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JW712 ロマンの行宮

【景行征西編】エピソード83 ロマンの行宮


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦88年、皇紀こうき748年(景行天皇18)8月。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊おおたらしひこおしろわけ・のみこと(以下、シロ)の一行は、筑紫ちくし(今の九州)の巡幸じゅんこう(天皇が各地をめぐること)をえ、菟狭うさ(今の大分県宇佐うさ周辺)に入った。

筑紫行幸参加者名簿
地図(菟狭国)

しかし、伝承では、行宮かりみやについて、くわしいことが、なにも書かれていないのであった。 

たっちゃん「架空かくう行宮かりみやを、作者に建ててもらうか?」 

いっくん「前に登場した行宮かりみやを再利用するっていうのは、どうでしょ?」 

ワオン「前に登場した行宮かりみや? そのようなモノ、いつ登場したのか、おぼえておりませぬが・・・。」 

もち「じゃがそうだ此度こたび御幸みゆきで、菟狭うさったち、そんげなコツ、書かれちょらんじ!」 

百足ももたり「もしや『いっくん』様・・・。れられたとか?」 

いっくん「なにうてんねん。前に登場したうてもやな、わてらが生まれる前のことや。」 

リトル(7)「生まれる前?」 

いっくん「遠い昔のことやで。」 

シロ「遠い昔?」 

いっくん「エピソード5で登場した、足一騰宮あしひとつあがり・のみやに入ったことにしたら、ええんですよ。」 

シロ「それは、初代、神武じんむ天皇てんのう行宮かりみやではないか?」 

えっさん「そのような、昔の行宮かりみやが、残っていたとは思えませんが・・・。」 

いっくん「しゃぁないやろ仕方ないだろ行宮かりみやについて、なんも書かれてへんのや。せやけど、どこかに入らんと、話が進まんやろ?」 

シロ「では、そういうことにしようぞ。」 

リトル(7)「良いのか? 父上?」 

シロ「うむ。ロマンじゃ。」 

リトル(7)「出たっ。ロマン!」 

野見のみ「ちなみに、足一騰宮あしひとつあがり・のみやは、はしら一本いっぽんを階段のようにして使った建物とも、屋根を一本の柱で支えた建物ともいわれておりまする。」 

夏花なつはな「また、川か海の中に片側を入れ。もう一方をきしにかけてかまえられたみやではないかとの説もあるようですな?」 

いっくん「ようするに、ロマンやな。」 

リトル(7)「また、出たっ。ロマン!」 

とにもかくにも、しばらく、菟狭うさ行宮かりみや滞在たいざいすることになったのであるが・・・。 

シロ「おい! ワオン!」 

ワオン「はっ。何事なにごとにござりましょうや?」 

シロ「われは、多くの国をめぐり、すっかり服従ふくじゅうさせ、おさめるにいたった。まだ、われらししておらぬ者はあるか?」 

ワオン「なにゆえ、われに、そのようなこと、たずねられるのです?」 

シロ「そういう伝承だからじゃ。ともかく、答えよ。」 

ワオン「はっ。けむりっているむらが有りもうす。それらの邑は、いまだ、大王おおきみ統治とうちを受けておりませぬ。」 

シロ「では、したがわぬむらに向かうべし!」 

ワオン「かしこまりもうした。されど・・・。」 

シロ「されど?」 

ワオン「いのようでして・・・。」 

シロ「そうじゃのう。では『ナッカ』よ。なれが、いてまいれ。」 

ナッカ「えっ? おれっすか? いいんすか?」 

シロ「良いぞ。」 

ナッカ「うれしいっす!」 

こうして、ワオン(とナッカ)は、当該とうがいむらに向かった。 

ナッカ「それで? したがってないむらは、どうして、ヤマトにくみさないんすか?」 

ワオン「土蜘蛛つちぐもるゆえ・・・。」 

ナッカ「土蜘蛛つちぐも?」 

ワオン「まずは、浮穴沫媛うけなあわひめこと『ケナー』にござる。大王おおきみあらがい、無礼ぶれいいをしておりまする。」 

ナッカ「それじゃあ、退治たいじっすね?」 

ワオン「そうなりまするな。」 

そこに、紙面の都合で「ケナー」がやって来た。 

ケナー「うちは、大王おおきみにはしたがわぬ!」 

ナッカ「そんなこと言っても、ムダっすよ!」 

ワオン「そうじゃ! われらの正義せいぎつるぎ! 受けてみよ!」 

ケナー「いざいざ、勝負! 勝負!」 

戦いの結末は・・・。

次回につづく

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