師匠のさりげない一言をいくつか胸に刻んでいる。ただ、それらの一言は発せられた瞬間に耳へ入っても、心が響くまでに至らないときもある。「これは大事な一言になりそう」という予感はするものの、共感や理解までには段階がいくつもあるからだ。素直に白状すると、その場では分かったようなリアクションを結構していたと思う。 「演奏には"身体的な喜び"がある。」 この一言は作曲だけは細々と続けていたものの、演奏からすっかり離れた時期に受けたものだった。ソロをなんとか復活させた今はその身体的な喜
4月から続けている月末更新の『あやみのギター音楽教室の様子』ですが、10月最後の日となる31日に焦りと共に書いています。「徒然なるままに」という書き出しからアレコレ思い付けばいいのですが、PCのキーボードを叩く音はお休みが多いです。文字ボタンで軽快なリズムを刻んでいると思えば、出来上がった文を読んで「back space」を押す作業の繰り返しです。「PCではなく硯に向かうといいのだろうか?」と考えるも、兼好法師も「心に浮かんでは消えるたわいのない事」と綴っていたので、きっと道
2024年10月27日 午前中は大津茂小学校まで投票へ。 姫路に戻ってから投票を欠かしたことはありませんが、今回は投票所を出入りする人の数が多かったように感じました。 自分の願望がそう錯覚させたのかもしれませんが、投票率が上がったかどうか楽しみです。 午後からはアクリエひめじで『住み続けたいひめじプロジェクト』に参加しました。 STEP2となる今回は「姫路の勝負ポイントはここ」という難しいテーマ。一般市民が「ここ」と力のある言葉を即座に打ち出すのは無理がありますが、ファシ
タイトルを『ラジオ番組出演のお知らせ』とシンプルに書かず、"ギタリストとしての"という言葉をわざわざ付け加えたのには理由があります。私はレギュラーで月に何度かラジオ番組に出演していますが、ラジオディレクターという立場での出演になります。姫路の市政情報に関する番組、ジャンルごった煮番組で話していますが、それらの番組ではギタリストの看板を外した状態です。以前はそのジャンルごった煮番組でギタリストの顔のままトークすることもありましたが、現在は教室のポッドキャスト『甘露日和を待ってみ
「すっかり涼しくなりましたね!」という挨拶をするつもりだったのですが、秋分の日を過ぎたにもかかわらず、最高気温がまだ30℃を超えています。最高気温が30℃を下回る頃には"芸術の秋”というお決まりのフレーズを聞く機会が増えそうが、たしかに秋は楽器を弾く気分が高まります。気候的な心地良さだけでなく、涼やかな虫の声に触発されることも要因の一つかもしれません。ちなみに、冬は寒さで指の動きが鈍り、春は新年度のバタバタで気持ちが落ち着かず、夏は常に体力を奪われているイメージです。だからこ
音楽家の原摩利彦さんの投稿で目に留まった本。 ガザで暮らす3人の子どもの母親Aliaさんのレシピや写真が詰まっています。 企画・監修はSNSを通じてAliaさんと縁ができた宍倉慈さん。 5種類あるレシピはすべて見たことも聞いたこともない料理です。 そもそも私は料理をほとんどしません。 『抵抗のためのレシピ』以外に持っているレシピ本は『あなたのために:いのちを支えるスープ』(著:辰巳芳子)だけです。 パレスチナの文化や現状をほんの少し知れるかもしれないという気持ちで、購入手
あやみのギター音楽教室のレッスンで"爪の話”をすることが増えました。 4~6月は「肉でキャッチ&爪でリリースが理想」という話だけは初めてクラシックギターを弾く生徒さんたちにちゃんと伝えていました。一方で、私から爪の形や状態を細かくアドバイスする機会は稀だったと思います。弦を弾く音から爪の引っ掛かりや凹凸を感じた場合に、「ちょっと削ります!」と言って、金属ヤスリで生徒さんの爪を少し短くしたことは何度かありました。 私はかつて爪の形や状態に神経質になりすぎて、日常生活に少し支
先日あやみの公民館の軒下にあるツバメの巣を見ると、いつの間にか大家族状態になっていました。陽射しが遮られているとはいえ、「すし詰め暮らしは暑苦しくないのだろうか?」と、つい人間目線で考えてしまいます。醜い押し合いをする様子は全く見られないので、きっと居心地の良い空間なのでしょう。あやみのギター音楽教室がスタートした4月頃は親子合わせて3匹だったように思いますが、いつの間にか倍以上に増えたツバメのにぎわいに微笑みながら、教室の準備を始める7月でした。 ツバメの巣ではなく、教室
