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JW725 桃太郎、逝く
【景行経綸編】エピソード9 桃太郎、逝く
第十二代天皇、景行天皇の御世。
武内が東国視察の旅に出て、しばらくの時が流れた。
ここは、賀古郡城宮(兵庫県加古川市加古川町木村)。
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景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)は、大后の播磨稲日大郎姫(以下、ハリン)や皇子たちと共に、ある人物の最期を看取ろうとしていた。
その人物とは、若日子建吉備津日子(以下、タケ)である。
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タケ「伝承にも『記紀』にも、このような場面は無いが、私も、これにて最期のようじゃ。」
シロ「そのような・・・嘘と仰ってくださりませ。」
ハリン「そうです。父上。」
リトル(14)「先生! まだまだ教えて欲しいことが有るのだ!」
メジャー(14)「先生! おじいさま!」
タケ「す・・・すまぬな。」
そこに「タケ」のもう一人の娘、伊那毘若郎女(以下、イナビー)が、息子の彦人大兄王(以下、ひこにゃん)を連れてやって来た。
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イナビー「父上! 最期とは、真にござりますか!?」
ひこにゃん「先生!」
タケ「おお・・・『イナビー』・・・それに『ひこにゃん』も来てくれたか・・・。」
ひこにゃん「おじいさま・・・(´;ω;`)ウッ…。」
そこに「タケ」の息子、武彦(以下、たっちゃん)もやって来た。
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たっちゃん「父上・・・。吉備(今の岡山県と広島県東部)より参りましたぞ。」
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タケ「おお・・・『たっちゃん』・・・吉備のこと、針間(今の兵庫県南部)のこと、頼むぞ。」
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たっちゃん「はい・・・(´;ω;`)ウッ…。」
リトル(14)「もう、これで、先生とは会えなくなるのだな・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ハリン「(´;ω;`)ウゥゥ・・・リトル・・・。」
メジャー(14)「大王?! どうにかなりませぬのか?」
シロ「こればかりは・・・。」
タケ「私も、もう良い歳じゃ。それに、孫にも恵まれた。思い残すことはない。」
イナビー「父上・・・(´;ω;`)ウッ…。」
たっちゃん「では、孫つながりで、我の子も紹介致しまする。」
シロ「ん?」
たっちゃん「我の娘、吉備穴門武姫こと『アナ』にござる。」
アナ「おじいさま! 初登場で、お別れとは・・・(´;ω;`)ウッ…。」
タケ「『アナ』・・・幸せになれよ。」
たっちゃん「そして、三人の息子にござる。浦凝別こと『ラコリ』と、御友別こと『ともちん』、そして、鴨別こと『カモン』にござる。」
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ラコリ「おじいさま!」
ともちん「初登場で、このような・・・。」
カモン「悔しいです!」
タケ「『ラコリ』、『ともちん』、『カモン』・・・。父上を支えるのじゃぞ?」
ラコリ・ともちん・カモン「はい!」×3
リトル(14)「そうか・・・。『アナ』たちは、これが初登場か・・・(´;ω;`)ウゥゥ。」
アナ「はい・・・(´;ω;`)ウッ…。」
リトル(14)「おお! アナ!」
アナ「大和童男ぁ!」
メジャー(14)「ん? なにゆえ、二人して抱き合っておる?」
リトル(14)「夫婦が共に悲しんで抱き合うは、悪いことか!?」
メジャー(14)「え!?」
シロ「聞いておらぬぞ!?」
リトル(14)「今、申しましたぞ!」
タケ「大王に報せてなかったのか?」
たっちゃん「父上の御体が治ってからと・・・。」
タケ「そうか・・・。」
リトル(14)「先生! 俺たちの宴楽(披露宴のこと)まで、生きてもらわねば! それゆえ、死んではならぬっ。」
タケ「許せ・・・。ようやく、兄弟たちが揃うのじゃ。笑って、見送ってくれ・・・。」
シロ「先生・・・。」
タケ「父上・・・母上・・・今、参りまする・・・ガクッ。」
リトル(14)「先生ぇぇ!!」
こうして、最後の桃太郎が世を去ったのであった。
つづく