ギター音楽教室のPodcast
「ギター音楽教室のPodcast?何それ?」という声が聞こえるような気がします。
まず、Podcast(ポッドキャスト)とはインターネットを通じて音声を配信するプラットフォームまたは番組です。私は趣味でPodcastの番組をあれこれ聞くのですが、Podcastの言葉の由来はつい先ほど知りました。「iPod(携帯音楽プレイヤー)+broadcast(放送)」の造語で、iPodの流行がインターネット配信によるラジオ番組の広がりを生んだようです。
Podcastの番組は放送局が制作するものに比べると、ニッチかつ専門性の高い番組が多いです。私が好きな番組を挙げると、『コテンラジオ』、『ゆる言語学ラジオ』、『奇奇怪怪』、『味な副音声』などがあります(本当はもっとある!)。
上に挙げた番組はトークの濃度や密度が高いにもかかわらず、更新も定期的かつ多いので本当にびっくりします。これらの番組の熱量と持続力に憧れはするものの、私は走り続けるエンジンがないことを数年のラジオ番組制作歴から実感しています。(大谷翔平選手のWBCコメント前から私は憧れるのをやめている!)
パーソナリティのタイプ
音声メディアのパーソナリティとして魅力的な人は①周りを巻き込む力が強いこと②全身で好きなものがあること、この2点を備えているように思います。
例えば、「丸亀製麺のうどんは週3で行く!」という人のうち、「いや~麺と出汁がほんま美味しいんよ!」という話だけでリスナーを楽しませるタイプは根っからラジオ・パーソナリティに向いています。言葉の抑揚と心理描写で「分かる~」や「うまそ~」という聞き手のリアクションを引き出せるでしょう。とんでもないノリや盛り上がりが生まれるなど、トークの瞬間風速が大きいイメージです。
一方、「麺職人って知っていますか?」や「USJのV字改革と丸亀製麺の復活に携わった人は同じ人なんです!」という話でリスナーを楽しませるタイプはおそらくPodcastパーソナリティの方が向いています。Podcastはラジオのようにコーナーの進行や時間を気にすることなく、好きな話を好きなだけできるからです。最後まで聞くリスナーは限られますが、「なんかすごかったな・・・」という深い読後感(聴後感?)を与えるでしょう。こちらはトークの平均風速が大きいイメージです。
私は月1でラジオ・パーソナリティ(基本はディレクター)をしていますが、Podcastの方が性格的には合っているように思います。実際、その番組は生放送ではなく収録ということもあり、全く時間を気にせずに収録しています(笑)制作費が“時間ではなく1本あたり”という決まりのなせる業です。それでも、マス向けのコミュニティ放送局という媒体は意識しているので、各トークコーナーは20分をオーバーしない構成・編集にしています。
なぜPodcastを始めるのか?
実はクラシックギターの話題を中心としたPodcast番組の構想は以前からありました。初回の台本、シリーズ構成、番組タイトル候補など、1年は続けられそうな準備をしていました。例えば、「日本におけるクラシックギター・ソロ演奏の歴史」というテーマを考え、リスナーも「大学を卒業してギターを辞めてしまった社会人」とイメージしていました。それにもかかわらず、配信にまで至らなかったのは「本当に1年続けられるのか?」という不安です。というのも、Podcastは良くも悪くも数字が出ます。「何人がどれくらいの時間聴いたか」がハッキリ分かるシステムです。
もはやレッドオーシャンと化したPodcastで「できるだけ多くの人に聴いてもらうこと」を目標にするには声の質・構成力(もしくは演出力)・着眼点・戦略という多くの武器が必要になります。「好きだから」や「楽しいから」だけで配信し続けても、埋もれたままの存在になることは目に見えています。そんなネガティブな見通しのPodcastの構想でしたが、再び準備の火がついたのは一体なぜか?
それは「多くの人に聴いてもらわなくてもOK!」と開き直ったからです(笑)
実は教室Podcastの収録は4月13日(土)に終えているのですが、勢いで収録した内容になります。その日に実施した“第1回ミニ・コンサートが無観客”という結果に、「これは記事ではなく音声で伝えたい!!」と熱い(?)想いが湧き起こったのです。ミニ・コンサートは無残な結果になりましたが、レッスンや体験会では良い出会いに恵まれています。「コミカル(無観客)&ハートフル(良い出会い)は音声向き」という判断もありますが、“音楽教室の足跡”を声=音という形で残すのは素敵な記録のようにも思います。もちろん、「ここは話さない方が良い」という線引きは忘れていません。(普段のディレクター目線による)
そんなわけで、「教室に通っている生徒さん」、「教室に通うか迷う人」、「山田賢を知っている人」のような“顔のみえる相手”または“顔の見えそうな相手”に向けて、月1で声による教室日記を更新するつもりです。
番組タイトルは『甘露日和を待ってみる』。
「待てば甘露の日和あり」に由来します。「あせらずにじっくりと待っていれば、やがてよい機会がめぐってくる」という意味のことわざです。
教室をスタートした心境、レッスン初日の出会い、無観客の日の出来事など、リアルな感情で話しています。話し手である私以外に、聴き手として大学時代の友人が出演しています。その友人を聴き手に選んだ理由は番組で話しています。文字だけでは伝えきれないリアリティーを感じていただければ幸いです。
※この記事はあやみのギター音楽教室(https://ayamino-guitar-music-school.com/)のブログ記事をもとにしています。