あやみのギター音楽教室は「ギターによる音の旅」を楽しんでほしいという場所なので、講師の私は「学び遊ぶ場」という認識ですが、小中学生の中には「習い事」と思って通う子もきっといるでしょう。 そこで、習い事に関するデータを調べてみたのですが、ベネッセの調査では習い事を1つしている小学生は45.2%、2つ以上の習い事をしている小学生は54.8%でした。そのうち、「親も子も頑張っているなぁ~」と感じるような4つ以上の習い事をしている小学生は5.7%でした。(n=3,096) 私は小
7月10日(水)に神戸の100BANホールへ。 Nik Bartch's Roninの公演を聴きに行きました。 Nik Bartch's RoninはECMレーベルの音源を聴き漁る中、数年前に知ったバンドで、スイスの作曲家・ピアニストのNik Bartch(ニック・ベルチュ)がリーダーです。 ちなみにRoninは「浪人」のことで、Nik Bartchは日本好きです。日本語が少し話せるようで、買った楽譜にサインをお願いする私に「ピアノを弾くんですか?」と日本語で尋ねてくれまし
普段「姫路最高!いつまでも住むぜ!」なんて地元愛を叫ぶ性格ではないので、自分で書いたタイトルにまぁまぁの恥ずかしさを覚えます(笑) 実は今年度から姫路市が『住み続けたいひめじプロジェクト』を始動しています。積極的に行政情報を追いかけていない人からすると、「何そのプロジェクト?」と疑問に思うでしょう。 以下の太字は姫路市ホームページに掲載されている情報です。 ーーーーーーーーーー 姫路市では、姫路の未来をもっとワクワクするものにしていくために、地域の魅力やまちの将来像を
近畿地方の梅雨入りが今月21日(速報値)に発表されましたが、昨年よりも23日遅いみたいですね。前年と気象事情がずいぶん異なると心配が増すタチなのですが、今は落胆と安心のマーブル気分で過ごしています。そんな梅雨のジメジメは人だけでなく実はギターも嫌がるんです。 留学やフェスティバルでスペインに行ったことのあるギタリストたちは「ギターがよく鳴る!」と嬉しそうに語ります。スペインの7~9月は暑く乾燥した時期で、「洗濯物は1時間もしないで乾く。」と聞いた覚えがあります。そんな乾燥し
あやみのギター音楽教室がスタートしたのは今年の4月で、ようやく計10日間のレッスンを終えました。現在通う生徒さんはクラシックギターを始めたばかりの方が多く、教室には初々しい空気が漂っています。自分で言うのは変かもしれませんが、講師である私もその空気の構成要素なのでしょう。 現在の私は生徒さんがどんな曲を気に入るか楽しみにレッスンを行っています。ただ、曲の練習にいきなり入ると、苦しい思いをする場合があります。私自身が高校生の時にギターを挫折した経験や、大学の部活動仲間が引退後
「ギター音楽教室のPodcast?何それ?」という声が聞こえるような気がします。 まず、Podcast(ポッドキャスト)とはインターネットを通じて音声を配信するプラットフォームまたは番組です。私は趣味でPodcastの番組をあれこれ聞くのですが、Podcastの言葉の由来はつい先ほど知りました。「iPod(携帯音楽プレイヤー)+broadcast(放送)」の造語で、iPodの流行がインターネット配信によるラジオ番組の広がりを生んだようです。 Podcastの番組は放送局が
『Ghost Tropic』を見るために元町映画館へ行った。 「これは絶対に見に行こう」と公開前から決めていたにもかかわらず、元町映画館の公開最終日に行くことになった。 本当は『Ghost Tropic』を撮影したバス・ドゥヴォス監督の『Here』も見たかったが、自分の予定と見事に噛み合わず、2作品のどちらを見るかの選択に迫られた。 そして、選んだ作品が『Ghost Tropic』である。 正直、物語として気になったのは『Here』の方だった。移民労働者と苔の植物学者の
緊張しながら店員さんに体験レッスンの申し込みをした数日後、いよいよその日がやってきました。この時はさすがに友人のNくんに同行をお願いするわけにはいかず、一人でヨシダ楽器の店奥にあるレッスン場所へ向かいました。 中学3年生のはじめまでピアノ教室に通っていたので、音楽教室に通うのは約5年ぶりでした。今思うとそんなに期間は空いていないように感じますが、「親が通わせる習い事(ピアノ)」と「自分で申し込んだ習い事(ギター)」では初回レッスンにのぞむ心境もずいぶん違ったと思います。