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文化は渡来するものだった国で暮らしながら/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.7.16-23.7.22)

相変わらず暑いから、でもないでしょうが(そらそやろ)大々的に世間の注目を集めるような大ニュースはなく、個人的に目を惹いたのは1ヵ月前のこの件。

後追いした独自報道が出たのですが

掲載タイミングが早すぎて不起訴確定前っていうね。

本件、初報当時にもまあまあ気になったので当欄でも言及したのですが、詳報を読んでも逮捕された男性の在留資格に対する明示がなく

母国の大学を出て建設業界のエンジニアとして働き、家族のために稼ごうと技能実習ではない就労ビザで来日して5年になる

太字は引用者

って技術・人文・国際ビザならそう書くであろうところを変にぼかした書きぶりで、結論「高度専門職1号ロ」いわゆる高度人材としての雇用と思われるんです。
ということはね、119番知らなかった件を含め、雇用主側が責任を果たしていないってことなんですよ。
ってあたりまえの感想を書くためにエラく文字数つかっちまった。

■そういえば枕崎の監理団体の不祥事案件

これも叩けば出るホコリが止まない状況ですが、なにしろ西日本新聞のスクープが会員限定記事だったのが災いして(=断言)、事の重大さを思えば広まりきっていないんですよね。

ちなみに監理団体は「人権侵害ではない」などと主張しているはずなので、本件もきっちり最後まで報道されることを期待しています。

■今週のその他ニュース(多い)

■最後に別枠

朴のように日本国籍を取得するという選択は、いまや在日コリアンにとって珍しいものではなくなった。「オールドカマーの在日」といえる特別永住者の数は、朴や筆者が朝鮮学校の生徒だった2001年の約50万人から、日本国籍取得や少子高齢化によって2022年には30万人を下回るまでに減少した。2004年に約200人いた東京朝鮮中高級学校(高級部)の新入生の数も、2023年は100人を切っている。
この流れが止まることは、おそらくないだろう。そう遠くない未来に、既存の「在日」という概念は決定的に変容している可能性が高い。かつての在日コミュニティに少なからず存在していた家父長制的なイデオロギーや、日本への国籍変更を「同化」とみなしタブー視する傾向も、なかば自然の摂理として衰退しつつある。

フランスの暴動を指して「移民=悪」って言うひと、少なくないと思うんですが、本邦における在日コリアン社会の変容は、時間や軋轢もありつつ、世界的に見てもソフトランディングと呼べる部類では、と思うのです。

■サムネイルは『もののけ姫』(1997)に登場する、とある人物ですが彼ら特殊な技術を有する集団(=師匠連)、ふつうに考えると渡来人の末裔ですよね。

つまりね、ずーっと共生してきている国なのに、たとえば上記のような見出しがゼノフォビア界隈に早速響くの、なんなんすか。

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