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順番待ちの小さな思いやり。
ある日、郵便局で、おじいさんが自分の番を待っていました。その郵便局では順番待ちのカードが発行されています。僕はそのカードを引きましたが、おじいさんはそのカードの存在に気付かず、僕の行動を見て慌てて次のカードを引きました。郵便局によっては順番待ちのカードを発行するところもあれば、そうでないところもあります。そのため、カードの存在を知らずに待っている人は少なくありません。僕も初めて気付いた時は同じでした。
「あ、おじいさんまだカードを引いてなかったんだ。なんだか悪いな。カードを交換してあげたほうがいいかな?」と思いました。しかし、その瞬間、僕のカードの番号が呼ばれました。そこでおじいさんが〈私が先だったんだ。君には負けないよ〉といった感じで急いで受付に向かいました。受付の人も状況を見ており、おじいさんの番号が違っても、空気を読んで対応してくれました。僕はどちらでも良かったので、その様子を見守っていました。おじいさんが先に行ったことで、何となくホッとしました。郵便局の人も、このようなことに慣れているようでした。
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ただ、年々、様々なことが複雑になってきていると感じます。以前、ショッピングモールの駐車場の精算機が複雑で、20代の若者たちが操作に苦労していたことがありました。若い世代は機械操作に慣れているイメージがありますが、それでも複雑すぎると戸惑うものですね。
特に高齢者にとっては、より大変です。焦る人も多いと思います。高度成長期の人たちのように、競争の激しい時代を生き抜いた人たちは、自然と急がされる感覚があります。遅れを取ることは良くないと感じ、無意識に先を急ぐことがあるかもしれません。
前述の郵便局でのおじいさんも、そういう競争社会が身について〈自分が先だ。後れを取ってはならない〉と感じ、僕より先に受付に向かったのかもしれません。
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高度成長期を経験した世代のおかげで、今の日本があります。現在は不況かもしれませんが、過去の貯金のおかげで何とかやっていけてます。ですから、高齢者を焦らす風潮は改めたいですね。焦らずに、ゆっくりとした時間を大切にしてほしい。これは全世代に言えることです。スピードを求める人はそれで良いですが、自分のペースを他人に強要するのは避けたいものです。
◇ ◇ ◇ ◇
数カ月後、同じ郵便局で似たような状況がありました。僕がカードを取った時、先に来ていた女性が僕を見て「あ!」という表情をしました。彼女はカードを引いてなかったのです。僕は「カードを引いてください。交換しましょう」と言うと、「ありがとうございます」と、とても感謝されました。
僕が譲ってもらったこともあります。どこに並んでいいか分かりにくいコンビニがありますよね。一度、僕が間違ったところに並ぼうとしたとき、その後に、正しい場所に並んだ業者風の男性と目が合いました。その男性から「お先にどうぞ」と声をかけられました。その男性には感謝しました。思いやりを受けると、心が晴れやかになりますね。
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このような小さな思いやりが、日々の生活に温かさをもたらします。僕たち一人一人が、周りの人たちに少し気を配るだけで、社会全体がもっと心地よくなるはずです。互いに支え合い、焦らずに過ごすことの大切さを、改めて感じました。
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