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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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#入管

入管春の渋滞予報とか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.11.10-24.11.16)

入管からお触れが出ていまして。 相変わらず入管窓口、担当者個人の当たり外れが大きいわけですけれど、そのなかでの繁忙期予報なので、目を引きました。これ誰がいちばん困るって特定技能の資格で国内転職を考えているひとたち。 転職先が在留資格変更届を申請するんですけど、たとえば1月に審査を依頼して通常でも3~4ヵ月要するところ(首都圏)プラス3ヵ月だと半年、宙ぶらりんになってしまうリスクがある。 (しかも人材紹介エージェントがその辺を理解していないことが圧倒的に多いのよーあんたたち仕

小声で大それたことを言う法務省/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.8.25-24.8.31)

概算要求が出てくる季節、法務省が何か言っているようなのですが みんなマイナンバーカードのことが嫌いだから(キメツケ)この見出しになるのも仕方ないですが、元ネタにはもっとエラいことが書かれており これ、本当にこの路線で進むんですか。外務省、厚労省、法務省の綱引きで生じている無駄はたしかに一元化されるべきですが、よりによって入管庁がそこを担うのは最も無い選択肢、と過去5年にわたり毎週のように彼らの人権意識の欠落を指摘せざるをえないニュースを紹介してきた当欄筆者として、思います

記事見出しにつられて律義に踊らなくてもいいのよ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.23-23.7.29)

ここ数週間ネットを沸かせるようなトピックが少なかった外国人労働者界隈でしたが今週はイカニモな見出しに多くの釣果が確認されていました。 パッと見は日本の相対的な地盤沈下、と読める見出しですが、違うんですって。 ・EPA(経済連携協定)という仕組みで来日する人数が減っている ・技能実習、特定技能より古いスキームで ・来日要件はほかの在留資格に比べ厳しく、来日後の延長要件も厳しい ・つまり申込数が減っているのは今に始まったことではなく、自然 個人的には残念なバズらせ方としか言えな

文化は渡来するものだった国で暮らしながら/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.16-23.7.22)

相変わらず暑いから、でもないでしょうが(そらそやろ)大々的に世間の注目を集めるような大ニュースはなく、個人的に目を惹いたのは1ヵ月前のこの件。 後追いした独自報道が出たのですが 掲載タイミングが早すぎて不起訴確定前っていうね。 本件、初報当時にもまあまあ気になったので当欄でも言及したのですが、詳報を読んでも逮捕された男性の在留資格に対する明示がなく って技術・人文・国際ビザならそう書くであろうところを変にぼかした書きぶりで、結論「高度専門職1号ロ」いわゆる高度人材とし

酷暑御見舞/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.9-23.7.15)

今週はさして大きなトピックはなく-というと語弊がありますが たとえば政府がホメてもらえるだろ顔をするこの話も 本音が先に漏れ聞こえてきていた分、無の表情になるしかなく。 ■同様に、ちょっといい話ふうの報道を無邪気に読むにはいろんな予備知識が脳裏をよぎってしまうことが多い昨今です。

メイキング・オブ・バンリュー/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.2-23.7.8)

フランス全土にひろがる暴動もさることながら、世界規模で遍在するフェイクを混ぜて祭に参加する勢、うかうか乗っかる勢などが可視化されて頭が痛いっすな。と思っている昨今ですが(ちなみに今週のサムネイルもその『アテナ』2022から拝借) 対岸の火事ではない、と数週前からゼノフォビア界隈が主張していた埼玉県川口市における騒動、彼らの言う通りほとんどのマスメディアが取り上げてこなかったのがようやく今週報道されまして。 個人的には ・何が起きているのかヘイト要素を除いて教えろください

沈むべくして沈む/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.25-23.7.1)

ギリシャ沖で沈没した移民船のニュース(6.18)、その後起きたタイタニック見学潜水艇消息不明(6.22)に上書かれ、あっという間に関心が薄れているわけですけれど、ニューヨークタイムズが昨日掲載した記事「全員が絶望的だと分かっていた。救いの手は差し伸べられなかった」を遅ればせながら読み、暗然としました。 ・ギリシア当局は移民船が自力航行できない状態にあったことを沈没する13時間前には把握していた ・SOSが数えきれないほど出ていたのに誰も何もしなかったのはEU圏における移民受

