キノコ

文学フリマの同人小説の読書感想文。読んで、感じて、想ったこと、心の揺れをエッセイ形式で書きのこす。コーヒーのアロマすき

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最近の記事

文学フリマ東京38読書感想-後記

 作品総数にすると74作品。意外と多かったです。一作40000字前後の短編から300字以内のマイクロノベルまで様々。感想記事更新の際、X(Twitter)でいいねやリポストをしてくださった皆様、作家の皆様ありがとうございました。光栄にもXでリプライをくださった作家の皆様にも、重ねてお礼申し上げます。私の読んだ文学フリマ東京38での作品はすべてホンモノ作家による素晴らしいものだった。何一つ欠点のある作品はなかった。日本語はやはり美しいと感じさせてくれました。 どうも今晩は。の

    • 『SFG 2023 vol.06』 の紹介に感想をまぜてみた。

      文学フリマ東京38同人小説感想5作目になるのがSF文学振興会のみなさんによるSF情報ガイドです。同人誌の形態をとる内容の濃いSF情報誌でした。これから「SFをはじめる」かたのための情報が豊富に収められています。「SFをはじめる」とは。そもそもSFとは。どんな作家がいて、どんなSF作品が創られてきたか。SFの今、最前線を教えてくれる親切な一冊となっています。ぱっと見で一般商業雑誌となんら変わらず書店に並んでいるかと思いました。さらに本誌には、嬉しいことに文学フリマエージェントの

      • 夏のお囃子、パナマ・ゲイシャコーヒー

        一行梗概:常連客の男女をパナマ青年にすっ飛ばされた喫茶店のマスターはコーヒーの湯気をのぞく。 三行梗概:常連客の男女をパナマ青年にすっ飛ばされた喫茶店のマスター。コーヒーの湯気をのぞいてマスターは男女をみまもる。もどってきた男女の変化はいかに……。 ■作品本文  コンコンチキチン コン チキチン  コンコンチキチン コン チキチン  お囃子の音が町に響きわたります。三条大橋の蒸す川風。どうしようもなく毛穴からにじみ出る汗。肌にまとわりつく重たい熱気と息苦しさ。  高

        • さなコン2024作品応募の執筆備忘録(創作を学ぶには……)

           二次審査結果公開となったのと、九頭見 灯火さんのさなコン作品ラジオレビューなどからの反省点をふまえて書き残しておこう。(本記事文面はカジュアルでいく。)拙作の応募版と改稿版は後の作品名リンクよりたどってほしい。SFに強い方から審査前提の作品へレビューを聞けるのは私にとって初の機会なので貴重でとてもありがたいものだった。なまじ過去にふわっと数作書いていた程度の身なので学びあるレビューは嬉しいもの。これが応募の醍醐味かと心揺れた。次はもっと良いものを書こうという気になるのでヘタ

          『 SCI-FIRE2023 野生のSF 特集・テーマ/人間以外』の感想

           文学フリマ東京38同人小説感想4作目になるのがゲンロン大森望SF創作講座修了生の方々による作品。毎年発行され今作は第7号。創作テーマは「人間以外」。集録作品の多さに驚きます。しかし意外とページ数は多くありません。多彩な作品がぎっしり収まっていました。私の目に狂いはなかった。本書にしたってこの感想ごときで作品の良さが減ることは断じてないと言い切れます。ゲンロン大森望SF創作講座といえばこの同人小説感想に作品を推薦してくれている文学フリマエージェント架旗透氏は本講座の2期修了生

          『 SCI-FIRE2023 野生のSF 特集・テーマ/人間以外』の感想

          文学フリマエージェントとは……

           本記事は新たなエージェントを求める(同志来たれ!)勧誘の記事となります。架旗透氏とわたくしキノコとともに文学フリーマーケットを骨の髄まで味わいつくし小説人生を謳歌したいあなたを待っています。小説は執筆だけでは終わらない。読むだけでは終わらない。売るだけでは、買うだけでは終わらない。さあ、もっとさらにその先の、むこうがわへ、たくさんの同人小説の可能性を広げましょう! 『文学フリマエージェント』とは  私、キノコが海外から文学フリーマーケットを最大限楽しむために口約発足した

          文学フリマエージェントとは……

          『テーマアンソロジーSTATEMENT FOR GAZA』の感想

           文学フリマ38の同人小説感想3作目になるのがグローバルエリートさんの作品。エージェント架旗透氏に購入依頼しました。本サークルは架旗氏所属サークルでもあり、2年ぶりの新刊になります。収益は全額UNRWAへ寄付されています。本作が発表される前より彼らの活動へ疑問の混ざった関心を寄せていました。彼らは今「どこ」にいるのかと。「どこ」、その意味は深い。時代を、世界を見据える彼らSF小説作家として、次の新刊で何をしてくれるのか。新刊を出さなかった、或いは出せなかった2年。見てきた、感

          『テーマアンソロジーSTATEMENT FOR GAZA』の感想

          『野球SF傑作選 ベストナイン2024 齋藤隼飛編』の感想

          文学フリマ東京38の同人小説の感想2作目になるのが齋藤隼飛さん編による本作。なんですが、同人誌の感想と銘打っておきながらいきなり書店販売も既にされている商業書籍ですね、はい。文学フリマでは刊行まえの先行販売だったようです。しかしながら逆説的に考えて書店で同人誌も買える時代でもあるのと、エージェント架旗氏の推薦です。なにか意図があるのでしょう。実際あったようですし……。私のほうは個人的に商業書籍の解剖と、野球とSFが絡むという想像を超える不思議を感じたのもあるので紹介させてもら

