JW458 大臣になる者
【崇神経綸編】エピソード33 大臣になる者
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前33年、皇紀628年(崇神天皇65)1月。
ここは、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)。
崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)は、涙を流していた。
傍らでは、大后(おおきさき)の御間城姫(みまきひめ)(以下、みぃ)も涙を流している。
ミマキ「うう・・・(´;ω;`)ウッ…。まさか、大彦(おおひこ)伯父上が引退なされるとは・・・。」
みぃ「父上の最期に立ち会えなかったことが、無念で・・・(´;ω;`)ウッ…。」
するとそこに、大臣(おおおみ)の物部伊香色雄(もののべ・の・いかがしこお)(以下、ガーシー)がやって来た。
孫の物部大母隅(もののべ・の・おおもろすみ)(以下、ロス)の姿もある。
ガーシー「大王(おおきみ)・・・。悲しいのは分かるけど、記事を進めんと、あきまへんで!」
ロス「せやで! ついに、うちの『じいさん』が引退するんやで!」
ミマキ「ん? 『ロス』のじいさん? それは『ガーシー』のことではないか?」
ガーシー「せやねん。ついに、引退することになってもうたんですわ。」
ミマキ「つ・・・次の大臣は、誰に致せば良いのじゃ? 汝(いまし)には、二人の息子がおったであろう? 大新河(おおにいかわ)こと『ニック』と、まだ登場しておらぬ、十千根(とおちね)こと『ちね』じゃ。どちらを大臣にすると申すのじゃ?」
するとそこに「ニック」と「ちね」がやって来た。
ニック「そりゃ当然、最初に登場した、わてが、大臣に決まってるでしょ?」
ちね「読者のみなさん、お初にお目にかかりますぅ。わてが『ちね』やで。」
ガーシー「まあ、なんというか、ここは『ロス』で行きたいなと・・・。」
ニック・ちね「は? はぁぁぁ!?」×2
ミマキ「待て、待て。なにゆえ、子を飛ばして、孫が大臣になるのじゃ? おかしいではないか!」
ガーシー「せやけど、次に大臣になったのは、物部武諸隅(もののべ・の・たけもろすみ)となってるんですわ。せやから、そういうことにするしかないんです。」
みぃ「武諸隅? それは、尾張建諸隅(おわり・の・たけもろすみ)こと『ケモロー』のことではありませんか? それならば、年齢的にも、おかしくないのでは?」
ガーシー「それが・・・『日本書紀(にほんしょき)』では『ロス』の別名と書かれてるんですわ。」
ニック「納得いかへん! なんで、わてを差し置いて『ロス』が大臣になってんねん!」
ミマキ「それに『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』では、武諸隅は『ロス』の兄弟になっておるぞ? この物語では、同一人物として扱(あつか)うつもりなのか?」
ガーシー「そういうことですわ。仰山(ぎょうさん)出て来ても、しゃあないでしょ?」
ニック「そ・・・そないなこと・・・。そないな・・・(´;ω;`)ウッ…。」
みぃ「私は反対です!」
ミマキ「えっ? 『みぃ』ちゃん?」
みぃ「『ニック』が可哀そうではありませぬか。ここは『ケモロー』を大臣にするべきです。物部氏(もののべ・し)には、歳相応(とし・そうおう)の者がいなかったことに致します!」
こうして、作者オリジナル設定によって、大后の決断が下されたのであった。
つづく