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小説【スペース・プログラミング】最終章:「エピローグ」
↑第1章
↑前回
あれから3年が経ち
桑谷先生は大学卒業と同時に結婚した。
そして、まさかそのお相手があの警備員の柚木さんなんて知る由もなかった。6年ほどの長い付き合いなんだと。柚木さんは41歳で結構な年の差婚だな、と正直思ったが、桑谷先生が外資系メガベンチャーに就職が決定し「夫婦2人で幸せに暮らす」と。素晴らしいことだ。
そんな柚木さんも、警備員をやる傍ら作っていたAIゲームの売
小説【スペース・プログラミング】第13章:「ホシをつぐもの」
↑第1章
↑前回
「ふーん、それでお前は別惑星の、あの世らしき世界に行っていたと言うのか」
ホシの部屋でみんなが集まった。知らない顔も2人くらいいたけれど、それぞれ小川さんと関口さんという人で、目黒さんが部長をやっている「女子プログラミングサークル」のメンバーらしい。しかも物理学科出身で、宇宙のことを少しわかる人たちだったので、すぐに気が合った。
さて、僕が眠っていた間に何があったのか
小説【スペース・プログラミング】第12章:「たったひとつの、冴えた生き返りかた」
↑第1章
↑前回
「では、最後の問題じゃ。『プロミネンスと同じ現象を示しているものを、一つ答えよ』」
「ダークフィラメント」
僕は答えた。すると、目の前のイロハ様は、仰天したような顔でこちらをみた。
「たまげたでありんすよ……こんなに宇宙のことに詳しい者はこの惑星に住む者でもそう多いわけではござりんせん。だがな少年よ、別にこれに答えられたからと言って地球に帰れるかどうか試験をしなんす、
小説【スペース・プログラミング】第11章:「時間消滅」
↑第1章
↑前回
僕は大きな大理石で出来た門を守る2人組の歩哨に、通行手形を見せた。そうすると、あっさり2人は門を開き、街の中に招いてくれた。
「最近物騒な空気が広がっているから、目立たないように歩くんだぞ」
2匹の犬の魔物を連れていてどう目立たなく歩けばいいんだと聞き返したくなったが、要するに揉め事は避けるように、という意味だろう。
僕はスクイークとシミュラを両脇に従えて中に入った
小説【スペース・プログラミング】第10章:「桃源郷の惑星ジューン」
↑第1章
↑前回
「おい、坊主。お前そんな若さでこんなところに来ちまったのか。さすがに同情するぜ」
さっきの猪豚マンのような人が来た。同情するくらいなら、ここがどこか教えてくれたっていいじゃないか。僕は死んだ。しかし何故こんな月の衛星都市みたいなところに放り込まれたのだ?
「ここは惑星『ジューン』の最上部の街の『フィエステ』。実はよ、俺も最近来たばかりなんだけどもよ、生前は地球の養豚場の
小説【スペース・プログラミング】第9章:「愛に命を」
↑第1章
↑前回
目が覚めると、そこは月の表面みたいに暗い天に、辺りが照らされた夜の街のような場所だった。
何故こんなところにいるんだろう? 僕は全く見当がつかない。
だって今日だってーー
下校時間。
「三谷くんをいじめたら許さないんだから」
多くのクラスメイトに注目されつつ彼女に圧倒され、天童は後方にのけぞった。如月さんのパワーは、ガチで喧嘩をしても勝てそうな、そんなオー
小説【スペース・プログラミング】第8章:「AIのゆりかご」
↑第1章
↑前回
「早いよな」
「早いよね〜〜」
「早くてもいいじゃん、私と三谷くん、ずっと一緒!」
以前座ったリビングに、女性4人と男は僕1人。なんだか気まずいが、目黒さんという人以外は知っていた顔とはいえ、少し緊張してしまった。
「そんなに緊張するなよ。確か三谷って言ったな。まだ中学1年生で早いのにホシを選んで彼女にしちゃうなんて、お前も大した審美眼と度胸の持ち主じゃないか。私は
小説【スペース・プログラミング】第7章:「星よ! 星よ!」
花さえ生まれてきた理由があるのに、私にはないの?
愛を持って生まれてこなかった私は、誰かを愛することはできるの?
↑第1章
↑前回
誰かがささやくそんな夢を見続けはじめる毎日にも、日常に変化は訪れる。
そろそろ主人公を負かそうという話を、編集は切り出してきた。全く、誰が作者なのかわからない。
僕の手がけるライトノベルの連載はもう今回で5巻目に入り、4巻の売り上げ次第ではキリの良
小説【スペース・プログラミング】第6章:「少年期の扉」
↑第1章
↑前回
僕は、如月さんのお姉さんに「よろしくお願いします。三谷祐治です。ええと……お姉さん」と挨拶すると
「咲耶でいいよ〜〜。それにしてもホシが男の子だなんてね〜〜近頃の子は早いんだね〜〜。ほら、そんな玄関に立ってないで上がって上がって〜〜」
この咲耶姉さんも少し、変わった感じの人なんだろうか。僕が靴を脱いでいる最中に、如月さんがパパッと靴を素早く脱いで、家の中に入って行って
小説【スペース・プログラミング】第5章:「彼女は陽気な僕の女王」
↑第1章
↑前回
「三谷く〜〜ん。一緒に帰ろ〜〜」
あまりにも教室中に響く声で言うもんだから「この色男〜」「ヒューヒュー」などという声が周りからあがってちょっと恥ずかしかった。
彼女のボーイフレンドとなってまだ1日も経ってないのに、いきなり下校時にこれだから、こりゃ付き合っていくのは思っている以上に勇気が入りそうだ。それでも、僕が惚れた女の子でもあるので、当然嬉しい気持ちもある。
小説【スペース・プログラミング】第4章:「春への扉」
↑第1章
↑前回
一番はじめに僕が顔面を殴られたと気付いたのは、桑谷先生だった。
周りには「転んで顔面打ち付けた」で済んだのに、先生の目はごまかせなかった。
「どうしたのその傷」
「三谷くん、誰かに殴られなかったら、人中の周りが腫れたりまでしないよ」
「ねぇ、先生に話してみて。誰にも口出ししたりしないから」
お節介な人だな、と思ったが、聞けば桑谷先生も總星学園のOGであるとのこ
小説【スペース・プログラミング】第3章:「チャンピオンの餌食」
↑第1章
↑前回
忘れもしないさ、僕が新人賞に送った「宇宙とのロマンス」を、売れるタイトルに変え、内容も脚色するように言われたことは。
小説を書いていて新人賞に送るという分際で、そのレーベルのカラーを知らずに送った僕も悪いのだが、何も萌え系ハーレム物にすることはないだろう。しかも小学生が書いたものを、である。
その上、僕(作者)が天文学を趣味にしていることをいいことに、その知識を満遍