JW676 兄夷守と弟夷守
【景行征西編】エピソード47 兄夷守と弟夷守
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)3月。
ここは、筑紫(今の九州)の高屋宮。
二千年後の宮崎県宮崎市や西都市のあたり。
前回から、ちょうど一年が経とうとしていた頃、景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)は、一行に対し、ある宣言をおこなった。
シロ「・・・というわけで、帰るぞ!」
いっくん「長い滞在でしたねぇ?」
シロ「地元の豪族たちと誼を結ぶため、いろいろと廻っておったのではないか?」
たっちゃん「作者は、そう考えておるようじゃな。」
えっさん「親しく交わっていたのかもしれませんなぁ。」
シロ「ところで、此度の還幸(天皇が帰宅すること)じゃが、異なる道を歩みたいと考えておる。」
ナッカ「異なる道? それって、ヤマトに与していない地を巡るってことっすか?」
シロ「その通りじゃ。様々な地を廻り、ヤマトに加わるよう勧めて参るのじゃ。」
おやた「軍事侵攻にしか見えませぬが?」
百足「相手が抗えば・・・の話であろう?」
シロ「弓矢は用いたくない。出来得る限り、説き伏すことが肝要ぞ。」
一同「御意!」×多数
ハッカ「ところで、私と、息子の豊国は、如何相成りまするか?」
シロ「うむ。幼いとはいえ、豊国は、日向国造。汝は、その後見じゃ。このまま、この地に留まってもらいたい。」
ハッカ「かしこまりました。」
豊国「父上! 頑張ります!」
リトル(7)「そうか・・・。『豊国』とは、ここで、お別れなのじゃな・・・(´;ω;`)ウッ…。」
シロ「泣くでない。」
カヤ「大王?」
シロ「ん? 如何した?」
カヤ「昨年、『やぁちゃん』様が、お帰りになり、此度は『ハッカ』殿が、留まられるということで、大王の傍に仕える、新たな女官を登場させたいのですが・・・。」
もち「新たな女官? どういうことっちゃ?」
カヤ「では、紹介します。采女の『キャサリン』です!」
キャサリン「はぁぁい! 『あたい』が『キャサリン』よ。よろしくね。」
シロ「新たな人物を出す意図が、わからぬ。」
野見「と・・・とにかく、出立致しましょうぞ。」
シロ「諾なり。」
ワオン「承諾した・・・という意味にござる。」
こうして、一行は、高屋宮を後にした。
そして・・・。
シロ「ここは、何処ぞ?」
舟木「ここは、夷守にござりまする。」
真白「ワンワン! ワン!」
タケ「ふむふむ・・・。二千年後の宮崎県小林市は、細野の細野中学校周辺・・・と申しておるぞ。」
小左「あっ! なにやら、歓迎されておりまするぞ。」
シロ「何っ。」
そのとき、集団の中から、二人の男が飛び出したと同時に、猿の「ルフィ」が吼えた。
ルフィ「キキキッ! キキッ!」
タケ「ふむふむ・・・。兄夷守こと『エッヒ』と、弟夷守こと『オトピ』の兄弟じゃ・・・と申しておるぞ。」
エッヒ「左様にござる。お待ちしておりましたぞ。」
オトピ「ようこそ! 夷守へ!」
夏花「この様子を見るに、既に、ヤマトに与しておるようじゃな。」
エッヒ「そうではないかと思いまする。」
シロ「思うとは?」
オトピ「実は・・・僕たち兄弟は、この場面で、いきなり登場するんですよ。」
エッヒ「それより前に、何があったのか『日本書紀』には、何も書かれておらず・・・。」
モロキ「長い滞在の間に、誼を結んでいたのやもしれぬな。」
オトピ「そうじゃないかと、作者も考えてるみたいですね。」
シロ「ところで、向こうにも、歓迎する者たちが、おるようじゃな。」
エッヒ「えっ?」
いっくん「ホンマですねぇ。川の畔に、屯ってますけど・・・。何やろ? 賊かもしれませんよ。」
シロ「賊じゃと?」
エッヒ「あの川は、石瀬河にござる。」
オトピ「二千年後の小林市内を流れる、岩瀬川じゃないかって、作者は考えてますね。」
リトル(7)「そうだと・・・断言出来ぬのか?」
エッヒ「ロマンを奪ってはなりませぬ。」
リトル(7)「ロ・・・ロマン?」
いっくん「どう考えても、そうでしょ?」
シロ「とにかく『エッヒ』『オトピ』! 見て参れっ。」
エッヒ・オトピ「ははっ。」×2
川の畔の集団は、何者なのであろうか?
次回につづく
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