2023年10月の記事一覧
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』嗜好品の重要文化財
『Guilermo Del Toro’s Pinocchio』(2022)★★★・。
IMDB | Wikipedia | Rotten Tomatoes
技術的にも演出的にも高い精度に心打たれつつも、ギレルモ・デル・トロらしい、のしかかるような物語の薄暗さにはやはり項垂れる。それでも、その暗鬱とした2時間の中で輝くのは冒頭の涙ぐましいミュージカル・シーンと、ビタースイートな締めくくりだろう。独
『イニシェリン島の精霊』恐るべき究極の絶縁
『The Banshees of Inisherin』(2022年)★★★★。
Imdb | Wikipedia | Rotten Tomatoes
知りもしない片田舎で暮らす男2人の交友関係が絶縁したところからはじまる突然な冒頭なのに、なぜ絶縁したのか、それまでに何があって、それから何が起こるのか。両キャラクターの行動や思考が終始気になる。
走り出しの数シーンから、間もダイアローグ自体も気持
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』という若さへの挑戦
『Indiana Jones and the Dial of Destiny』★★・・。
偏屈ジジイと化したジョーンズ博士が、歳を重ねたハリソン・フォード自身の性格と同化していると思わせる点は良い。しかし主演はかねてから再演を希望していたのだから、作れるものならもっと早く作られるべきだった。
AIとCG技術で再現した過去の物語に過分な尺を割いていること。それらで当人が吹き込んでいる声が、作り上
『AIR/エア』コマーシャリズムから捻り出すクリエイティブ
『AIR』2023/★★★・。
Imdb / Wikipedia / Rotten Tomatoes
手堅いキャスティング、パフォーマンス、セットアップ、シーン消化。特にカギとなるキャラクターたちのパフォーマンスが物語に血を通わせる。ヴィオラ・ディヴィス、クリス・タッカー、ジェイソン・ベイトマンらが出色。マット・デイモンとベン・アフレックは言わずもがなだが、彼らは製作者でもあるので当然のものとし