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ぼくの会社が茶封筒に入れた郵送DMに救われそうです

ぼくは昨年まで、「営業」をしたことがありませんでした。

正確に言えば、「新規開拓の営業」をしたことがなかったんです。それまで、その必要を感じたことがありませんでした。


営業しなくて済んだフリーライター時代

Webライターは、Web記事の出来でしっかり存在感を見せていれば、たまに仕事の依頼がやってきます。

バズる→読まれる→仕事がくる→バズる

このサイクルしかないと思っていました。だから、ぼくは定期的にバズらなきゃいけないと思っていたんです。

みんなが知ってるテーマで、みんなが気になる話題を、ちょっとだけ違う視点で、深く掘る。

いっつもこれ。ぼくのバズの狙い方は、とってもマジメで普通です。注目度の高い媒体で、これを常に高い精度でやっていれば、いつかバズるはず。そして、一度寄稿したWebメディアには、今後も書き続けられることが多く、それで大塚たくまという、フリーライターはなんとかなっていました。

でも、それは、個人だったからです。今はクオリティの高いSEO記事をつくるライター集団を形成し、たくさんSEO記事の受注することで成り立つ会社「なかみ」を経営しています。

株式会社なかみのコーポレートサイト

ぼくは社員を雇い、既にあった大量発注された記事を、品質を保ったまま制作できるチームの仕組みづくりをしました。その後、マトモな経営者なら「よし、営業するぞ」と思いますよね。せっかくいい記事をつくる仕組みができてるんだから。

それなのに、愚かなぼくはフリーライターとしての活動を優先してしまいました。

ライターって楽しい

「SEO記事の案件がまわるようになったから、これで自分の執筆活動ができるぞ」と喜んでました。営業をせずに、個人の執筆活動をやっちゃったんです。じつに愚か。じっつに愚か。

記事制作の仕事は、突然終わりがやってきます。個人ではなんとかなっていたものの、社員を雇っていると、すぐヤバくなります。売上がヤバくなってから、営業せずに執筆だけを楽しく続けている社長(ぼく)のヤバさに気づきました。

ぼくは、今すぐに新規開拓の法人営業をやらなきゃいけなくなりました。

「茶封筒郵送DM」をやって起こったこと

「法人の新規開拓」なんて、まったくわからない。飛び込み営業するのか。いやいや、迷惑だろ。メール営業する?いやいや、読まれない。営業代行会社にテレアポ頼む?いやいや、それも相手に嫌がられるだろ。

……そんな甘い考えのぼくが、とりあえず「これならやれる」と思ったのが、郵送のダイレクトメールでした。

これが想像以上にうまくいきました。そして、今ぼくは「営業、めっちゃたのしい!」と思っています。具体的に何が起こったのかを紹介します。

1500通送って22通反応があった

反応率が1.46%。こんなに反応があるとは思いませんでした。

事前に勉強したとき「DMは1%程度反応があれば成功」と書かれてあるのを見て、うちのような社員と2人きりでヤバくなるような超弱小会社がそんなに反応あるわけないと思いました。「かなり厳しい世界だと愕然したけど、やるしかない……」と悲壮感を漂わせながら、DMの計画をしたんです。

なのに、こんな。想像以上のリアクションをもらえて、嬉しかったです。

1500通で150万円程度の収益を生んだ

1通のコストが郵送費と印刷費で150円程度です。それが1500通で、22万5000円程度の費用をかけました。

そのDMによって、6社と契約。現時点で244万100円の売上が生まれ、外注費用などを差し引いて、現時点で150万円程度の収益になっています。

1500通で150万円の収益が生まれた。この事実だけでも「郵送DMは今後も絶対継続すべき」だと思っています。

DMじゃなく「お手紙」と呼ばれる

お客さんから連絡を受ける際「お手紙をいただいて…」と、話してくださることに驚きました。自分では「DM」と思って送っていても、愛情込めて封筒に入れて送れば、相手には「お手紙」と受け取ってもらえるのか、と感激したんです。

これは「メール営業」だとありえません。それくらい、郵便物のDMは今届かないんだなと思いました。

中にはXでDMをアップしてくださる方もいらっしゃいました。受注したわけではないのですが、想いが伝わって嬉しかったです。

なんてあたたかい方なのでしょうか。これが、ぼくが求める姿だと思いました。たとえ失注しても、良いコミュニケーションのきっかけにはなりたい。ここでも、お手紙と呼んでもらえました。そうだ、これはお手紙なんだ。そう気づいてから、ぼく自身も「お手紙」と思って、1通1通のDMを作っています。

郵送DMだって「コンテンツ」

ぼくは、もともとがWebライターです。郵送DMも「コンテンツ」だと思っています。ぼくの中で「コンテンツ」とは、愛情表現。株式会社なかみはコンテンツをつくる会社なので、郵送DMも愛のあるものじゃなければダメだと思っていました。コンテンツ制作会社として、恥ずかしい愛のないDMはつくれません。

ビジネスにおいて、愛は伝わらなければ意味がありません。愛を伝えるには、愛情表現が必要です。「郵送DMにおける、愛情表現とは何か?」と考えました。そのためには、以下の工夫が必要だと思ったのです。

  • 1通1通心を込めていることが伝わる

  • 自分ゴト化できる内容が書かれている

  • 狙いなく、やみくもに送らない

この3点を基本的な発想として据えて、制作していきました。

DMと思われない郵便物をつくる工夫

郵送DMで一番怖いのが、すぐにDMと判断されて、即座に捨てられてしまうことです。とにかく、なんとしてでも、それは避けなければいけません。

ぼくは、自社にDMが届くとき、だいたいどんなデザインだろうかと考えました。

  • 会社名やサービス名が入った封筒

  • 「特別なご案内」などの文言

  • 「料金後納郵便」で送られる

  • 宛名が印刷

  • 大量に送っている感がある

これでも開きたくなるようなDMは、ぼくも関心があるような、大手企業のDMだけかと思います。見知らぬ企業からこんなDMがきても、興味を持たない気がしました。

……つまり、これと真逆の見た目にすればいいのではないか?

