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【124】心の中の落とし穴 ー マインドフルネスでストレスの原因となる心のクセに気づく


ご訪問頂き誠にありがとうございます。

以下テキストでマインドフルネスを学習します。




こちらのワークブックはジョン・カバット・ジン博士の以下テキストのワークとしてまとめられており、実践をしながらマインドフルネスを学べる内容となっております。




本日は、マインドフルネスでストレスの原因となる「心のクセを見つける」というテーマです。




私たちは日々、数え切れないほど多くの恐れを感じたり、自分に自信が持てなかったり、仕事、人間関係、生活、健康など様々な不安を抱えていたりします。

残念ながらこれらをコントロールすることはできず、そこから背を向けても何の解決にもならないでしょう。

むしろ、避けることのできないストレスや心配事に対して向き合う必要があります。

そこでマインドフルネス瞑想が役に立ちます。ストレッサーをなくすことはできないまでも、その関わり方を変えることができるのです。




心の中の落とし穴



マインドフルネスがストレス対処に役に立つのは、ストレス反応に影響を与える「心の中の落とし穴」を認識できるようになるからです。

落とし穴とは心の癖のことで、ストレスや苦痛を悪化させるものです。

この落とし穴には落ちてみないとわからないこともありますが、マインドフルネスの練習を積めば、落とし穴に落ちてしまう前に踏みとどまれるようになります。

最終的には、落とし穴が近づいてきただけでも、それを見抜くことができるようになるでしょう。

では、この「心の癖」とは何かを見ていきます。




否定的な独り言



人が心のなかでつぶやく独り言は大抵の場合、自分に向けられています。何かの出来事に対して自動的に、そして否定的に解釈してしまう傾向があります。
「自分に対する最大の批判者は自分自身」なのです。

例えば、友人や知人に「あなたは馬鹿だ」「あなたは役立たずだ」「あなたのことが嫌いだ」と言われたとしたらどうでしょうか。

ショックや怒りと共に迷わず絶好するのではないでしょうか。普通は受け入れることはできません。

にもかかわらず、自分に対しては容易にそんなことをしてしまいます。

「私は馬鹿だ。役立たずだ。自分なんて嫌いだ」

ストレスや不安が広がっているマインドレスな状態では、さらにその状態が悪化していきます。
やがて、「自分は世界から孤立してしまっている」と思い込んで、自己批判が湧き上がってくることでしょう。

マインドフルネスでは、このような時にこの思考を事実ととらえず、あくまでも「心のなかのひとつの出来事である」としてとらえらます。すると、このような思考がやがて自然と消え去っていくと理解できるようになります。

マインドフルネスの練習により、「空をたなびく雲が流れていくように」思考を見ることができれば、思考に対する執着心が薄れていき、「心の中に湧き上がったものは消えていく」ということを理解できます。




あなたを追い詰める思考パターン




否定的な独り言で自分自身を否定すると、今度はその気分の悪い状態を維持させようとする思考パターンが働きます。
この思考パターンもまた無意識に起こる場合があるため、予めよく理解しておく必要があります。

この思考パターンにはどのようなものがあるかを下記に見ていきます。

■ 破局的思考パターン


 困難な状況におかれた時に自動的に最悪の結果をイメージする思考パターンです。
 例えばこのような思考です。

 「お金が足りない。どうせ給料も上がらないし、自分の人生はもう絶望的だ」

 「あの人に嫌われた。きっと金輪際自分とは話したくないだろう。きっと他の人にもそう言いふらしているに違いない」

 「病気になってつらい。どんどん悪くなるばかりで治る兆しがない。どうせこれを治せる医者なんていないんだ」


最初に認識した状況がさらに「自分自身で」大きくしていることがわかるでしょう。

■ 否定的なことへの過大評価と、肯定的なことに対する過小評価


 否定的なことに対しては、必要以上に大きく感じてしまうにもかかわらず、肯定的なことに対して必要以上に謙遜したり、厳しく評価してしまう思考パターンです。例えば以下のような思考です。

