JW561 神々の宴
【伊勢遷宮編】エピソード20 神々の宴
第十一代天皇、垂仁天皇の御世。
紀元前4年、皇紀657年(垂仁天皇26)。
天照大神(以下、アマ)の鎮座地を求め、倭姫(以下、ワッコ)一行は、旅を続けていた。
そして・・・。
ワッコ「して、ここは?」
アマ「次の遷座地、奈尾之根宮じゃ。」
カット「では、早速、解説を始め・・・。」
男「ちょっと待った!」
ワッコ「な・・・何者じゃ?」
男「俺か? そう! 俺が、俺こそが、吉雲建子だ! 『くもた』と呼べ! そして、俺には、二つの別名が有る。分かるかな?」
ねな「伊勢都彦よ。」
インカ「もう一つは、櫛玉命にござる。」
くもた「よし。正解だ。」
ワッコ「な・・・何なのじゃ?」
くもた「俺は、伊勢の守護神だ。『サノやん』の命を受け、伊勢の地を平定した男だ。」
ワッコ「えっ? 御初代、神武天皇の御世? では、元々は、人であったと?」
くもた「そうではない。俺は、出雲神の御子だ。」
オーカ「大国主大神の息子にあらしゃいますか?」
くもた「そんな感じだな。」
くにお「して、何故、降臨あそばされたのです?」
くもた「その前に、俺の息子と娘を紹介させてもらおう。息子の大歳神こと『としお』と、娘の桜大刀命こと『さくら』だ。」
としお「お初にお目にかかる。我が『としお』じゃ。エピソード559にて、名のみの登場をしておるぞ。」
市主「もしや、加努弥神社の件で・・・。」
としお「その通りじゃ。我の娘、稲依比女命が祀られておると、解説しておったであろう?」
くもた「俺の孫ってことだな。」
さくら「そして、私が『さくら』よ。よろしくね。」
ちね「とにかく、現れた理由を教えて欲しいんやけど・・・。」
くもた「まあ、待て。次に紹介するのは、山の神、大山祇神だ。」
大山祇「お初にお目にかかる。わしが、大山祇こと『山』じゃ。ようやく、登場出来たというわけじゃ。」
乙若「ようやく? どうゆうことにござりまするか?」
山「名前は、度々、上がっておったが、物語本編に登場したことが無かったのじゃ。」
ワクワク「ビッグネームなのに、出てなかったんだね。」
ワッコ「ビッネーン?」
山「そうなのじゃ。あと『さくら』は、木花開耶姫こと『サクヤ』の別名ともされておるので、わしの娘かもしれんぞ。」
くもた「なっ!? そんな?!」
さくら「お父様が、二人・・・。私、どうすればいいの・・・。」
おしん「そんたなことより、そろそろ理由を・・・。」
山「おお! そうであった。もう一柱、紹介せねばならん。その名も、朝熊水神じゃ。『アサーク』と呼んでやってくれ。」
アサーク「お初にお目にかかる。我が『アサーク』じゃ。」
アマ「揃いも、揃って、如何したのじゃ?」
山「おお! 『アマ』ちゃん。待っておったぞ。」
アマ「兄上! その呼び名、お止めくださりませ。」
くもた「とにかく、俺たち、五柱の神は、『ワッコ』に御饗を奉るため、遥々やって来たのだ!」
アマ「それだけのために、ここまで紙面を使うたのか?」
くもた「えっ? い・・・いや・・・。その・・・。」
山「まあ、良いではないか。『ワッコ』のために、伊勢に関わる神が、勢揃いで迎えたのじゃ。」
アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」
カーケ「宴なら、文句は無いんだぜ!」
ワッコ「こ・・・このような・・・畏れ多いことにござりまする。」
アマ「快く馳走に与るが良い。汝の働きが有ったればこそ、ここまで来れたのじゃからな。」
ワッコ「ア・・・アマ様・・・(´;ω;`)ウッ…。」
アマ「泣くのなら、わらわが食べてしまうぞ。」
こうして、宴が催されたのであった。
つづく