ソーシャル・エクスクルージョン/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.18-23.6.24)

今週気になったニュースはこちら。 背景の補足はこちら。 死体遺棄で女性が逮捕されるケースには慣れてしまいましたが、それともまた違う状況で。社会的包摂ということばの意味を考えました。 ■本質は同じだと思うニュース 病で困窮する外国人、生活保護の外 ガーナ人男性、利用求める訴え:朝日新聞デジタル 日本に住むガーナ人の男性が生活保護の利用を求めて自治体を相手に裁判を起こしている。透析治療中で母国に帰れず、働くことも認digita

ぐったりweek/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.11-23.6.17)

入管法改「正」案の成立というイベント週の翌週ということもあって、全体に『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)ジャケ写のような顔で過ごした1週間でした。 そんななか、個人的に「ああ……」となった記事はこれ。 ■あと目についたのはこれ この件、新聞社や放送局などの旧型メディアが知らないはずないと思っていて、そこをあえて「不法」言い続ける愚を犯すのは自他のゼノフォビアにおもねっている以外の解釈はできず、個人的な感想を表すならひとことで、 ダセぇ。

移民の国に暮らすということ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.4-23.6.10)

2023年1月23日召集、第211回通常国会に提出される見込み。と報道された時から想定されていたことではありますが、当時の自分コメント 約5ヵ月後の今週、最前線で詳報を更新し続けていたウェブサイトの見出しを並べるとこんな感じ。 ■立法根拠が壊滅したにもかかわらず、とにかく成立させるを合言葉に進む国に生きているわれわれ。

世の中は進歩しているのか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.5.28-23.6.3)

入管法改正談義が大詰めで各所の報道かまびすしく、当欄でまとめるまでも……思いかけ、いやニュースまとめを名乗ってるんだからまとめろや。 2行で訂正するハメになる私にも一応の言い分はありまして、皆さんの声が自然に大きくなり、なんなら怒号が飛び交う昨今じゃないですか。みんながそうならせめて自分は積極的に静かでいたいんです。 見落としてしまうような「小さなニュース」にもニンゲンが居るわけで。 ■たとえばこういう話 何度でも書きますが、当事者だけの問題ではない、社会にも責任の一端は

いっちょかみ注意報/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.5.21-23.5.27)

今週も騒々しい1週間でしたが、個人的には「よくある系」として埋もれてしまっているニュースの行方を気にしています。 これだけでは何のことだか分かりませんでしょう。 2022年2月の事件背景は、地裁における初公判を報道した今年1月に明らかになっていましてね。 あー痴情のもつれ。って思いかけるじゃないですか。 でも、重要なのはそこじゃなくて。 下世話な注目を集めてしまうのは二次加害、それはそうなんだけど北海道警の言い分は無視するには大きすぎるだろ、と思っているんです。 高裁

入管法改正案あらためて注目される/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.5.14-23.5.20)

ブラウザのタブでひととおり今週のニュースを開き終えてから毎週何か書き始めるんですけど、今週はちょっと本数多すぎて無理。とくに冒頭2題。 ■難民審査参与員のテキトー発言に俄然注目が集まる件

2021年3月4日15:30-16:30名古屋市丁病院(総合病院精神科)戊医師の診断について/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.5.7-23.5.13)

みんなたちがあやふやな情報をもとにケンケンゴウゴウなのは見飽きているのですが、整理しておきますね。ああ、ウィシュマさんが支援者に淡い期待を抱かされたとかなんとかいう件です。 ■中間報告書(21.4.9) 「Aが訴える症状の出現時期が、Aが帰国希望から日本への在留希望に転じた時期と合うことから、例えば、病気になることにより仮放免をしてもらいたいとの思いが作用するなど心因性の生涯を生じさせている可能性があるとして」 ■医師診療録(21.3.4/別紙一覧18) ■別添【1月