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2021年3月4日15:30-16:30名古屋市丁病院(総合病院精神科)戊医師の診断について/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.5.7-23.5.13)

みんなたちがあやふやな情報をもとにケンケンゴウゴウなのは見飽きているのですが、整理しておきますね。ああ、ウィシュマさんが支援者に淡い期待を抱かされたとかなんとかいう件です。

中間報告書(21.4.9)

Aとあるのがウィシュマさん

「Aが訴える症状の出現時期が、Aが帰国希望から日本への在留希望に転じた時期と合うことから、例えば、病気になることにより仮放免をしてもらいたいとの思いが作用するなど心因性の生涯を生じさせている可能性があるとして」

医師診療録(21.3.4/別紙一覧18)

★精神科初診時サマリー
●●歳,女性。スリランカ出身。
名古屋入国管理局に拘留中。この1ヶ月ぐらい、食事摂取が低下、嘔気・嘔吐、幻聴、不眠、意欲低下、希死念慮などを生じた。血液検査ではとくに異常なく、○病院(※2月5日受診の病院名)の消化器内科ではとくに異常なし、と言われた。
支援者から「病気になれば、仮釈放してもらえる」と言われた頃から、心身の不調を生じており、詐病の可能性もある。
診察時、患者はぐったりしているが、話は何とかできていた。手足の筋は弛緩気味。病的反射はみられず、自分で動かず移動に介助が必要となっているよう。念のため頭部CTをしたが、とくに異常なし。
確定はできないが、病気になることで仮釈放してもらいたい、という動機から、詐病・身体化障害(いわゆるヒステリー)を生じたということも考えうる。さしあたり幻聴不眠、嘔気に効果のかる薬を出して様子見とすする。

太字は引用者。改行位置変更しています

別添【1月15日から3月6日までの経過等の詳細】

なお調査チームの聴取に対し戊医師は「問診の際、名古屋局職員から『A氏は支援者から病気になれば仮釈放*してもらえる旨言われたことがあり、その頃から心身の不調を訴えている』旨の説明を受け,一つの可能性として,詐病の可能性を考えた」「名古屋局職員が『詐病』や『詐病の可能性』という言葉を用いたり詐病の疑いがある旨の発言をしたことはなかった」旨を述べている。
また、問診に立ち会った職員は調査チームの聴取に対し「戊医師に対してA氏の体調不良の経緯として、最初は帰国希望だったが支援者らと面会して話をする中で在留希望に変わったことや、その頃から体調が悪くなったことを伝えた。また面会簿から把握した情報**として支援者のS1氏がA氏に対して『仮放免を受けたければ体調不良をアピールした方が良い』とアドバイスしているとの認識があったため、その旨を戊医師にも話したと思う。
他方A氏の体調不良はA氏の様子から明らかで、詐病という認識はなく戊医師にも『詐病の可能性がある』などとは言っていない」旨供述している。

*職員に確認した結果、職員は「仮釈放」ではなく「仮放免」という言葉を使ったはずである旨供述している
**面会簿(別紙4)には前記1(3)記載のとおり令和3年1月20日の面会時のS1氏の発言として「お腹の不調については病院に行って検査をしないと原因が分からないので早く病院に連れて行ってもらえるよう担当にアピールをした方がいい」「入管は体調不良者について何もしない。病院に行って体調不良を訴えないと仮放免されない。仮放免されたいのであれば病院が嫌いでも病院に行った方がいい」などと記載されている。診療に立ち会った職員は調査チームの聴取に対してこれらの記載から支援者のS1氏がA氏に対して「仮放免を受けたければ体調不良をアピールした方が良い」とアドバイスしているとの認識を持っていた旨供述している

太字は引用者。なお句読点編集あり

令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局 被収容者死亡事案に関する調査報

A氏の体調が徐々に悪化していった中,看守勤務者の多くは,受診の結果,A氏に器質的な疾患が認められなかったことなどから,A氏による体調不良の訴えについて,仮放免許可に向けたアピールとして実際よりも誇張して主張しているのではないかと疑っていた

太字は引用者

■そこで、です。これらを知ったうえで何か言うなら言え

と、もちろんくだんの議員の扇動に思ったんですけど、別にいま始まったことではないんですよね。ウィシュマさんがハンストしてた、とか思ってるひとも、もしかしたらまだいるぐらいで。(という声にムカついてまとめたのが下記note。3ヵ月前だ)

