ドイツ伝統の漬物「ザワークラウト」を自家製してみる・レシピあり
まだ〈旅と食〉シリーズ「コペンハーゲン編」の途中ですが、ひとつ本業の料理ネタを挟もうかと。
ドイツの伝統的な発酵食品を食卓に
すっかり秋らしくなり、個人的に発酵食熱が高まっている今日この頃。毎年この時期になると、塩麹・醤油麹・ザワークラウト・甘酒などを仕込みたい気分になってくるのです。もう少し寒くなったらキムチ作りも再開したいし、今年2月に仕込んだ手前味噌はまもなく解禁の予定なのでドキドキ♪
さて今回レシピを紹介するのはドイツの伝統的な保存食であり発酵食品である「Sauerkraut(ザワークラウト)」日本語にすると「酸っぱいキャベツ」という意味です。しかし、酢漬けにしたお酢のすっぱさではなく乳酸発酵による酸味。そう、コレはドイツ版キャベツのお漬物なのです。
ドイツ在住時代はザワークラウトを食べる機会が多く、お店ごとの微妙な味の違いなども楽しんでいました。仕込む時に使用するハーブやスパイス、発酵具合により味わいが異なるので、ザワークラウトの味が好きで選んでいたレストランもあったほど!
ドイツ生活中すっかり Sauerkraut ファンになった私は、自宅にも常備したくなりまして……スーパーなどで瓶詰めの商品も購入できますが、わりと簡単に作れることもあり当時のドイツ人同僚に作り方を聞いて自家製するようになりました。また自分好みに味付けをアレンジできるもの手作りの良さではないでしょうか。
発酵食品であるザワークラウトは、キャベツ本来の栄養価を発酵させることによってさらにUPさせています。なお、ザワークラウト・キムチ・ぬか漬けなどに含まれる植物性の乳酸菌は、チーズやヨーグルトなどのような動物性由来の乳酸菌に比べ腸に届きやすいのだそう。良質な乳酸菌と一緒に、キャベツの豊富な食物繊維・ビタミン類・カルシウムなどを摂って腸内環境を最適化、元気に寒い季節を乗り越えていきたいものです♪
ザワークラウト自体は、グルテンフリーやプラントベースの食生活をしている人にも食べてもらえるひと品。食べ方は、王道にソーセージやベーコンと一緒に煮込むのも良いですし(←ザ・ドイツ!な食べ方) 酸味と塩気があるのでピクルスのようにサラダへ混ぜる or のせる、またスープに加えて煮込んだりと(煮込むと酸味はマイルドに)動物性食品を食べない人にとっても何かと使い勝手◎ お好みの調理法でアレンジを楽しんでみてください!
それでは、作り方をご紹介✴︎
材料
・キャベツ
・塩
・お好みのスパイス
・ローリエ
※スパイスの種類など材料(分量)の詳細は手順内に記載しています
【量と容器の目安】
画像のザワークラウトは、キャベツ約1Kgを直径8.5 ×高さ18.5cmほどの瓶に詰めました。
手順
〈調理前の準備〉
手をハンドソープでよく洗う(爪や指と指の間〜手首の方まで)保存瓶を消毒し、使用するボウルやまな板へは熱湯を流しかけます。※腐敗防止の作業です
①
キャベツを千切りしていきます。漬物になるので、多少太めでもOK。芯の部分は繊維に沿って薄切りにしてから千切りすると無駄なく使えます。
②
まずはキャベツを計量。重さに対して2%の塩を量ってふりかけ、大きめのボウルの中でキャベツがしんなりするまで揉み込みます。
③
スパイスを混ぜたい場合は、ここでキャラウェイシード・カルダモン・ジュニパーベリー・ペッパー系などお好みのものを混ぜておきます。スパイスは入れなくても作れます。
※画像のザワークラウトにはキャラウェイシード小さじ約1杯と、ホールカルダモンを10粒ほどを入れました。
④
③のキャベツを瓶に詰めていきます。手でギュッと押し込みながら詰めてください。詰めながら途中にローリエの葉を数枚忍ばせます。入れたほうが美味しいですが、なくても作れます。
中身を蓋で押し込みながら閉める感じであれば、そのまま蓋を閉めてしまってOK。(この時、中の水分が溢れ出てくるので、バットなどの上で作業すると良いかと)
最後にギュギュッと押し込めた後、もし瓶の入り口までに空間が出来そうな量の場合は、ラップをキャベツの表面に密着するように被せてから、何か重しにになるもの(水を入れた瓶など)を乗せ、水分が上がってくるまで常温に数時間置きます。
⑤
〈重石をのせている場合〉重石を取ってラップはそのままに軽く蓋をする。
〈ぎゅうぎゅうに上まで詰めた場合〉蓋を軽く緩めるだけでOK。
常温で発酵させていきます。蓋を緩めるのは発酵により中身が膨張するため。発酵させる間は、水分が溢れ出てくるのでバットやお皿の上にのせておくと良いでしょう。
※発酵中は、キャベツ全体が水分に浸かっている状態を保つのがベストです。
⑥
小さな泡が出て、酸っぱい香りがしてきたら発酵の合図。キャベツの色はグリーンからやや黄色っぽくなってきます。
発酵にかかる日数は季節により異なります。目安は3〜6日。
夏場のように気温・室温が高い場所だと発酵が早く進み、過発酵で腐敗する可能性があるので、春・秋・冬の時期が作りやすいと感じます。また発酵中は、こまめに状態を確認すると良いでしょう。
⑦
発酵してきたら蓋をしっかり閉め(重し後でラップが被せてあれば、ラップありのまま)冷蔵庫の野菜室で10日〜2週間ほど熟成させるとより美味しくなります。
【保存】
完成後の保存は、冷蔵庫で半年ほどが目安。瓶からザワークラウトを取り出す際は、腐敗防止のため清潔な調理器具を使用してください。
それでは、また!
「ケの日の台所」から生まれる
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