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熊本発ソーシャルグッドなムーブメント。車が空を飛ぶ時代に私たちができる福祉・DX・健康・多様性への取り組み


こんにちは。くまもとKDSグループ広報チームの笠原です。

久しぶりの投稿なのでもう一度自己紹介すると、私たちはこんなことに取り組む、熊本発「社会課題解決型」の会社です。

■福祉
・精神・発達障がいのある方が自分らしい"はたらく"を見つける学校「KDSネクストカレッジ」の運営 
・知的・発達障がいのある方の運転免許取得をサポートする「つばさプラン」
・運転免許の返納を検討する高齢者のための「運転寿命延伸プログラム」

■DX(デジタル・トランスフォーメーション)
・ドローンの操縦を学ぶドローンスクールの運営
・自動車教習所にオンライン学科(学科教習eラーニング)を設置 
・AI自動車講習システムの導入 
・F1カーや大型特殊車両をバーチャルで運転体験できるアミューズメント・システムの導入

■健康
・全面禁煙(2021年に喫煙率0%を達成)
・管理栄養士監修のランチ提供
・定期健康診断と産業医との1on1面談
・メタボ対策(TikTokダンス・万歩大会・ボーリング大会・歩数計アプリの導入など)

■外国人サポート
・日本語が母国語ではない外国人のための運転免許取得サポート
・外国人採用の促進(現在ベトナム・ネパール・ミャンマーなどアジア圏のスタッフが活躍中。就労ビザで許可される滞在期間は5年に延び、祖国から家族を呼び寄せた社員も)

■採用
・さまざまな専門スキルを持つ副業人材の受け入れ
・社会課題を解決したいという思いのある仲間を増やす

(...細かい取り組みはまだまだたくさんありますが、とりあえず今回はここまでにしておきます...!)

もともと60年前に自動車教習所としてスタートした私たちですが、事業のかたちは時代の変化やニーズに合わせて変わってきました。

福祉も健康促進も外国人サポートも、もともとは目の前の社員やお客さんの困りごとに向き合い、どうしたら解決できるのかを考え、専門家の意見を聞きながらできることをやってみるところからはじまりました。

そんなことをはじめて14年。

気づけば周りから「ソーシャルビジネス」「社会課題解決型」「SDGs」の会社だと言われることが増え、最近は私たちの想いや活動をより理解していただきやすくなってきたと感じています。

これからも、熊本発の社会課題解決型企業として、目の前の人や社会の声を吸い上げながら、どんどん(※)新しいことに取り組んでいくつもりです。

(※ 現在は1年に1つのペースで新規事業が生まれています。我が社の社長のモットーは「現状維持は衰退」。社員のアイデアから生まれた新事業もあります。)

2025年の大阪万博には、空飛ぶタクシーが出現するそうです。社会の少子高齢化もAI化も、どんどん進んでいきます。そんな未来を恐れるのではなく受け入れながら、私たちにできることを積極的に探していきたいです。

そんな私たちのことをもう少し知ってもらいたいと思い、今、あらためてnoteを綴っています。

今回は、ちょうど1年前にはじまった、当社の想いや描く未来を体現している福祉分野の新事業「KDSネクストカレッジ」の取り組みについて、グループ全体の代表取締役社長である永田佳子とともに振り返りつつ話してみたいと思います。

そこから私たちのことを少しでも知ってもらえたらと...。

どうぞよろしくお願いします!


永田佳子のプロフィール
株式会社くまもとKDSグループ代表取締役社長。熊本県菊池市出身。熊本高校、東京女子大学文理学部卒業後、第一企画㈱(現・㈱アサツーディ・ケイ)に入社。結婚、出産、育児を経て2009年に社長就任。趣味は早寝早起き、早朝ウォーキング。


「この仕事に出会えてよかった」スタッフのやりがいにもつながる福祉事業


――「KDSネクストカレッジ」とは何ですか?

