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JW671 謀反の顛末

【景行征西編】エピソード42 謀反の顛末


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦84年、皇紀こうき744年(景行天皇14)。

ここは、筑紫ちくし(今の九州)。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊おおたらしひこおしろわけ・のみこと(以下、シロ)の一行は、高屋宮たかや・のみやに滞在していた。

二千年後の宮崎県宮崎市みやざきし西都市さいとしあたりである。

地図(高屋宮)
筑紫行幸参加者名簿

そこに、ある人物がやって来た。

三輪みわきみ大友主おおともぬし(以下、オート)である。 

系図(三輪氏:オート)

オート「五十瓊敷入彦いにしきいりひここと『ニッシー』様、御謀反ごむほんについて、ことの顛末てんまつ奏上そうじょうもうげまする。」 

シロ「う・・・うむ。」 

系図(ニッシー)

オート「副将ふくしょうであった、陸奥守むつのかみ豊益とよますこと『トヨマ』殿どのが、見事みごと、おちなされました。」 

シロ「そ・・・そうか・・・。大儀たいぎであった。」 

オート「それと・・・。」 

いっくん「ほかに、なんか、あるんか?」 

オート「じつは『ニッシー』様の御妃おきさきにして、大王おおきみ皇女ひめみこである、淳熨斗皇女ぬのし・のひめみここと『ヌーノ』様が、かたれずとなっておりまして・・・。」 

系図(ヌーノ)

シロ「なんじゃと!?」 

やぁちゃん「そ・・・それは、まことですか?」 

オート「『ニッシー』様が討たれたことを聞いた、皇女ひめみこは、お・・・大王おおきみに対し・・・。」 

シロ「気にせずとも良い。もうせ。」 

オート「うらごとを残され、出奔しゅっぽんされたよし。」 

シロ「なっ!?」 

やぁちゃん「嗚呼ああ・・・ヌーノ・・・(´;ω;`)ウッ…」 

タケ「そのようなこと、伝承には書かれておらぬぞ。」 

たっちゃん「作者の妄想もうそうではないか?」 

オート「はい。妄想です。しかし、皇女ひめみこが、飛び出していったのは、伝承通りにございます。」 

シロ「いまだ、行方ゆくえは、わからぬのか?」 

オート「『ニッシー』様の御跡みあとったのやも・・・。」 

やぁちゃん「そ・・・そんな・・・(´;ω;`)ウゥゥ。」 

シロ「やぁちゃん! しっかり、せよ!」 

野見のみ「そのようなこと、くちにするものではありませぬぞ。」 

オート「おっしゃとおりです。しかし、いまだ、皇女ひめみこは見つからず・・・。」 

シロ「あいわかった。『オート』よ。遥々はるばるの使い、大儀たいぎであった。しばらく休んでいけ。」 

オート「は・・・。」 

シロ「みなしゅう・・・。しばし、一人にしてくれぬか。」 

「シロ」の願いを受け、皆が去っていく。

誰もいなくなったところで、「シロ」は、虚空こくうあおぎながらつぶやくのであった。 

シロ「兄上・・・お許しくだされ・・・(´;ω;`)ウッ…。父上・・・母上・・・。われは・・・われは・・・兄を・・・(´;ω;`)ウッ…。父上、母上・・・お許しくだされ・・・(´;ω;`)ウゥゥ。」 

それから、しばらくして、次は、葛城かずらきあたい宮戸彦みやとひこ(以下、みやさん)がやって来た。 

系図(葛城氏:みやさん)

みやさん「エピソード603以来の登場にござるよ。」 

シロ「使い、大儀たいぎである。して、何事なにごとじゃ?」 

みやさん「皇女ひめみこが見つかったのでござるよ。」 

やぁちゃん「見つかったのですか!?」 

みやさん「『ニッシー』様が討たれた、三野みので、御魂みたまやすんじめるべく、いのりをささげておられたのでござるよ。」 

ワオン「三野みのとは、岐阜県南部のことですな?」 

みやさん「その通りにござるよ。」 

地図(三野国)

シロ「そうか・・・。そうであったか・・・。」 

やぁちゃん「ここ幾日いくにち・・・生きた心地ここちがしませんでしたが・・・そうですか・・・そうですか・・・『ヌーノ』が・・・(´;ω;`)ウゥゥ。」 

シロ「では、兄上がたれたに、やしろを建てようぞ。」 

もち「じゃが、じゃがそうだ、そうだそいがそれが良かっ。」 

シロ「さらには、兄上の墳墓ふんぼきずかねば・・・。」 

おやた「やしろ墳墓ふんぼきずくにあたり、まる者がようでは?」 

シロ「うむ。では、武内たけしうちこと『たけし』をにんじようぞ。」 

ヤヌシ「えっ! ちょっとってほしいなり!」 

シロ「如何いかがした?」 

ヤヌシ「うちの子は、今年、生まれたばかりの赤ん坊なり!」 

影媛かげひめ「そうです。赤ん坊に、そのようなこと・・・。」 

シロ「ゆるせ。伝承では、そうなっておるのじゃ。」 

するとそこに「たけし」がやって来た。 

たけし「父上、母上・・・。御安心ください。私は伝説上の人物ですので、赤ん坊でも、つとめをたせます。」 

ヤヌシ「信じられないなり!」 

影媛かげひめ「もう話せるのですか?」 

たけし「はい。伝説上の人物ですので・・・。」 

こうして「たけし」が、やしろ墳墓ふんぼ監督責任者かんとくせきにんしゃとなったのであった。

つづく

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