シェア
子供たちが集められ、教壇にひとりの大人が上がる。 その大人はひらりと優雅に一礼し、子供た…
そこには何もなく、僕たちはただ漂っていただけ。 もともと目的地などはなく、行く当ても存在…
アイアンブルーの時間が終わろうとしている。 私たちは隣り合って座り、ただそれを眺めていた…
魚は水の中でしか動けない 本当に? ほんとうに 私達は空に生きているから、逆に水の中で泳…
世界にはつなぎ目がある。 人々にとってわかりやすいつなぎ目は、夕方から夜になるあの瞬間だ…
家でダラダラしていると思い出す祖母の言葉がある。 家の中でなーんにもしないでいるとね あ…
多様性が叫ばれる世界は最終的にひとつに纏まり多様性がなくなるだろう。 友人の言葉が現実味を帯びてきたのは、友人が消えてから三年後のことだった。 友人がいたなら、今のこの状況をどう言葉で表すのだろう。 早すぎると驚くだろうか。 それとも遅すぎると嗤うだろうか。 そんなことを考える余裕などないはずなのに、なぜだか友人のことを思い出していた。 彼女が隣に来て一緒に窓の外を眺める。 下の方では暴動が起きているのか、黒煙が上がっている。 銃声などの音は聞こえてこない。
ぷかぷかと球体が浮かんでいる。 ぷかぷか、ぷかぷか。 でもぷかぷかだとその周りは水かなに…
私の部下である彼と彼女は二人そろって屁理屈がすごい人だった。 私なんかでは到底太刀打ちで…
地面が揺れているのを感じて彼は立ち止まった。 彼が立ち止まると地面の揺れも止まった。 再…
入れ替わるとしたら、何がいいと思う? 不意にそんな言葉をかけられて、僕は相手の居るで…
布団に潜り込んで、寝る前の御話を聞いていた。 今日は両親ではなく、遊びに来ていたお母さん…
黒い水はいつでも燃える準備が出来ている。 俺達の国はひとつの物を除いて資源が乏しい。 だ…
覚えていることは少ない。 あたしは気がついたらここにいて、それからずっとここにいる。 動けないのではなく、動かない。 どこかに行く必要を感じないからだ。 このざらついている砂に嫌悪感を覚えたこともないし、海流が激しいことにだって苛立ちを感じたことはない。 他のみんなはこんな環境が嫌だと言って去って行ったけれど、あたしはここが好きだ。 でも、あたし以外にここを気に入っている者はいないから、結果的にあたしは一人でこの場所にずっといる。 たまに放浪者とか物好きな観光者