ける。 ライブ風にアレンジしたり、間奏でシャウトをしたり、「行くぞ横浜!」などと意味不明の煽りまでしたりする。 友人

          下手くそなのに楽しい