熊本駅前にある、精神・発達障がいの方がワークショップや職場体験プログラムを通して自己理解を深め、「できること」「やりたいこと」「困りごとへの対処技法」をみつけることができる学校です。ただ就労を目指すだけではなく、就労継続や自分らしい『はたらく』を見つけるサポートを行っています。

カレッジは英語で短期大学という意味なのですが、生活支援で2年、就労支援で2年、最大4年まで通所することができます。

ユニークなポイントとしては、自動車学校と提携して国家資格である運転免許の取得をサポートしていたり、「自分の取り扱い説明書」をつくるプログラムがあったりするところです。

職員も、もともと福祉ではなく他業種で活躍していた熱意ある人たちが集まっているので、利用者の成長に合ったプログラムを現場感で自主的に創りあげてくれています。

たとえば、先日、フィンランドの伝統的なゲームを元に開発されたモルックというスポーツの大会を開催したのですが、職員と利用者が一緒になって地域の方たちを巻き込みながら準備している様子を見て、素晴らしいなと感動しました。本当にいいスタッフに恵まれたなと感じます。

モルック大会の様子


――そもそも「KDSネクストカレッジ」をはじめた経緯は?

私たちは2つの自動車教習所を経営しています。そこにもともと、障がいのある方たちも免許を取るために通っていらっしゃいました。

たとえば、突然大声を出して教室を飛び出してしまう方、何度教えても送迎バスの予約が取れなかったりする方などもいて、職員が親御さんに電話して初めて「実は障がい者手帳を持っていて...」と打ち明けられる。そんなことがたびたびありました。

そこではじまったのが発達障がいや軽度の知的障がいのある方を対象にした「つばさプラン(運転免許つばさプラン熊本)」です。個人それぞれの特性に応じたカリキュラムを組んで、必要に応じてマンツーマンで学習をサポートしながら運転免許の取得を目指すというものです。

このプランをはじめてから、免許を取得した本人だけではなく、親御さんや働く職員からも多くの反響がありました。

「免許を取る前と後では、受講したみなさんが見違えるように変わるんですよ。自信がついて、表情が全然違う。最初に入ったときは、声をかけても親御さんのほうが返事をするような人だったのに、卒業する頃には新しく入った人のお手伝いをするようになるほど変わった人もいるんです。」そんなことをスタッフがうれしそうに話してくれました。

やっぱりいちばん感動するのは、変化を間近で見るスタッフたちですよね。「この仕事に出会えてよかった」と言う人もいます。つばさプランをはじめて、会社全体の意識や理解も大きく変わりました。

そして、金銭面でつばさプランを利用できない方に対しても何かできないか、免許を取得した先の「就職」やその前の「自分の適性を知る」という部分のサポートまでできないか、というところからはじまったのが「KDSネクストカレッジ」です。

ひとりひとりに合わせた学習カリキュラムを組むことで学科試験の合格率も上がりました


さまざまな強みや弱みを持った人たちが一緒に働くことで、思いやりが育まれる


――「KDSネクストカレッジ」がはじまって1年。今の気分は?

やってよかったな、スタッフに恵まれて幸せだな、と感じます。私の想いに共感したスタッフが集まってくれて実現することができたので本当にうれしい気持ちです。

はじめた当初は利用者の「居場所をつくる」ことに重きを置いていて、利用率もなかなか上がらなかったのですが、目的を見直して就労支援に力を入れるようになってからは、利用メンバーの通所率も伴走するスタッフたちのやる気も高まって、いい雰囲気ができていきました。

――くまもとKDSグループ全体のなかで、「KDSネクストカレッジ」の存在とは?

今、くまもとKDSグループには5つの会社がありますが、この事業が今後いちばん伸びていくのではないかと思っています。

社会からの注目も高く、メディアに取り上げられたり全国の企業から講演や見学依頼などの問い合わせが来たりしています。

私たちの取り組みを通して、自分で収入を得て自立する障がいのある方がひとりでも増えたらいいな、安心できる親御さんが増えたらいいな、と思っています。

また、日本社会もだんだん変わってきてはいますが、障がいに対して理解を深めている企業はまだそこまで多くはありません。

でも、さまざまな強みや弱みを持った人たちが一緒に働くことで、相手を想像する力や思いやりが育まれるものです。そんな多様性が共存する職場がどれだけ素晴らしいものか、私は福祉事業や外国人スタッフの採用などさまざまな取り組みを通して実感してきました。

そうした企業の文化も広げていきたいなと思っています。

グループ合同で行われた新入社員歓迎会


空飛ぶ車の時代に、私たちができること


――グループ全体に共通する理念は何ですか?

