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#139文科省データから読み解く:通級指導の実態と日本の教育課題

中教審答申「令和の日本型学校教育」実現への課題

令和の日本型学校教育は、2020年代を通じて目指すべき学校教育の姿として、中央教育審議会において答申されたものです。
この答申では、全ての子供たちの可能性を引き出すために、個別最適な学びと協働的な学びの実現を重視しています。

個別最適な学びとは、一人ひとりの子供の興味・関心や学習状況に応じて、最適な学びを提供することです。
そのためには、子供の理解度や習熟度を把握し、その結果に応じて指導内容や方法を調整することが重要です。
また、子供自身が自分の学びを主体的に考え、計画・実行・評価できるような環境を整えることも大切です。

協働的な学びとは、子供同士が協力しながら学び合うものです。
そのためには、子供同士が協力し合うためのルールやマナーを身に付け、お互いに尊重し合いながら学び合えるような環境を整えることが重要です。
また、子供たちが主体的に学び合うことができるような課題や活動を設定することも大切です。

令和の日本型学校教育が目指す個別最適な学びと協働的な学びは、いずれも子供たちの主体性を育むことにつながります。
子供たちが自分の興味・関心や学習状況に応じて学び、お互いに協力し合いながら学び合うことで、自ら考え、行動できる力を身に付けることができるのです。

個別最適な学びは、「個に応じた指導」の理念を具体化するものとして位置づけられています。
支援を必要とする少数派の子どもたちは、診断の有無にかかわらず、さまざまな特性や課題を有しています。
そのため、一人ひとりの特性や課題に応じて、学習内容や方法を調整することが重要です。

協働的な学びは、「共生社会」の実現に向けた重要な取り組みとして位置づけられています。
支援を必要とする少数派の子どもたちは、多数派の子どもたちと共に学校生活を送ることになります。
したがって、多数派と少数派が互いに寄り添い合いながら学び合っていかない限り、共生社会の理解や共感力を育むことはできません。

この個別最適な学び・協働的な学びの実現の障壁となる課題が2つあります。
①特別支援教育のスキルアップ。
②多数派と少数派が互いに寄り添いあい、共感しながら学び合うことのできる学級づくり。

この2つを解消しない限り、令和の日本型学校教育は実現は絶対にできないと確信しています。

この2点を解消する学級経営手法が、リエゾン学級経営です。
これからの学校教育では、特別支援教育の理解を前提に、誰にとっても居心地よく、成長のできる学級経営が求められる時代に突入します。

それがリエゾン学級経営です。

リエゾン学級経営とは、

「少数派と多数派が互いに寄り添い、共に学び成長するための経営手法であり、これまでにない新しい教育的なアプローチです。」

このコンセプトは、特別支援教育の視点を取り入れ、多様性を尊重し、誰にとっても居心地のよい空間、楽しく学びながら互いを認め合う学習環境を築くことです。そしてその結果として、全員が成長できることを目指します。

詳しくはこちらをご覧ください↓↓↓

そのためには、特別支援教育の現状や実態を知らないと始まりません。

まずはこちらをご覧ください↓

通級指導を受けている児童数の変化

通級とは、
通常学級に在籍しながら、週に1~8時間(実際はほとんど週1~2時間程度)、それぞれの特性に合わせて個別支援を受けることのできる場のことです。
通級教室が、在籍する学校にある場合は、自分の教室から教室移動すれば指導を受けられます。
在籍する学校にない場合には、その教室がある学校まで通わなくてはなりません。
その際、保護者の送迎が必要になります。
共働きの家庭だと、結構大変です。
都市部では、この送迎の弊害をなくすため、子どもが通うのではなく、担当する教員が巡回する方式(巡回指導)をとっています。
そのおかげで保護者の送迎の負担がなくなりました。

通級といったら、この巡回指導も含まれています。

文科省によると20年度の通級指導の割合は、自校方式64%、他校通級28%、巡回指導8%。他校通級は、保護者が子どもを拠点校まで送迎しなければならず、負担が重く通級を断念するケースもある。

時事ドットコム

ただ、この巡回指導方式の割合は低く、まだ保護者の負担は大きいと言えます。
早く全国すべての自治体が巡回指導方式になってほしいと願っています。
巡回指導方式を採用したら、さらに加速的に通級希望者も増えると思います。

さて、グラフに戻ります。
通級教室を利用する子どもの数の推移です。
棒グラフになっているので、右肩上がりに急速に増えているのがわかります。

それに加えてこちらをご覧ください↓

通常学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があることが、文部科学省の調査結果から分かりました。
これはあくまでも、学級担任が回答しているので、数値としての信憑性はいまいちではありますが、担任の困り感も増大していることがわかります。

しかし、

本当に困っているのは、担任ではなく、子どもです。


この事実を見落としてはいけません。

さらに、こちらをご覧ください↓

この上の表の数値は何を意味しているかというと、
学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性のある8.8%のうち、通級指導受けている子の割合です。
それが約10%なのです。

残りの9割の子たちは通級での指導は受けていない

ことになります。

具体的には、この9割の子たちは、

担任がクラスで支援をしていく

わけです。
このような実態を踏まえ、学級担任は全員、特別支援教育の理解がなくてはならないと言えるのです。

しかし、特別支援教育の理解があるからといって、学級経営がうまくいくわけではありません。
少数派の気持ちに寄り添うことですべていくと思ったら大間違いです。

そこが学級経営の難しさであると言えます。

これからは、多数派の子たちに、少数派の子の言動を理解させつつも、少数派の子にもソフトスキル

ソフトスキルとは、仕事や日常生活を円滑に進めるために必要な、コミュニケーション能力やリーダーシップ、問題解決能力などの能力のことです。

ソフトスキルは、数値やデータなどで評価するのが難しいため、ハードスキルに比べて目に見えにくいという特徴があります。しかし、ソフトスキルは、仕事のパフォーマンスや人間関係を左右する重要な能力であり、近年ますます重要視されています。
ソフトスキルの具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
・コミュニケーション能力
・リーダーシップ
・問題解決能力
・交渉能力
・傾聴力
・協調性
・ストレス耐性
・柔軟性
・創造性

を身に付けさせ、互いに成長できるリエゾン学級経営が必要となります。
このソフトスキルはいつか社会人となって仕事をする際大切なもので、支援が必要な子は小学校のうちから段階的に身に付けていく必要があります。
何も支援がないまま大人になり、就職してはじめて挫折を経験し、ドロップアウトしてしまうことにもなりかねません。あるいは、結婚して配偶者の気持ちが読み取れなかったり、協調性に欠ける言動を繰り返したりして離婚するなんてことにもなるかもしれません。
SNSでにぎわっている「モラハラ夫」なる人は、おそらく子どもの頃支援が必要な子だったのではないかと思っています。

将来の人生設計というスパンで考えると、小学校段階での特別支援教育は重要と言えます。
そう考えると、学校の先生だけでなく、親も特別支援教育の理解がないといけません。

先生はもちろんのことですが、親はそれ以上に、子供を一人前の大人にする責任があります。
残念ながら、特別支援というと、色眼鏡で見てくる人が多いです。
グレーゾーンとよばれている人たちは、何も支援が施されないまま成長し、大人になってから苦しむ人も多いです。

だから、そのような心の偏見がなくなる社会になってほしいという願いもこめて、記事を書いています。

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一緒に教育をイノベートしていきましょう。!!

一人でも多くの方がこのリエゾン学級経営に賛同し、実践していただけることを願います。

すべての子どもの幸せを祈って!

#ウェルビーイングのために
#多様性を考える

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