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随筆・日記
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2024年6月の記事一覧

【朔 #131】上りきると、広い湖の真ん中に立っていて

【朔 #131】上りきると、広い湖の真ん中に立っていて

 今朝の夢。
 喫茶店で創作者の懇親会のような集まりに参加した。喫茶店は、ビルの中にありながら一階と二階とがある洒落た雰囲気で、私達はその二階を貸し切った。いかにも、といった人達が珈琲や紅茶を啜るなか、一人異様な女性を見かける。化粧の薄さが妙に相貌に幼さをあたえていて、黒を基調にした、パンクと言うのだろうか、とにかくあまりこういう集まりに居なさそうな格好をした同い年くらいの女性が退屈そうにしている

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【朔 #130】Dacryopinax spathularia

【朔 #130】Dacryopinax spathularia

 「もう、
  死にます」
 なんちゅうところに生えとんねんと思ひつつ筒井筒つつつと指を這はせたベンチにツノマタタケ(Dacryopinax spathularia)は哄笑してゐた曰く「ここにたましひの硝子質が濡れぬれぬるぬべしだとかつべしだとか鶴瓶師とかの一呼吸」とどこにも天使なんてゐないししかるのちとをくの窓から雨音の兆し殺したりない鱓の歯が今朝の一面に躍り出た。
 すんません。
 すんません

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【朔 #129】那珂太郎から聞いた話を日記に書き留めた

【朔 #129】那珂太郎から聞いた話を日記に書き留めた

 「梅雨らしいような、
       けれど曇天の日のほうが
    多いらしいわよ」
 「そうね。
          中国語で『今日』は?」
 「今天」
 「晴天」
 夜々、ビカビカと街灯が光る露台で二匹の目高が語る。彼女達の睡眠を見倣いたい。豚が青野に立っていることと無関係ではない寂しさが、遠く、梅雨の街に卒業証書を掲げる恋人を置き去りにするのだろうか。
 それとも、
 Noctiluca

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【朔 #128】詩の敵であることも忘れてはならない

【朔 #128】詩の敵であることも忘れてはならない

 小笠原鳥類『吉岡実を読め!』(ライトバース出版)を読み!終わる。
 結論から言えば、私は吉岡実と和解できた。

 私としたことが、なぜか吉岡実に詩の流れを求めていたらしい。吉増剛造の「アア コレワ/なんという、薄紅色の掌にころがる水滴/珈琲皿に映ル乳房ヨ!/転落デキナイヨー!/剣の上をツツッと走ったが、消えないぞ世界!」(吉増剛造『黄金詩篇』(思潮社)より「朝狂って」最終連)を許容するくせに。こ

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【朔 #127】Σ、鯨の尾

【朔 #127】Σ、鯨の尾

 Σ、鯨の尾。
 既に報告した通り、小笠原鳥類・責任編集『Σ 詩ぐ魔 特別号』に帛門臣昂「生成譚」を寄稿いたしました。公開当日まで他の参加者が誰か知らず、蓋を開けてみれば旬なメンバー、作品。何より、小笠原鳥類さんが水木しげるについて書いているのが嬉しい。自作がなんだか、場違いな気がしている。あんまり実験的でもないし。旬じゃないし(鰹の旬はまだ続いてますか?)。鳥類さんの後記、若手からすればタメにな

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【朔 #126】小笠原鳥類・責任編集『Σ 詩ぐ魔 特別号』に帛門臣昂「生成譚」を寄稿

【朔 #126】小笠原鳥類・責任編集『Σ 詩ぐ魔 特別号』に帛門臣昂「生成譚」を寄稿

 夢の中で、懐かしい(旧かしい、と書きたいけれどあまりに無理があるか)人々との群像劇を繰り広げたあと、目高水槽の世話をして、いつのまにか金魚水槽もあって、金魚水槽の汚れは酷く掃除の必要を認めた私がよそ見した瞬間に、目高水槽には土がぎっしり詰められていて蘆が窮屈に生えていた。
 夢判断? 「外光性の不足!」と。
 本日、公開された小笠原鳥類・責任編集『Σ 詩ぐ魔 特別号』に帛門臣昂「生成譚」を寄稿。

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【朔 #125】グアムのプールで溺れかけた話をした

【朔 #125】グアムのプールで溺れかけた話をした

 蚯蚓が滲出する溝を浚い、
 い、筒井筒、謂、五つ葉、三つ葉、
 鈴のような羊歯植物も濾過サイクル、くるくる、うるうる、薇じゃないんだから、
 泳ぎが上手くなりたい、
 と目高に相談されて、
 私はグアムのプールで溺れかけた話をした、
 その頃、近所の小学校ではプールの授業中、三匹の蛇が交んでいてバスケットボール大になり、誰もがそれを見つめていた、
 いかに、
 遅れるか、
 茗荷の畑、紫蘇の畑、

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【朔 #124】誤った建国節!

