JW678 狗留孫峡の戦い
【景行征西編】エピソード49 狗留孫峡の戦い
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)4月。
景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。
ここは、熊県。
二千年後の熊本県人吉市周辺。
シロ「さて、では、次に向かうか・・・。ここが、思案のしどころよ・・・。」
そこに、熊県を治める、兄熊がやって来た。
兄熊「大王! 熊襲がおりまする!」
シロ「戯けたことを申すな。熊襲は、ことごとく平らげ、今や、隼人となって、帰順しておる。」
兄熊「どうも・・・残党のようでして・・・。」
モロキ「残党も平らげたはずじゃが?」
たっちゃん「熊本県にも、熊襲が潜んでいたということでは?」
いっくん「そないなこと『日本書紀』には、書かれてませんよ?」
ルフィ「キキッ! キキキッ!」
タケ「ふむふむ・・・。伝承の話であろう・・・と申しておるぞ。」
シロ「伝承か・・・。して、何処に潜んでおったのじゃ?」
兄熊「宮崎県えびの市の川内川上流にある、狗留孫峡にござりまする。」
たっちゃん「熊本県ではないのか!?」
もち「どんげに考えても、見落としちょったち、そういうコツになりますなぁ。」
シロ「では、直ちに、これを討とうぞ!」
一同「おお!」×多数
こうして「シロ」は、軍を進め、熊襲平定に乗り出した。
熊襲(い)「おいたちは、負けんっ。」
熊襲(ろ)「そうじゃ! 負けるわけには、いきもはん!」
ナッカ「かなり、手強いっすよ。」
おやた「お・・・押され気味にござる!」
戦いは、一ヶ月に及んだという。
夏花「なかなか、やりおる。」
野見「ここまで続くとは、思いませんなんだな。」
シロ「うむ。かなりの強者じゃ。」
熊襲(い)「夜麻登の愚か者は、帰れっ。」
熊襲(ろ)「そうじゃ! そうじゃ!」
いっくん「どうしはるんです?」
シロ「むむむ・・・。」
そのとき、兄夷守(以下、エッヒ)と、弟夷守(以下、オトピ)の援軍がやって来た。
小左「そのようなこと、伝承には書かれておらぬぞ!?」
エッヒ「作者の要請で、参上仕った。」
オトピ「一ヶ月も続いてるんですよ? 僕たちが参加しないなんて、有り得ないですよね?」
百足「い・・・言われてみると、そうじゃのう。」
エッヒ「さあ、ドンと押して参りましょうぞ!」
シロ「よし! 皆の衆! 押して、押して、押しまくれっ。」
一同「おお!」×多数
熊襲(い)「どげんなっとるんじゃ! 敵が勢いづいちょる!」
熊襲(ろ)「い・・・いかんっ。押される!」
リトル(7)「頑張れ! 頑張れ!」
えっさん「行けぇぇ!」
ワオン「熊襲よ! 覚悟ぉぉ!」
ザシュッ
熊襲(い)「サクッと終わる伝承のはずが、これだけ暴れられたんじゃ。本望ぉぉ! グフッ。」
真白「ワンワンワン!」
タケ「なっ! 己も、敵将を討つと・・・申しておるぞ!」
ガブッ
熊襲(ろ)「な・・・なんち・・・犬にやられるとは・・・グフッ。」
長きに渡る戦いを征して、ついに平和が訪れたのであった。
シロ「皆、大儀であった。しばらく休みを取ろうではないか。」
キャサリン「そういうことなら、熊本県あさぎり町の深田西にて、しばらく留まることにしない?」
シロ「なにゆえ、そうなるのじゃ?」
キャサリン「もう! 伝承が有るからに、決まってるでしょ!」
カヤ「この地に、湧水が有るそうなのです。」
リトル(7)「カヤ? 湧水って何だ?」
カヤ「水が、土から、コンコンと出ているのですよ。」
リトル(7)「ええぇぇ! すごい! 父上! 行こう! 行こう!」
シロ「わかった、わかった。」
エッヒ「では、我らは、これにて、夷守に帰りまする。」
オトピ「ちなみに、夷守は、二千年後の宮崎県小林市細野の細野中学校周辺のことです。」
シロ「エピソード676で、解説済みじゃ。」
こんなやり取りがあったかどうかは、別にして、一行は、湧水を飲むため、あさぎり町を目指したのであった。
つづく
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