          『野球SF傑作選 ベストナイン2024 齋藤隼飛編』の感想

          『留年百合小説アンソロジー ダブリナーズ』の感想

           文学フリマ東京38の同人小説の感想1作目はストレンジ・フィクションズさんの作品。文学フリマエージェント架旗透氏の推薦本。本作を選んでくれて感謝! なぜなら百合書籍で8作家も揃う作品は未経験。深い好奇心を覚えました。現代社会の「性」における関係性や捉え方には益々配慮や共存が掲げられ「マイノリティ」へも幾分寛容になっている気がします。「百合」という確立されたジャンルにも抵抗なく誰もが浸れるようになったのでは。完成度高く濃い本作、心揺れ、気持ち良い体験でした。創作作品として申し分

          『留年百合小説アンソロジー ダブリナーズ』の感想

          文学フリマーケット東京38の感想執筆対象作品紹介

           文学フリマエージェントの架旗透氏より現地から画像が届いてました。いつになく大盛況であったと見聞き及んでます。簡単にですが現時点(5月23日)で把握できる情報を含めて感想対象作品を紹介します。感想更新までは<エージェント本職消化日数+海外発送期間+読書日数+感想執筆日数>でそこそこ日を要しますがご理解いただけると助かります。なお今回現地にて初エージェントとして尽力してくれた架旗氏推薦本から順次読んでいく次第です。  基本的に私が書く読書感想は作家/作品に対する全リスペクトです

          文学フリマーケット東京38の感想執筆対象作品紹介

          SFアンソロジーWORK『フォーワン FO(U)R ONE』の感想

          同人SF小説サークル  グローバルエリート(敬称略)のアンソロジーWORK6作目の感想。こちらも書籍がないのでKindleでの購入。賛否あるけど個人的に電子書籍はKindleが好き。本書は2021年の文学フリマ東京にて頒布された作品。このサークルの書籍は毎回初版が頒布当日文学フリマにて完売してるので、後のイベントでの入手はほぼ不可能。再版の見通しについては、文学フリマのサークルブースで確認、あるいは再版を強く訴えても……多分無理。電子でなく紙の本を望む顧客もおられることだろう

          SFアンソロジーWORK『フォーワン FO(U)R ONE』の感想

          文学フリマ東京38の同人小説作品へ感想を(作品募集)

          感じて想った散文を文学フリマ38の作品へ書きます。日本の社会を、今を、業界を、そして第一線を知らない僭越な身でありながら……。5月19日当日頒布されるグローバルエリート最新作、およびその他いくつかの入手作品へも感想を綴ってnoteで更新する次第です。(グローバルエリート作品感想については念のためサークルCEO髙座氏に確認済み。) 海外発送料金で泡吹くので多くはないですが、参加サークル及び作家陣の方々の作品も当日入手します。(同人誌欲しいとき海外ってめんどう。特に田舎はな…)

          文学フリマ東京38の同人小説作品へ感想を(作品募集)

          SFアンソロジー WORK『鯨の仔』

          前回(小説サークル・グローバルエリート)の続き。 興味を持たれたなら、記事をさかのぼってもらえると助かる。noteは初心者なので記事は少ない。 人生初、海外からの同人誌購入。電子書籍としてKindleで同人小説を読むことになった。デバイスを何にするか悩んだけど、読みごとは腰を据えなきゃできない性質なのでPCに。スマホは小さすぎた。 企画テーマには文学フリマとあるが、私は開催日当日足を運べないのが常なので、Kindleでの同人誌購入となっている。しかしながら、本作は紛れもなく

          SFアンソロジー WORK『鯨の仔』

          小説サークル・グローバルエリート

           彼らの小説感想を書くまえに…    私がグローバルエリート(通称グロエリ)というSF小説サークルと出会って何年くらいか。 2024年3月時点で7~8年。そこそこ長いな。サークル結成以前から面識のある作家もいたりして……。  何を隠そうグロエリメンバーたち、とにかく「圧」のクソ強メンズが揃いもそろって大概にしろと言いたくなる良作品を毎回排出してくれている。良作というのはどういうSF作品か。それは、社会を、技術を、トレンドを、衆生を、文化を、世相を、新鮮さを、時を、などを見据

          小説サークル・グローバルエリート

          これからはじめる同人小説の感想

          はじめましての方もお久しぶりの方も、こんにちはキノコです。 何様ではございません。私は只の嗜好の消費者、読者で感想屋でございます。 日ごろコーヒー沼に最低一日1~2杯浸り香るアロマより生きる糧を得るインターネット界隈の放蕩者にございます。どうぞよろしくお願いします。 noteでは同人小説を読んで感じて想ったことを、つらつら綴っていこうかと。心が揺れるさまを書きのこせれば……。 はたしてそれは前頭葉萎縮への抗いになるのか。 故郷の島国より遠く離れた大陸で感性のエッセンスを

          これからはじめる同人小説の感想