齋藤和哉

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リドリースコットの作家性とローマ史実の絶妙な融合【映画「グラディエーター」】

映画『グラディエイター』は、古代ローマの壮大な歴史とドラマを描いたリドリー・スコット監督の2000年のアカデミー賞受賞作です。この映画は、復讐、栄光、そして自由をテーマにしたエピックストーリーとして、多くの観客を魅了しました。 あらすじとストーリー 『グラディエイター』は、ローマ帝国の将軍マキシマス・デシマス・メリディウス(ラッセル・クロウ)を主人公にしています。彼は、皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)から後継者に選ばれますが、その決定を受け入れられない息子

    • 紅葉前が続く京都の静寂穴場探訪【岩倉実相院・町中華・Nintendo KYOTO・出町etc...】

      家族用事を主目的とした京都訪問をしたのだが、その合間に気分転換として巡れた観光レポを書いていく。 相変わらず街中に行くと人は多い京都だが紅葉シーズンに入り、夏前に訪れた時よりかは観光客や外人も各地に分散したようで人混みはピークより少し落ち着き始めていた季節でもあった。 11月中旬に入っても気候変動の影響が続き紅葉にならないもみじの木はまだ多かったが、おそらく12月前に見ごろになる紅葉も含めた穴場的スポット岩倉実相院を中心に回った場所や様子を共有しておきたい。 紅葉の穴場

      • 【AI漫画】好きバレスレスレで会話してくる可愛い店長

        続きはpixiv/Kindleにて無料配信中。 kindleでダウンロードしていただけるとAmazonから基金が入るのでよろしくお願いします。

        • ホワイトハウスが素人だらけになるとこうなる【映画「首都大地震」】

          期待して見ていたわけではないがシナリオ的にはありえそうな話もあった。ただ対応力の杜撰さに呆れてしまう。 低予算なのは目をつむってもホワイトハウス側の危機管理がどうしようもなく、パニック映画としては「最悪な政府組織は何をしてしまうのか」という残念な視点なら見れてくる。 映画『首都大地震』は、首都圏を襲う大地震を中心に、災害対応の難しさや政治的混乱を描いたパニック映画です。この物語では、突如発生した大規模な地震が引き起こす都市機能の崩壊と、それに直面する登場人物たちのサバイバ

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        • 1stアルバム「地方でも鬱」
          8本

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          実写版は爽やかすぎて音楽しか聴いてられない【映画「バジーノイズ」】

          映画『バジーノイズ』は、睦月潤の漫画を実写化した作品で、孤独なマンションの管理人であり作曲家でもある清澄と、彼の音楽に共感を覚える隣人の潮に焦点を当てている。傷心の潮が清澄の部屋に飛び込んだことで、二人の道は衝突し、お互いの過去と向き合い、より親密になっていく。JO1の河西拓実と桜田ひよりが主演を務め、河西の抑制された内向的な演技と、桜田の活発でありながらも問題を抱えたキャラクターの描写が、このドラマに深みを与えている。 原作は一巻だけ読んでいて知っていたが、続きを追う形で

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          チャンヒョクが杖を抜いたら最後【映画「剣客」】

          韓国映画『剣客』(The Swordsman)は、17世紀の朝鮮を舞台にしたアクション時代劇で、剣術に長けた主人公が大切な人を守るために戦いに挑む姿を描いた作品です。 あらすじ 主演のチャン・ヒョクが演じるのは、かつて朝鮮の王の護衛を務めていた伝説の剣士テユル。彼は国を守るために傷を負い、隠遁生活を送っていましたが、愛する娘テオクが誘拐されたことで再び剣を手に取る決意を固めます。テユルは娘を救うため、敵の拠点へと単身乗り込み、過去の因縁や陰謀に巻き込まれながらも一人奮闘し

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          孤独だった背中は「他者性」が見えて輝きだす【映画「ルックバック」】

          『ルックバック』は、藤本タツキによる短編漫画を原作とした作品で、友情や成長、芸術的な追求の葛藤を描いたストーリーが中心です。物語は、絵を描くことが得意な小学生・藤野と、引きこもりがちな同級生・京本の友情を描きます。 この作品のテーマには、「自己表現の葛藤」「成長」「喪失」が含まれており、特に創作者やアーティストに共鳴を与える内容となっています。また、作中で扱われる現実世界とのリンクや、絵を通じた自己表現の葛藤は、多くの観客に共感を呼び起こし、深い感動を与えました。 『ルッ

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          イノベイターの性能とやらを見るだけの完結作【劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】

          見ないと終われなかったが結果的には見なくてもよかった。アニメシリーズでは尺足らずだった後天的に生まれる新人類のイノベイターが増えたその先の社会を描くことで00なりの新しい掲示を示してくれるのだろうと思ったが期待とは違った。 戦争根絶のその先の対話という目的を果たせたからいいのかもしれないがこれで良かったのだろうか。ファーストシーズンから現代社会ともリアルに寄った路線が売りだったのに最後は急にファンタジー色が強くなってしまった。 あらすじ 劇場版『機動戦士ガンダム00 -

          イノベイターの性能とやらを見るだけの完結作【劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】

          平成では不人気だが、一番まともで保守的だった【アニメ「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」】