経営理念は「会社を通して世のため人のための社会貢献をすること」です。社会課題を感じ、それを事業化する。今までやってきたすべてのことに共通するのはそれだと思います。
社会は常に変化しているので、自分もその変化を機敏に感じていきたいですし、一緒に働く社員たちもそうであってほしいと思っています。

――グループ全体でこれから実現したいと思っていることは?

はじまりは自動車教習所でしたが、これからは他の事業のウエイトがより大きくなっていく予感がしています。

私が今注目しているのは、ドローン、AI、福祉です。

まずドローンですが、離島の多い長崎県ではすでにドローンによる荷物の運搬が実用化されています。当社にもドローンの操縦を教えるドローンスクールがありますが、これからさらに需要が増え拡大していくかもしれません。

2025年の大阪万博では、空飛ぶタクシーが登場する予定だそうです。ゆくゆくはうちの教習所で空の飛び方を教える時代も来るかもしれません。

また、最近、自動車講習にAI システムを導入しました。AIが人の運転を診断し、点数をつけて可視化するシステムです。運転の練習や振り返りに適しています。

私も試してみたのですが、AIは損得感情がないのでどんどん減点されて、超過マイナスになってしまいました(笑) 試して初めてわかる、人間にしかできないこと、人間の素晴らしさもあります。

AIを使った講習の様子

福祉の領域では、今、熊本大学と共同で、高齢者の方を対象に「運転寿命延伸プログラム」というのを進めています。

超高齢社会に突入した日本において、高齢者の運転と交通事故の比率には相関関係があって、これも私たちの業界が向きあっていかなければならない課題のひとつです。高齢者の方々は運転免許の返納を勧められますが、返納すると認知症になりやすいという歴然とした傾向もあるんですね。そうした方たちに向けて、いつまでも元気に運転できる体をつくりましょう、というプログラムを開発中です。

それぞれ、異なる分野の取り組みですが、こうしたプロジェクトを通して色々な専門家さんと出会えるのもいい経験ですね。私はただ一般人の目線で疑問を専門家さんたちにぶつけているだけなのですが。

「無事故の日」に高齢者の方を招きイベントを開催しました


色々な想いを持った人が集まって、社会が良くなるムーブメントをつくっていきたい


――疑問を持つ。だれかに聞いてみる。社会を変える第一歩で、大事なことですね。

語ることでなにか状況が開けるというのはいつも感じますね。相手に分かってもらえたり、アドバイスや意見をもらったり。社員にもよく「口にすることが大事」と伝えています。黙って不機嫌になるより、怒ってでも言葉にしてほしいのです。

私たちの取り組みも、知ってもらうことが大事だと常々思っています。

たとえば「KDSネクストカレッジ」だったら、発達障がいの方でも制度を利用して補助を受けられることをご存じない方がまだまだ多いので、もっと広めていかないといけないなと感じます。

今、企業経営においてESG(環境・社会・ガバナンス)という視点が重要視されています。今後1~2年かけて、私たちが今まで取り組んできたことをSDGsやESGに落とし込んで明確化し、よりわかりやすく伝えていきたいと思っています。

これからも積極的に人と会話していきたいです。

――どんな人と一緒に働きたいですか?

どんなに小さなことでもいいので、なにかしら社会課題に取り組みたい人と一緒に働きたいです。ひとりでやるより、同じ想いのある人たちが集まっているほうが、色々なことが実現できると思うので。

最終面接では「なにかやりたいことはありますか?」といつも聞いています。ドローンスクールも社員の声からはじまった事業です。企業内起業にも期待しています。

私の視野も広くはないので、別視点の発想を大事にしたいんです。色々な想いを持った人が集まって、社会が良くなるムーブメントをつくっていきたいです。

AIの時代になっても、最後は人だな、人ありきだなと思うのです。家族も会社もそうです。AIと人、どっちを選ぶ? というときに、相手を思いやる気持ちや人間性というのがより際立ってくるのかなと思います。

こういう時代だからこそ、人間性がある人と一緒に仕事したいです。

みんなで話しながら歩いた万歩大会


読んでいただき、ありがとうございました。
一言では伝えにくい私たちのことを、少しでも知ってもらえたらうれしいです。
色々な関わり方があるので、私たちと一緒に働きたいと思ってくれた方は、ぜひこちらをご覧ください。


【関連リンク】
KDSネクストカレッジ
株式会社くまもとKDSグループ

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