  • 会社名やサービス名が入った封筒 → 単なる茶封筒

  • 「特別なご案内」などの文言 → 何も書かない

  • 「料金後納郵便」で送られる → 切手を貼る

  • 宛名が印刷 → 宛名を手書き

  • 大量に送っている感がある → 絞り込んで送っている感がある

この通りにつくると、全くDMとは思われない、謎の封筒が完成します。ちょっと怖いかもしれないけど、捨てられるよりマシです。それぞれの項目について、ちょっと解説します。

①単なる茶封筒を使う

社名が印刷された、印刷会社に頼んだ感じの封筒を使えば、差出人を記さなくて楽です。でも、それによって「たくさん送ってる感」が漂うのが嫌でした。

……ということで、ASKULで販売されてる封筒で一番安いクラフト封筒を使うことに。

最初、差出人も手書きで書いていましたが、さすがに大変すぎるので、今は会社のゴム印を押しています。

かなり楽になりました。これでも印刷よりは手作り感が出せるし、この味わいが好きです。

②開きたくなる言葉を書かない

茶封筒には、宛名とゴム印だけ。他に何も書かないようにしています。何か書くべきかと感じますが、何を書いても怪しさが増すだけな気がしています。

もしここに、書き加えることで開封率が上がる、誠実な一言があったら、ぜひ教えてください。

③切手を貼る

「料金後納郵便」という方法を使えば、切手を貼らずにまとめて郵送費を支払って送れます。でも、ぼくは切手を貼る手間にこだわっています。なぜなら、封筒に迫力が増すからです。

料金後納郵便だと、このひと封筒ひと封筒に掛けている手間が伝わらない。並べてみると明白なんです。企業から届く切手が貼られた封筒の「大切なもの感」は侮れません。

ちなみに切手を貼る作業は、シール切手を使えば、そんなに苦ではありません。110円切手で可愛らしいデザインのシール切手もあるので、ぜひ探してみてください。


④宛名を手書きする

最初に法人営業を学んだ本に書いてありました。「宛名を手書きしたものと、印刷したものとでは、開封率は変わらなかった」と。なんなら、切手だって意味がないと。時間を浪費したい人は宛名を手書きし、切手を貼り続ければいいという、煽り文句までありました。

でもなぁ。なんか違う気がしたんです。

たとえば、お店の人がお客さんの車を見送るのと、見送らないのとでは、売上はそんなに変わらないかもしれません。でも、ぼくは少なくとも、車を見送るお店の方に敬意を持ちます。それは、敬意が伝わるからです。なんか、そんなコミュニケーションを無視している感じがしました。

そんな敬意の交換がしたい。そして、そこから生まれる関係性を大切にしたいです。ぼくはDMにおいて、「宛名を手書きする」のが、もっとも伝わりやすい敬意だと思います。いちばん面倒くさいからです。

受け手は、封筒に費やされた「時間」を感じ、何か大切なものが入っていると思ってくれる……んじゃないかなぁ。思ってくれてたら、いいな。

⑤絞り込んだ内容をつくる

あとは、なかみ。これがもっとも重要です。ぼくはコンテンツを作るとき、何よりも受け手のことを考えます。郵送DMでも同じです。まずは送り先を絞り込みましょう。

優先すべきは「自社のサービスにお金を払ったことがある会社」です。ぼくの場合は、Webライティングの会社なので、Webライティングにお金を払ったことがあるかどうかが重要となります。そのため、Web制作会社やWeb施策に取り組んでいる会社などが候補となりました。宛先のリスト作りが重要となります。ここは各社で考えていかなければならないところでしょう。

絞り込んだら、社内にどのような課題があるかを想像し、中に入れる書類を作り込んでいきます。ぼくの場合は、DMの中にこんな漫画も入れています。

漫画は少ない枚数でたくさんの内容を伝えられる点で、とてもDM向きです。そして、受け手に寄り添った内容もフランクに伝えられ、読み進めるストレスを軽減できます。

……何より手書きで宛名が書かれた、シール切手が貼られた茶封筒の中から、作り込まれた漫画が出てきたら、どう思いますか。まさか、こんなものが入っているとは、とびっくりしませんか。そこも、魅力に感じています。

これからも「手紙」を送り続ける

ポストに届き、事務員さんが受け取り、DMだと判断できないので、一応、と社長の机にまわす。そして、社長が「なんだ?」と封を開け、内容を読みふける。

そんな光景を思い浮かべたとき、なかみはどうなっているべきなのか。そこを考えるのは、ぼくがWeb記事を作るときに考えることと、かなり似ています。

そこから、直接のコミュニケーションが始まる、郵送DMが今は面白くて仕方ありません。これからもこの探求は続きます。もし、あなたの会社にぼくからの「手紙」が届いたら……まあ、ご笑納ください。

「なかみ」では郵送DMのコンサルを行っています

現在、弊社では郵送DMのコンサルティングを行っています。郵送するDMの「なかみ」を一緒に作ります。

茶封筒DM、一緒に楽しみながらトライしてみませんか。今までにない世界が待っているかもしれませんよ!


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大塚たくま / 株式会社なかみ
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