          アマプラに来たからアニメシリーズまで見てみた。 ガンダム史では初めてとされる西暦で描いた作品であったが久しぶりにリアルに寄った未来設計で「戦争根絶」についての問いを投げる作品。 細かい政治争いが行われるファーストシーズン、セカンドシーズンからミクロに寄った話になり伏線を拾い上げていく盛り上げ方も悪くなかった。 三つ巴で混沌とするファーストシーズン あらすじ ファーストシーズンでは、エネルギー資源を巡る争いが激化した西暦2307年が舞台です。 世界は、ユニオン(アメリ

          平成では不人気だが、一番まともで保守的だった【アニメ「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」】

          映画「ハートロッカー」から見る、爆弾処理班の手順や現代戦士のリアル

          今更ながら通して初めて見た。良い作品だったけど軍人をヒロイックに結論付けない作品も個人的に久しぶりだったように思った。国内でアカデミー賞とまで評価されたのもある意味新鮮かもしれない。 あらすじとストーリー 『ハート・ロッカー』(2008年)は、キャスリン・ビグロー監督によるアメリカの戦争映画です。舞台はイラク戦争中のバグダッド。米陸軍の爆弾処理班(EOD:Explosive Ordnance Disposal)の兵士たちが、危険な任務に直面しながら敵のIED(即席爆発装置

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          アイコン化してしまった山村貞子について、原点から向きなおすまとめ【映画「リング」「らせん」】

          日韓合作となった「オクス駅お化け」から昔ながらの陰湿なJホラーの良さや構造がよく活かされているのを見て向きなおすきっかけになった。 同じように感じた人もいるかわからないが今更聞きづらいホラーアイコン化だけ定着してしまった貞子さんの原点についてまとめたい。 貞子の原点 貞子の初登場は、鈴木光司による小説『リング』が原作です。映画化された『リング』では、ビデオを見た者が7日後に死ぬという呪いが描かれ、ビデオの謎を解き明かそうとする物語が展開されます。貞子は超常的な力を持つ存

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          解らなくてもいい、タルコフスキーの無表情な「郷愁の詩」に浸る【映画「ノスタルジア」】

          アンドレイ・タルコフスキー監督の『ノスタルジア』(1983年)は、郷愁とアイデンティティの探求をテーマにした哲学的かつ詩的な映画。視覚的美しさと複雑なテーマが織り交ざり、観る者に深い感慨を与える作品だ。 詩的表現と難解さ タルコフスキーの映画はしばしば難解と言われるが、その複雑さが独特の魅力となっている。『ノスタルジア』においても、彼は象徴的なイメージやメタファーを多用し、観る者に解釈の余地を残す。何気ない風景や静かなシーンが詩のように語りかけ、観客はその意味を自らの経験

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          綺麗なシーザー編完結だったが、続編に求められる「共生」の落とし所【映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」】

          「猿の惑星 聖戦記(War for the Planet of the Apes)」は、リブート三部作の完結編として、エイプと人間の最終的な戦いを描く。 ここまでのリブートシリーズのおさらい 1. 創世記(Rise of the Planet of the Apes) 「創世記」では、アルツハイマー病の治療薬として開発されたウイルスALZ-112が、人間には致命的な影響を与える一方で、エイプには知能向上の効果をもたらす。研究所で育ったチンパンジーのシーザーは、知能の向上

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          韓国はJホラーの活かし方を知っていた【映画「オクス駅お化け」】

          日韓合作として制作された作品で気になっていたが、Jホラーの良さも久しぶり活かされたような良い映画だった。 ホラー演出の多いエンタメに寄った映画だとばかり思っていたが00年代のJホラーの雰囲気も思い出す硬派なドラマになってる。現代への味付け方も流石だった。 『オクス駅お化け』は、韓国の都市伝説を題材にしたホラー映画で、実際にあった事件に基づいて作られています。この映画の原作は、韓国の人気ウェブトゥーン(Webtoon)「オクス駅お化け」で、オクス駅(옥수역)というソウルの駅

          韓国はJホラーの活かし方を知っていた【映画「オクス駅お化け」】

          もしも冷戦下の露国にエイリアンが来ていたら【映画「スプートニク」】

          割と最後は普通のドラマで期待通りではなかったが、エイリアンを通して旧ソ連時代の背景を見る映画として探るSFとしてなら悪くはない。 映画『スプートニク』は、冷戦時代のソ連を舞台にしたSFホラー映画で、エイリアンとの恐怖の遭遇を描く物語だ。物語は、宇宙ミッションから帰還した宇宙飛行士が異様な症状を示す場面から始まる。彼の体内には地球外生命体が宿っており、ソ連政府はこのエイリアンを利用しようと秘密裏に彼を隔離する。 ストーリー 主な登場人物には、宇宙飛行士コンスタンチンと、彼

          もしも冷戦下の露国にエイリアンが来ていたら【映画「スプートニク」】

          正統続編も開始3分で全て壊され、打ち切りに【映画「ターミネーター:ニュー フェイト」】

          もうAIが続編を書いてサラコナーを「やる」しかないのだろうか。 本作では、スカイネットに代わり新たな脅威「リージョン」が登場し、人類に対する支配を目論んでいる。リージョンの未来から送り込まれた新型ターミネーター「REV-9」がメキシコに住む少女ダニー・ラモスを抹殺するために現れる。この絶望的な状況の中で、未来からやってきた強化人間の戦士グレースがダニーを守るために立ち向かう。 新キャラクターたち グレース 未来から送り込まれた強化人間であり、ダニーを守るための戦士。人間

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