【朔 #124】誤った建国節!

 ビスマス。
 七月の課題図書。水原秋櫻子、赤尾兜子、野村喜和夫。
 スペイン風の模様はスペインの模様ではないことが多いが、その仮面は確かにスペイン風の模様を施してあり、荒れている硝子の表面だ。梅雨の眼圧。黒服に取り囲まれて、病褥の三島由紀夫が幻視される。誤った建国節!
 生体反応──。
 健やかに狼の眼の渇くまで、
 息切れ、
 車を降りなさい!
 早く降りなさい!
 タンッ!
 二人とも、
 

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【朔 #123】藻藻藻藻藻藻藻藻

【朔 #123】藻藻藻藻藻藻藻藻

 その実、青鷺かどうかわからない。
 とにかく私は鷹である。
 ぷるぷるの腹を見せて虎は眠る。その思惟の千年。
 左耳の異音から隆々と岩が育つ。
 その耳。
 容易く捥げるね?
 桃桃藻藻藻藻藻藻藻藻腿藻藻藻藻藻藻藻元藻藻素藻桃元股揉も揉も。
 やはり、吉岡実の初期詩集がしっくりこない。半魚人なのかもしれない。霧を生み出す装置でジャック・ザ・リッパーを蘇生する。組成。
 狂いそうな夜、狂いそうな朝

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【朔 #122】観音が吊り下がる???

【朔 #122】観音が吊り下がる???

 晩夏が、
 近づいている。
 きみどり色の恋のことは時々蓬を紛れ込ませ、藻が繁茂する虎の尾を顕現させる。または、
 ゆくりなく、
    観音が吊り下がる???
 のんのんと馬が陰茎を振りつつ、
 汗の泡を撒き散らし、
 書き散らした詩篇は早くも古びている。
 星が来る前に、
 廃せよ、
 海峡の王位。
 さて、
        ここから、
    転調。
 とまあ、色々と怠くて全てを終わらせた

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【朔 #121】青鷺が歯を剥いて

【朔 #121】青鷺が歯を剥いて

 捩花のねぢれはじめて、
 産むまで、膿むまで?
 喧々、
 夏至を前に、
 ラーン、ラーン、ララランラーン、
 火事場の……(サリー)、
 木賊が燃えている、
 ダリやターナーの幻に悪寒が走るほど興奮して、
 欲情して、
 嵐の真ん中でドアが閉まりまーす、
 ご注意しても一緒です、
 呂律の回らない、
 前歯の悪化!
 油を捨てて唐揚げ粉で鶏肉を揚げなさい、
 集中する闘技場、
 吉岡実の気配に

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【朔 #120】髙柳克弘が立っていて、生徒と挨拶を交わしている

【朔 #120】髙柳克弘が立っていて、生徒と挨拶を交わしている

 もはや、最近の夢のスタンダードになってきている設定。場所は母校の小学校、教師と同級生が高校生時代の連中、奇怪な設備。昨日(二〇二四年六月十八日)の朝の夢はこれに中学生時代の教師も混じっていた。この異物こそが、今回のキーとなる。
 私は体育が嫌いだった。中学生の時は特に。内容もそうだが、担当の教師達が嫌いなのである。根本的に反りが合わない。しかし、生徒の殆どが彼らを嫌っていたから私個人との相性では

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【朔 #119】不信と過信の逢着

【朔 #119】不信と過信の逢着

 檻に入る。
 私に熊の肝があり、
 どこまでも血、血、血!
 朗読不可能な結晶体。
 不信と過信の逢着。
 乱!

【朔 #118】面妖な梟

【朔 #118】面妖な梟

 王子動物園。何年振りだったか。須磨海浜水族園が閉園して、動物と親しめる施設はここぐらいになってしまった。
 入口すぐのフラミンゴ。これが王子動物園の醍醐味。「オウジに来たな!」という感じがする。記憶にあるもの、ないものを見て回る。
 印象的だったのはジャイアントパンダの飼育舎。先般亡くなったタンタンの為に捧げられた花で溢れていた。動物は何も居ない飼育舎に蘭や向日葵などが並べられているのは巨大な喪

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