ただね、うっかり者が「支援者のせいで」って読み取ってしまっても、まあ無理からぬ流れがあるわけじゃないですか、この件。
診察した医師でさえ、入管職員の説明を受けて詐病の可能性あり、と書いたぐらい。
だけど自分と同じ側に立たないひとの無知を嘲ったり憤ったり、そんな時間はもう残されていないんですよ。
議員の発言が基づく文書はこれですか、この一節ですか。ちなみに最終報告書の「小括」において、職員たちの「誤解」は全否定されているのですが、それでも入管は無謬とお考えで? ぐらい詰め寄って報道せんかい。
……と、最初に記事を目にしたときの自分の感想も、念のため残しておきます。

■今週の入管方面ニュース

■そうした入管法改正にまつわるオピニオン

あのね、でか美ちゃんが等身大の発言をしていて。

やっぱりこう、今回改定がされましたけど。なんか「もっと声を上げておけばよかった」ってすごく、自分でも後悔しました。自分の発信力をやっぱり低く見積もってるんで。基本的に。
1人1人の声でも、その1人1人が言っていかなきゃダメだっていう。私がこういう仕事してるからじゃなく、普通に暮らす1人の人間としても、もうちょっとちゃんと勉強して、早く早く発信しておけばよかったって思いましたね。

■ちょうどノッポさん(1934.5.10-2022.9.10)の訃報が公開されたタイミングだったので(2023.5.10)彼の過去発言を探して読んでいたんです。

人間はね、寿命が1000年あればなんとかなるって前は言ってたの。戦争とかに巻き込まれても、人間は100年だと忘れてしまう。でも例えば100年に一回戦争が起こって、二度、三度、四度って経験すると、人間は賢くなるかなと思っていた。けどね、今は正直言うと、2000年あっても駄目なんじゃないかと思ってしまうの。でも、そうも言ってられないでしょう、小さい人を育てている人たちは。
本当に小さい人は、見ているとかわいらしい。でもこの頃、そのかわいらしさの底に“かわいそう”がある、どうもね。私らみたいな年寄りはあといくらもしないうちにいなくなるけど、小さい人のためとか、あとに残っている人のためっていうのは本当に大事なことだから。個人でやれることからはじめてみてほしい。できるかな?

元記事には太字あり

できるかな?
ノッポさんに言われたことをでか美ちゃんはちゃんと考えている。良い。
そう思ったのです。

■今週のその他ニュースがあまりに多い件

■他山の石とすべきニュースだったので別扱い

■詳細判明したらまた書きます

「カメラに“缶を置く男”の姿 西新井駅で爆発…アジア系の40代男性を確保」って見出しで報道したメディアもありまして、すわテロか、だから外国人は! ってゼノフォビアを見越さなければ報道なんて名乗ったらダメ。

法務大臣閣議後記者会見(5.12)

【記者】 昨日、野党の共産党の仁比議員が法務委員会で質問した関係でお聞きします。昨日、議員のほうが「年に何人送還忌避者が増えているのか。また、何人任意で帰国を逆にしているのか。また、何人送還できたのか。送還忌避者の中に難民認定された人が何人いたのか。」という、非常に重要な今回の3回目の難民申請を認めないという法律を作る上で重要な事実について、(出入国在留管理庁)西山次長に問いただしておりますが、一切これ全て統計を取っていないという非常に問題のある発言が出てきました。毎年三千数百人が強制送還忌避罪の対象になるとか、四千数百人がなるとか、これまで法務省は何度も説明してきましたが、年に何人送還忌避者が増えているかという数値さえ出せない中で、今回の法案を作っていることは非常に問題だと思うんですが、この件について大臣の所感をお願いします。

【記者】 難民審査参与員のことについてお伺いします。柳瀬房子氏が2021年の参考人質疑で、対面で2,000件調査したと述べており、大臣もそのようにおっしゃったかと思います。ところが、その根拠となる記録は、入管は集計していないということなんですよね。ですから、大臣は過去のデータに当たって確認されたのかということと、あともう一点、実は柳瀬氏は、2019年10月21日の収容・送還に関する専門部会第1回会合の会議録で「1,000人の口頭意見陳述、3,000人近くの書面審査を行った。」と。つまり、2,000件の対面審査というのと、この1,000件の対面審査ですよね。発言に柳瀬氏はぶれがあるんですよ。これ、大臣は御確認しましたか。

肝心の大臣の回答を紹介する気になれないのは、ぐちゃぐちゃ言ってるけど要するにお茶を濁そうとしてると分かるから。
言っとくけどこちとら第103代法相から閣議後記者会見ずっと愛読してるんです。でも、そうでなくとも、たとえば同じ難民審査参与員について答えている4月25日の回答と対比すれば、発言者のノリが違うことは一目瞭然なんでね。記録に残すこと、だいじ。

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