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#エッセイ
【朔 #49】霞として身にまとわりつくだけで凝固しないのだけれど
水母こそ飼えないが、こういう詩岸の端緒を眺めているうちに心は松帆の浦の寒々しい岩に座っている。
時々、港を抱いて寝るから港が恋しくなるのか。常に抱くか、もう、手放すか。
最近、夢によく出てくるのは淡路島。しかし、実在のそれとはかけ離れている。海峡を繋ぐロープウェイがあったり、大きな豆腐屋の廃墟があったり、幹線道路沿いの山肌が絵島の肌に似ていたり。それだけ、淡路島が夢幻の土地になってしまったの
【随筆】真に未経験とは何か
夢の中では未経験の現象に遭遇することはないとされている。特によく言われるのは死だ。我々は死んだことがないので、夢の中では死なず、死にかけると絶命の寸前で目を覚ます。
夢と無意識には密接な関係があるとされる。無意識とは即ち、常に感覚、記憶を溜め込む領域なので、夢は記憶の再現・再構築であり、記憶にないことが再現されようもないので、夢には未経験の現象が起こらないというわけだ。但し、「常に」感覚、記憶