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チャンヒョクが杖を抜いたら最後【映画「剣客」】
韓国映画『剣客』(The Swordsman)は、17世紀の朝鮮を舞台にしたアクション時代劇で、剣術に長けた主人公が大切な人を守るために戦いに挑む姿を描いた作品です。
あらすじ
主演のチャン・ヒョクが演じるのは、かつて朝鮮の王の護衛を務めていた伝説の剣士テユル。彼は国を守るために傷を負い、隠遁生活を送っていましたが、愛する娘テオクが誘拐されたことで再び剣を手に取る決意を固めます。テユルは娘を救うため、敵の拠点へと単身乗り込み、過去の因縁や陰謀に巻き込まれながらも一人奮闘していきます。
作品の見どころ
映画の見どころは、激しいアクションシーンとテユルの孤独な闘いの描写です。剣技の美しさとリアルな戦闘描写が特徴で、チャン・ヒョクはこの役のために剣術を徹底的に訓練し、迫力あるシーンを生み出しています。特にクライマックスのシーンでは、テユルが圧倒的な数の敵に囲まれながらも、次々と敵を倒していく姿が息を呑む迫力で描かれ、観る者を釘付けにします。
さらに、この作品は剣技のみにとどまらず、父と娘の絆やテユルの過去に抱える苦悩など、感情に訴えかけるドラマ性も魅力です。彼の戦いにはただの復讐心だけでなく、父親としての愛や、かつての忠誠心が複雑に絡み合い、観客に深い余韻を残します。
感想
最近アマプラに配信がきた「THE KILLER/暗殺者」も良かったが、主演は同じチャンヒョク氏。
こちらも娘が攫われた復讐として話が動き出す。物語は史実に基づいた1623年の朝鮮半島。
古傷により視力を患い王の護衛から退いていた剣士テユル。薬を求めて街に出たが、そこでは清の使者が暴れていたところ仲裁に入り目をつけられて娘が攫われて売られる。
時代劇にある勧善懲悪に近いので物語はあってないようなもの。チョンヒョクのアクションを目的に見ても十分に楽しめる。
殺陣も劇場版のるろ剣に近いものを感じて見せ方も素晴らしい。世界観的には低予算だったのは見えるがアクションの質はどんどん上がっていくので目的もはっきりしている。
中盤からは剣技だけでなく秀吉の歴史背景も見えるリアルな火縄銃との戦いもありアクションのバラエティにも富んでいる。17世紀の世界観を選んだ意義がこの辺りでもはっきり伝わる。
終盤は古傷が広がり盲目で戦うことになるがこの辺は少し普通に戦いすぎてて惜しかった。杖から剣を抜く設定も韓国版座頭市を狙ったのだろうが流石にここはまだ追い付いてなかったかな。
どこまで史実通りなのかは不明だが時代劇映画一つで演出の幅が自由自在なのは流石である。日本で考えれば大分限られるだろう。
この機会でチョンヒョク氏のことも覚えた。色々追ってるとジークンドーから世界標準でアクションに臨んでいると聞いて、質感の違いも腑に落ちる。
ドニーイェンともつながってるらしいのでそのうち合作でさらに太刀打ちできない作品とか出てきそう。
彼の演じるものもしたたかな青い炎が見える良い役が多いので物語や予算にも恵まれる作品に期待してまた追っていきたい。
『剣客』は、アクションファンのみならず、父娘の感動的な物語や歴史劇が好きな方にも見応えのある作品です。