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記事一覧
No.0|『持続不可能な社会をどう生きるか』を書いたワケ
Prologue1972年にローマクラブが『成長の限界』を発表しました。「地球の資源は有限であり、経済は無限に成長することはできない」、そう発表された50年経った後も、私達、特に日本人の意識は恐ろしいほどに楽観的で、関心を持とうとしません。
現在生態系はすさまじい速度で破壊されています。気候変動——最近は気候危機と呼ばれますが、将来の危機は過少化され、事なかれ主義のモラルハザードが起こっています
No.11|ポスト資本主義はどうあるべきか?
No.1~No.10にかけて、様々な日本の課題を扱った。欲望渦巻く資本主義の闇、広がり続ける資産格差と財政規律の緩み、急速に進む環境破壊と気候変動の脅威、加速する生物の大量絶滅、そしてそれらのリスクが分かっていても個々人の努力や選択では回避できない袋小路にあることをご紹介した。
事実を知っても何も変えられない、そんな無力感と不安を感じ、社会の歯車を演じ続けるのはあまりに残酷なストーリーだ。私たち
No.6|気候変動は何を招くのか?
今や将来の地球環境を正しく知っておくことは,リスク管理の上でとても重要なことだ.何が起こるのかを理解していなければ、何をすべきなのかも分からない。
まず、世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書(2020年版)から,世界のリーダーが考えている将来リスクを示そう。
この結果によると、"気候変動"や"生物多様性の喪失"などが上位に上がっており、世界のリーダー達が強い危機意識を持っていることが読み
No.5|私たちはどうして行き過ぎてしまうのか?(暴走・衰弱のメカニズム)
私たちは"宿命的に"、悪い結果が予想できていてもなかなか行動を変えられない生き物である。
経済格差、財政問題、少子高齢化、地球環境問題・・・、様々な問題がクローズアップされている中でも意識が追い付いていない。問題は絶えず後送りされている。
なぜ行動を変えられないのか、その原因のいくつかをシステム的思考に基づいて紹介していきたい。
①競争原理が内在する暴走私たちは、競争を好意的に捉えている。競
No.4|なぜ環境破壊に対する感じ方がこれほど冷淡になったのか?
前章で、"世界は自然の恩恵で回っているにも関わらず、それが危機に瀕している"ことを紹介した。しかし、自然保護の大切さをいくら力説されたとしても、どうしても違和感が拭えない方もいるだろう。自然破壊と言っても、まるで遠い月の国のお話のようで、頭では理解できたとしても腹落ちしない。その背景には何があるのだろうか?
①自然からの断絶一つ目の理由は、私たちの生活の大部分が自然から断絶されてしまったことによ
No.3|なぜ学び続けるべきなのか~その本質的な理由 - 後編
学び続けることにもう一つ重要な意味を付け足すならば、バイアスに囚われずに思考するためだ。偏った見方をしていては、正しく事実を捉え、生産的な議論をすることができない。
人はそれぞれ、独自に培った色メガネを使って世界を認識している。世界は情報で溢れかえっており、全てを処理することは土台不可能で、普段私たちは欲しいと思う情報だけを抜き取ることで効率的に生きることができる。逆に考えると、見たいと思わない
No.2|なぜ学び続けるべきなのか~その本質的な理由 - 前編
子供の時も、大人になってからも、好きでもないことを無理やり学ばされる時がある。出された宿題にうんざりし、この勉強に何の意味があるのかと首を傾げたくなることもある。なぜ私たちは苦労してでも「学ぶべき」なのだろうか?
調べれば、こういった答えが出てくるだろう。
・生きるために
・成長するために
・より良い生活を送るために
・好きな職業に就くために
・幸福になるために
・だまされないために
・危険を