JW615 七代目の孫娘
【景行即位編】エピソード4 七代目の孫娘
西暦71年、皇紀731年(景行天皇元年)7月11日。
ここは、纏向珠城宮。
大足彦忍代別尊(以下、シロ)が、ついに即位した。
大連や大夫たちが見守る中、「シロ」は、高らかに宣言するのであった。
シロ「これより、大王として、ヤマトを経綸して参る。皆の者、よろしく頼む!」
一同「ははっ。」×多数
ちね「安心しておくんなはれ。これからも、大連として、お支えして参りますよって。」
シロ「うむ。」
カーケ「ところで、大夫も、引き続き、務めをおこなうのかね?」
シロ「それは、如何なる意にござりまするか?」
くにお「大夫とは、先代が、お定めになったモノ・・・。当今(今の天皇)が、これを続けられた・・・という記載が有りませぬゆえ・・・。」
武日「じゃが。ここは、はっきりしておいて欲しいっちゃが。」
シロ「有体に申せば、大夫を続けるつもりはござりませぬ。」
オーカ「そうなるので、あらしゃいますなぁ。」
シロ「されど、今、皆様方に退かれてしまっては、真に、心許のうござりまする。しばらくの間、我を支えてはくださりませぬか?」
カーケ「そういうことなら、仕方ないんだぜ。」
くにお「若き大王を支えて参りましょうぞ。」
こうして、新たな体制が始まったのであった。
そして、翌年の西暦72年、皇紀732年(景行天皇2年)3月3日、「シロ」は大后を定めた。
大后となったのは、若日子建吉備津日子(以下、タケ)の娘、播磨稲日大郎姫(以下、ハリン)であった。
ハリン「不束者ではございますが、一所懸命に、大王を支えて参りまする。よろしゅう御願い申し上げまする。」
シロ「うむ。こちらこそ、よろしく頼むぞ。」
ちね「せやけど、まさか、七代目の孫娘が、大后やなんて・・・。」
オーカ「時の流れが、おかしくなってますなぁ。」
シロ「そのようなこと、これまでにも、度々、有ったであろう?」
するとそこに、大后の父、「タケ」がやって来た。
タケ「皆の申すことにも、一理有る・・・が、私が、年老いてから生まれた娘と思うてくれ。」
カーケ「文句を言っているわけではないんだぜ。ただ、それがしでも、九代目の御尊顔しか知らないんだぜ。ちなみに、初登場は、エピソード227なんだぜ。しかし、『タケ』先生は、七代目の御尊顔も知っているわけで、初登場も、エピソード157・・・。もはや、物の怪なんだぜ。」
タケ「それについては、私も、同じ想いなのじゃ。娘が、大后になるからともうして、父親が、生きていなければならない道理も無かろう?」
くにお「た・・・たしかに・・・。既に旅立たれている展開の方が、自然にござりまするな。」
武日「じゃっどん、なして、出演を続けておられるんや? 正直に申せば、『おい』も含めて、ほとんどの丈夫が『タケ』先生の弟子みたいなモンで、頭が上がらんっちゅうか・・・大きな顔が出来んっちゅうか・・・。」
タケ「皆には、申し訳ない想いをさせておるようじゃな。」
シロ「我は、そのようなこと思うておりませぬぞ。」
タケ「嬉しいことを言ってくれるではないか・・・。」
くにお「『タケ』先生・・・。武日の申す通り、ここまで出演するのには、何か理由が有るのではありませぬか? 娘の立后を寿ぐためだけとは、到底、思えませぬが?」
ハリン「父上? そうなのですか?」
タケ「うむ。では、そろそろ、皆に伝えることとしようぞ。」
シロ「お・・・御願い致しまする。」
タケ「私は、これより生まれてくる、皇子を待っておるのじゃ。」
武日「『タケ』先生が、待たねばならぬほどの皇子?」
カーケ「何やら、選ばれし者のように思えるんだぜ。」
タケ「うむ。その皇子を育てんがため、出演を続けておるという理由じゃ。」
武日「ど・・・どんげな皇子が、産まれてくるんや?」
シロ「皇子? 我と『ハリン』との皇子にござりまするか?」
ハリン「えっ・・・(〃▽〃)ポッ」
タケ「そこまでは分からぬ。作者より、猛き者が現れるとしか、聞いておらぬでな。」
くにお「そのような者が、これから現れると?」
猛き者とは?
そして「ハリン」が産むことになるのであろうか?
次回につづく
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