見出し画像

ソーシャル・エクスクルージョン/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.18-23.6.24)

今週気になったニュースはこちら。

警察や消防によりますと、21日未明、埼玉県寄居町で「妻が大変なことになっている」とベトナム人の夫から通報がありました。
救急隊が自宅に駆けつけると、ベトナム人の妻が血を流していて腹に痛みを訴えたため病院に搬送され手当てを受けています。
妻は母子手帳を持っていて妊娠中とみられるものの、胎児がいなかったことから医師が事情を聞いたところ、夫が「埋めた」などと話したということです。
警察が夫の話に基づいて町内を流れる荒川の河川敷を調べた結果、生後まもない赤ちゃんの遺体が埋められているのが見つかり、夫を逮捕しました。
(略)警察の調べに対し「妻がトイレで死産した。自分と妻の赤ちゃんを埋めたことに間違いありません」などと供述しているということです。

背景の補足はこちら。

死体遺棄で女性が逮捕されるケースには慣れてしまいましたが、それともまた違う状況で。社会的包摂ということばの意味を考えました。

■本質は同じだと思うニュース

■上記の流れに連なる、しかもあまりといえばあまりな話でもっと大騒ぎにしないとダメだろう、と思ったのは次のニュース。

・生活保護の受給対象に外国籍住民を入れたくない
・家賃滞納しているからホームレスだ、つまり受給資格を喪失している
・強制送還されるよ
・親と子で別々に暮らすべき
・などとは言ってない
・通訳が間違って言ったかも
・録音が出てきた……? 

なんぞこれ。

■愛知県安城市に匹敵するぐらいの話が鹿児島県枕崎市にもありまして

ニュースの内容もともかく

監理団体、実習先を指導・監督する外国人技能実習機構(東京)は「個別の事案については答えられない」としている

この言いぐさは禁じないとダメだろ、という前々からの思いが強まります。個別の事案について答えるためにこそ存在する組織だろう。舐められているのは我々ですよ。

■その他ニュース

■サムネイルは『ザリガニの鳴くところ』(2022)から。
故北上次郎の書評にいわく

ミステリとして読むとけっして新鮮というわけではなく、どこかに既視感がともなう作品である...退屈ではないが、飛び抜けてはいない、というのが正直な感想だろう。ところが、孤高のヒロインを描く小説として読めば、沼地で生まれ、7歳からたった1人でそこで生きたヒロインの孤独と、苦難の人生を鮮やかに描く長篇に一変する。その美点を強調したい

そう、社会に包摂されない存在がヒロインなので、ついうっかり彼女に感情移入してしまいそうになるわけですけれど、彼女を異物であるというその一事で拒絶する「ふつうのひとたち」側に我々は居る。そのことが伝わってくる作品でした。

いいなと思ったら応援しよう!