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小宮哲男@不真面目を真面目に。
2024年7月12日 07:43
禍を転じて福と為すとは、まさにこういう事なんですね。今回、紹介する作品の登場人物である佐助。彼は、大阪道修町(どうしゅうまち)のゆたかな薬種商の娘で、三味線の道を極めた盲目の女性、春琴につかえる丁稚(でっち)です。ある夜、何者かによって、顔に熱湯をかけられて大やけどを追ってしまう春琴。そんな春琴を見ないために、佐助は縫い針を自分の眼に刺し、春琴と同じく盲目となります。盲目になっ
2024年6月30日 07:58
1.『エロティシズム』ジョルジュ・バタイユ著ちくま学芸文庫「エロティシズム」とは、何かを考えさせられる本でした。私たちは、「エロ」という言葉を何気なく使っていますが、この本を読んで、安易に使ってはいけないんだな、と再認識させられました。この作品で、フランスの文学者マルキ・ド・サドにも言及されていて、サド論としても読めます。2.『シュルレアリスムとは何か』巖谷國士著ちくま学芸文庫シュ
2024年6月29日 14:00
今回、紹介する『サロメ』の一番好きなセリフ。まだ、数える程度しか読んでいませんが、読む度に官能的なセリフだと感じます。このセリフは、どういうセリフなのか?ガリラヤの四分割領主(テトラルク)ヘロデは、後妻ヘロディアスの連れ子である王女サロメに「自分のために踊ってくれ」と懇願します。サロメは、ヘロデのために踊りを行い、その褒美に銀の皿を載せた「ヨカナーンの首」を要求。このヨカナーンとは、イ
2024年6月26日 07:39
前回投稿した記事の最後に、次のように書きました。ある哲学者とは、まさしくニーチェ先生です。6月のはじめに訪れた『デ・キリコ展』。この画家が、ニーチェの影響を受けていると知って、ニーチェをもう一度学びたい、と思ったのが再読するきっかけでした。今回紹介する本は、ニーチェ最後の著作『この人を見よ』です。この本は、以下の二つの点から楽しめます。センチメンタルな哲学者ニーチェ読書
2024年6月17日 07:25
シュールですね~。現実離れした意味として、「シュルレアリスム」の省略形として使われる言葉、シュール。もちろん、この言葉は誤って使われています。しかし、今回紹介する本の著者である巖谷(いわや)さんによると、シュールは、「シュルレアリスム」本来の意味から生まれた言葉ではないと断言しています。本来の意味は、どういう意味なのか?「シュルレエル」と「イスム」の二つの言葉に区切られます。ま
2024年5月26日 17:53
※食事中には読まない事をオススメします。何年も前から表紙が気になっていた本。その時は、どんな内容の本か詳しく知りませんでした。タイトルからして、アブノーマルな本だろうな…とは思っていました。なぜ、この本を手に取ろうと思ったのか?少し前に読んだこちらの本に関係しています。フランスの思想家ジョルジュ・バタイユ(1897年~1962年)が書いた作品。人間にとってのエロティシズムとは何
2024年5月23日 12:42
30歳を過ぎて、そろそろ健康の事を考えないといけないなと思って手にした本が、この本だった。はじめの方にこう書いてある。さらに、著者は続けて、「およそ養生の道は、内欲を我慢するのを根本とする」と書いています。ここまで読んで、健康について考える前に、まず自分自身が抱えている欲望を抑えないといけないんだな、と思ったのと同時に、今の自分は欲だらけじゃないかと呆れてしまいました。禁欲しろって