沈むべくして沈む/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.25-23.7.1)
ギリシャ沖で沈没した移民船のニュース(6.18)、その後起きたタイタニック見学潜水艇消息不明(6.22)に上書かれ、あっという間に関心が薄れているわけですけれど、ニューヨークタイムズが昨日掲載した記事「全員が絶望的だと分かっていた。救いの手は差し伸べられなかった」を遅ればせながら読み、暗然としました。
・ギリシア当局は移民船が自力航行できない状態にあったことを沈没する13時間前には把握していた
・SOSが数えきれないほど出ていたのに誰も何もしなかったのはEU圏における移民受け入れが政治問題だから
・密航船の操縦者すなわち船長が自力でイタリアに行くことを主張したのは着かないとギャラがもらえない成果報酬制のため
・ちなみに「不法入国」にかかる費用はひとり65万円程度。ベトナムから技能実習制度で来日する際に仲介業者が持っていく百数十万円より安い
・定員の倍近い乗船者700人超、全員のお代あわせたら5億円だとか
・女性と子どもは船底に近い層に居たので少なくとも600人以上とされる犠牲者に全員が含まれています
・さらに下、船底に近い層に押し込められていたのがパキスタン出身者、対照的に上層に居たのはシリア、パレスチナ、エジプト。記事にいわく、それなんてhellish class system(地獄の階層制度)
いまさら思うことではないですが、人命の値段が生まれた国によって異なるのが現実だとして、だから何。とうそぶけるほどには自分の心は堅牢には出来てないんだな。
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■今週のその他ニュース
■今週のその他ニュース(のうち、レア度高めのやつ)
インドネシア国内で報道された「インターンシップという名の奴隷制度in Japan」的な話
■サムネイルは『タイタニック』(1997)ですがそういえば未だに見てないし、見たいとも思えないのは何でなんですかねという知らんがな案件