#184_ジブンという現象がコトバで出来ていること、コトバでしか出来ていないことを受け入れて、そのシバリから静かに離れること。

ニンゲンはコトバで出来ています。

スーパーの精肉売場に並んでいる肉には「ポーク」とか「チキン」のような、それを理解するためのコトバがついていて、わたしたちには「ニンゲン」というコトバがついていて、違うコトバがついているものは、わたしたちにとって違うものです。

「死生学」のお話を聴いたときに、窓の外では冷たい雨が降って、土が黒く
濡れていて、お話よりも、冷たく濡れた土がリアルに感じられたことがあります。裸足で外に出れば汚れるという、コトバで出来た、世界との関係。

死んで冷たい土の上に横たわるのはイヤだなあという想いは、世界を規定するコトバに含まれた価値です。

ジブンという現象がコトバで出来ていること、コトバでしか出来ていないことを受け入れて、そのシバリから静かに離れること。