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スタッフド・パペット・シアターの『ユビュ王』を観るための補助線
2024年8月2日から日本各地で巡演されるスタッフド・パペット・シアターによる『ユビュ王』は、劇団の主宰、ネヴィル・トランターがコロナ禍中に制作し、69歳となったネヴィルの日本での最終公演を飾る作品である。
私は8月2日にいいだ人形劇フェスタの2回目の公演を観ることができた。
今から述べるのはその感想ではなく、観る前に、あるいは観た後にわからないことがあるとしたら、その時に参照することができ
パーキングエリアの食堂で
「あんまり人いないっすね」
眠そうな目をしてバックパッカーは食堂を見回した。深夜のパーキングエリアでテーブルに座っているのは俺たちの他には一家族しかいなかった。
トラックは4時間半走ったらかならず停まらなければならない。今日も下道に降りる前のパーキングでその時間を迎えた。ただ、今日がいつもと違うのは、前のパーキングで一人乗せてきたことで、今までそんなことをしたこともないのに急にそんな気になった
屋根の上の合唱(一幕物風)
月も朧に。
維納の「れおぽるとしゅたっと」区の屋根の上には今宵も辺りに住む猫たちが集まる。
マイステル 「皆の衆、揃ったか」
猫たち 「あい」
マイステル 「シュヴァルツ、今宵こそ楽器を忘れずに持ってきたか」
シュヴァルツ 「あい、ここに」
マイステル 「弦は張り直したろうな?」
シュヴァルツ 「あい、確かに。あのにっくきドブネズミ、ブラウンの髭を使ってございます」
ヴァイス
猫を飼う、生きている
猫ならなんでも興味があるから、お家まで遊びに行った。
迎えてもらった部屋の中はきちんと整理整頓されていた。「本当は物は全く必要ないんですが、どうしても、人を迎えるとなると、体裁だけは整えなければいけなくて」と言って柏原さんは微笑んだ。
「猫はどこですか」
「ああ、今、連れてきます」
猫がやってきた。黒猫だった。
「えー! 可愛い!」
「そうでしょう」
「あの、こう言っていいかわからないけど、