JW674 丹裳小野
【景行征西編】エピソード45 丹裳小野
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦87年、皇紀747年(景行天皇17)3月12日。
ここは、筑紫(今の九州)の高千穂国(今の宮崎県)。
景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、あるところに行幸していた。
シロ「して、何処に参っておるのじゃ?」
リトル(6)「父上? 何処に向かうかも知らず、御幸なさってたか?」
シロ「う・・・うむ。」
リトル(6)「仕方ないなぁ。子湯県だ!」
シロ「して『リトル』よ。二千年後の地名で申せば、何処になるのじゃ?」
リトル(6)「父上ぇぇ! 俺は『リトル』にあらず! 俺は大和童男だ! 何度も言うておる!」
シロ「わかった、わかった。して『リトル』よ。何処になる?」
リトル(6)「むむむ・・・。大和童男ぁぁ・・・。」
タケ「私が代わって語ろうぞ。宮崎県の西都市のあたりじゃ。」
リトル(6)「先生ぇぇ。なにゆえ、言うたのじゃ!」
タケ「すまぬ。すまぬ。」
シロ「ん? おお! 素晴らしき野原が見えて参ったぞ!」
百足「では、ここで、遊んでいかれまするか?」
シロ「うむ。そうしようぞ。して、野原の名は、何と申すのじゃ?」
カヤ「丹裳小野にございます。」
シロ「二千年後の地名で申せば、何処になるのじゃ?」
いっくん「二つの説が有るんやで。」
シロ「ん? 二つ?」
野見「まず、一つ目は、西都市の鹿野田という説にござりまする。」
ワオン「鹿野田神社から、南に300m進むと、坂がありまする。その坂を上ったところで、更に、右奥に100m進みまする。すると、運動場のような台地が見えて参るのですが、そこが、日隠の峯にござりまする。」
シロ「日隠の峯?」
ワオン「はっ。そこが、丹裳小野と言われておりまする。」
シロ「なるほどのぉ。」
小左「そして、二つ目は、西都市の三宅という説にござりまする。」
夏花「なお、こちらには、エピソード648で語られた、柏峡の大野での石占いに似た伝承がありまする。」
シロ「ああ・・・石を蹴って、誓約をおこなった話じゃな?」
夏花「御意。」
ナッカ「近くに鎮座する、三宅神社の伝承なんすけど、大王が、柏の葉のように舞い上がれと言って、蹴り上げると、その通りになったみたいっすね。」
シロ「よし! では、蹴ろうではないか! とぉぅ!」
舟木「おお! 舞い上がりましたぞ!」
シロ「当然じゃ!」
リトル(6)「俺も蹴るぅぅ!」
シロ「やめよ! 『リトル』には、まだ早い。」
リトル(6)「いやだ! いやだ!」
モロキ「ところで『リトル』様の名に(6)という記載がありまするが、これは、如何なることにて?」
シロ「これは、年齢を表しておるのじゃ。」
ヤヌシ「この物語で初めての、年齢が、はっきりしているキャラなり!」
シロ「我も、はっきりしておるぞ?」
たけし「大王の場合は、化け物のような年齢になるので、割愛しているそうです。」
シロ「なっ!? 化け物じゃと?!」
やぁちゃん「それよりも、大王・・・。」
シロ「ん? 如何した?」
やぁちゃん「いつまで、筑紫に留まる、おつもりなのです?」
シロ「ん? もう、しばらくじゃ。」
やぁちゃん「国中(今の奈良盆地)に帰ろうとは思われないのですか?」
シロ「それゆえ、申しておるではないか。もう、しばらくじゃ。」
やぁちゃん「私だけでも、帰ること能いませぬか?」
シロ「何? 帰りたいのか?」
やぁちゃん「大王は、三野(今の岐阜県南部)に留まりつづける、淳熨斗皇女こと『ヌーノ』が気にならぬのですか?」
シロ「捨ておけい!」
やぁちゃん「あれから、三年になるのですよ? 娘が憐れとは、お思いにならぬのですか?」
シロ「思わぬ!」
やぁちゃん「そ・・・そのような・・・(´;ω;`)ウッ…。」
シロ「戻れと言うても、戻らぬ。親に対して、憎まれ口を叩く。いつから、あのような、強情な娘になったのじゃ? ん? 一体、誰に似たのじゃ?」
やぁちゃん「大王に似たからですよ!」
シロ「何を申すか! 汝に似たからではないか!」
豊国「父上・・・。やぁちゃん・・・。喧嘩、ダメ。」
リトル(6)「さすがは、豊国だなぁ。よくわかっておる!」
おやた「大王・・・。御妃様・・・。子らの前にござる。御自重くだされ。」
シロ「むむむ・・・。」
やぁちゃん「・・・・・・。」
夫婦喧嘩もしたはずと思い、このような展開となりました。
つづく
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