 「仕事がうまくこなせるようになりました。しかし、今でもミスを犯してしまいます」

 「今日は本当に良い一日でした。しかし、こんな良い日はそうそうないな」

 「今は健康です。しかし、歳を取ったらどうなるかわからないので不安です」

 現在の肯定的な状況を、否定的な思考がありもしないことで打ち消してしまっていることがわかると思います。

 一方で、否定的なこととなるとこうなります。

 「今日も仕事でミスしてしまった。そして、また怒られるんだろうな」

 「今日は本当に最悪だった。そして、明日もどうせ良いことなんてないんだろうな」

 「今日も本当に具合悪い。そして、これかもしばらく具合悪いんだろうな」


 そこで、この「しかし」と「そして」を完全に入れ替えてしまいます!

 「今は健康です。そして、これからもずっと元気に過ごしていけるだろう」

 「今日は本当に最悪だった。しかし、明日はきっと良いことがあるだろう」

  このように肯定的なものは更に肯定され、否定的なものは肯定的に置き換えられます。


■ エスパー読心術


 根拠もないのに、勝手に人の行動の背後にある動機について、あれこれと勝手に想像する思考パターンです。

 「あの人の私に態度が冷たい気がする。きっと私のことを嫌っているに違いない」

 ここでもやはり否定的な方向へと働いています。このような解釈をおすると不安や抑うつ状態に陥ります。


■ 完璧主義


 間違ったことは許されないと常に身構える必要があるため、ストレスが高まります。


■ 「べき」思考


 「~するべき」「~するべきではない」という思考パターンです。
 これは自分自身はもちろん、他人に対して向けられます。
 自分自身がそのルールを破れば罪悪感となり、他人が破ればストレスや怒りとなります。


■ 非難


 自分の苦しみの原因を他人のせいにする、または、逆に他人の問題を自分の責任だと思い込む思考パターンです。
 人を非難することは、自分の問題を自分以外のところに求めるため他人軸となります。

 一般的に自分の力で他人や環境を変えることはできません。私たちが変えることができるのは自分自身だけです。



これらの思考パターンに気づかず、そのまま放っておけば、ストレスや不安が増大して精神状態に深刻な影響が出ます。
マインドフルネスにより、自分を批判せず、これらの思考パターンに気づいて受け入れます。
すると、それらの思考から一歩下がることができ、心に支配されず、心と上手に関われるようになります。

否定的な解釈



同じ事象でも解釈の仕方によって、ストレスを感じるレベルが大きく変わります。
しかし、時にその解釈は否定的なものになります。

例えば、以下のようなものです。

「付き合っている人からメールの返信がこない」場合
A. 愛が冷めてしまったのかもしれない
B. 単に忙しいだけ

「スピード違反で切符切られた」
A. あんなところで見ていたなんて、警察の嫌がらせだ!
B. そんなにスピードが出ていたのか。危なかったな。今度から気をつけよう

「税金で手取りの金額が減っている」
A.搾取されている!
B.  このお金で道路が作られたり、必要な公共サービスが受けられるな


この時、Aのように否定的な解釈をする場合、その反応はあまりに早く自動的に起きるため、自分で気づかない場合が多いのです。
最悪だと思っていたことが実は、後から見れば、却って良かったということもあります。
否定的な解釈が浮かんだ場合は、マインドフルネスにより、一旦立ち止まり、他の良い解釈はないかと自分に尋ねてみましょう。



無意識では否定的な解釈や思考が瞬時に浮かんでしまいがちですが、マインドフルネスによって一旦受け入れて一歩下がると、いずれの思考パターンでも、別の解釈の仕方ができることがわかると思います。

現象に対して瞬時に反応するのではなく、一呼吸置いて自分を冷静に観察することでストレスを溜め込まないようにできるということですね。


ここまで読んで頂き誠にありがとうございました。

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向日葵畑の向こう側


「創作大賞2023」ファンタジー小説部門応募作品です。全編約50000字程度の短編小説となっております。





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