働きがいを生む目標の構造を知る!行動が加速する目標の質を高めるには?〜マネプロ#28
こんにちは!
DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。
マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第28回目です。
このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。
さて、今回のテーマは「目標の構造」です。
働きがいを生む目標の構造を理解して、
行動が加速するツボがどこにあるかを探求していきます。
働きがいは環境からは生まれない。
自分自身の内側から生まれるもの。
働きがいに必要なことは自分自身への意味づけであり、意味づけの本質はストーリー。つまり、「自分自身が選んだストーリーを歩むこと」が働きがいには大切であると思っています。これは前々回、個の「尊重と自律」でお伝えしましたね。
自分自身のストーリーを生きるためには目標を持つことが不可欠です。目標を掲げてハッピーエンディングに向かって進むのが、漫画や小説、ゲームのセオリーですよね。
目標というゴールがなければ
ストーリーに始まりも終わりもないわけです。
目次はこちら!
<目標の質を振り返りませんか?>
新年になって新たに目標を掲げた方も多いでしょう。
さて、あなたが1ヶ月前に立てた目標はなんだったでしょう?
目標は掲げたけど上手くいってない。
目標を行動に移せてない(そもそも忘れた…)
なんてこともあるのが人間ってもんです。
目標の達成のために、自身の掲げた目標自体がどういう性質のものだったかと振り返ってみるのはいかがでしょう?
これを振り返る方は少ないように感じます。
というわけで、今回は目標自体から振り返れるようにするためにも、目標の構造について分解してみたいと思います。
ズバリ、目標の構造としては
3つの種類・4つの基準があります!
という話です。
<目標の3タイプ。理想はwant to>
図のように目標には3種類あります。それぞれ
「want to」「have to」「hope to」です。
一つずつ見ていきます。
want toの目標とは、本人が心から望んでやりたい目標です。行動を加速させるという観点において、1番理想とされるのはwant toの目標です。want to成分の多い目標ほど、あなたをエネルギッシュにしてくれます。
want toの目標を掲げられていれば、目標を達成するとか達成しないという次元ではなく、目標に挑んでいるプロセスそのものに働きがいを感じられていると思います。
これについては、have toの話と共に前回のマネプロで、その道のプロに聞いてかなり詳しく書いたのでそちらをぜひ。
have toとは「やらねばならない」「やらなきゃいけない」という意味。have toの目標とは、本人が義務感からやる目標です。
自身が主体性を持って取り組みにくい目標はこれに該当します。誰かのやりたいことや期待、社会的に求められる役割に組み込まれている状態です。どこか演技的にやることになる目標ですね。
例えば、夏休みの自由研究。
「自由」研究といいながら、子どもの頃にwant toでやれていた人はむしろ少ないのではないでしょうか。私は夏休みが終わるギリギリになってからhave toで対応していた子どもでした。
ちなみに、このマネプロ100話連載を目指すのは
大人の自由研究のようなものでwant toでやれています。義務感では100話40万文字のnoteを続ようとは思えないですからね。
hope toの目標とは、本人が憧れとして持っている目標です。3つ目のhope toの目標の罠には気をつけないといけません。
楽をして手に入ったらいいな、いつか手に入ったらいいなと思っているような目標を、ここではhope toの目標と表現します。目標を実現しようと行動が起っていないのが特徴ですね。
例えば、「いつか海外で働くために今年は英語をがんばるぞ!」という目標。これはなんだか、hope toの香りがする目標ですよね(笑)
心からしたいことを聞かれた時、それが本当に、本音で、現実的に望んでいる目標なのかどうかを問う視点が必要です。
「本気で思ってんの?」と自分に問いかけてみて、躊躇なく「もちろん。どんなことがあってもやる。達成させるさ。」と思える目標になっているでしょうか?
<目標タイプに分けて心掛けること>
私はコーチとして、相手の目標設定に向き合う機会が必ずあります。目標の3タイプのどれかが見えてきた時に、相手の目標の意味に注目して関わり方が変わります。
具体的には、
を心掛けてコーチングしています。
目標という言葉は過去の経験上からhave toの思考回路が働いてしまう人も多いため、相手がつくる目標は「ゴール」と表現してコミュニケーションしています。
子どもと目標の話をする時も「目標を設定しよう」と話すことってないですよね。「何がやりたい?」と話し始めます。それと同じ感覚です。
やりたいことを聞いてから「じゃ、チャレンジしてみよっか」とワクワクを一緒に考えています。
目標にはこの3つのタイプが混在していてグラデーションがあります。最終的にはwant toが濃くて解像度の高いゴール設定ができるとGood!
自らのゴール意識が高まれば、目標への行動が加速して、働きがいや成功確度も上がるからです。
<目標のレベル感は4つの基準>
目標のタイプの次に理解しておきたいのは、目標のレベル感です。目標のレベル感は大きく4つの基準に分けられます。
それぞれ
安全目標、必達目標、挑戦目標、理想目標です。
1つひとつ見ていきましょう!
本人が今までやってこなかった業務へアサインをされた人、ミスをしないことが求められる業務をやる人にとって掲げやすい目標です。
成功体験を積み重ねて自信をつけたい方には適した目標設定のスタイルと言えます。
一方で、現状維持・現状満足の思考に陥りやすいので注意が必要です。周囲からもっとやれるでしょ、とフィードバックを受ける可能性もあります。
最低限やりたいこと、この水準は上回りたいことを決めるのに掲げやすい目標です。
行動にうつしやすい明確な基準があると燃える方に適した目標設定のスタイルです。
一方で、have toに捉えてしまいやすい目標なので注意が必要です。
OKRを紹介したマネプロ#23でも登場した挑戦目標です。目標設定時の自信度でいえば、達成できるかどうか50%くらいの感覚なものですね。
自分や周囲に意義ある挑戦を促したい方に適した目標設定のスタイルです。
一方で、意気込みとして掲げて終わってしまう、目標の形骸化になる可能性があるので注意が必要です。
企業が掲げるビジョンも理想目標に近い概念だと思います。
理想から考えるため、日々の行動や意識を大胆に変えたい方に適した目標設定のスタイルです。
一方で、理想が遠すぎて日々触れることがなく忘れてしまったり、現実との乖離から理想を追いかけなくなることがあるので注意が必要です。
<目標による効果とはなんだろう?>
ここまで目標の構造を3種類・4基準に分けて、
目標のタイプとレベルについて書いてきました。
今後のマネプロでは目標の構造をさらに深掘りして探求していきますが、話を終える前に、ここまでの内容から「目標の効果」を考えてみましょう。
ベストアンサーは人それぞれあると思います。
私にとっての目標による効果は、
「ワクワクする行動につながる」ことです。
目標が決まって未来の行動も決めた時。
行動する前からすぐにワクワクしますよね!
海外で80を超える研究をまとめた結果、目標へのコミットメントに影響を与える最も重要な要因は、「自分で決める」あるいは「自分が関わって決める」というものだったそうです。
自分で決めた目標であればあるほど、行動の意思が強まることは実証されています。目標にワクワクできるかどうかは、行動の意思の強さに影響を与え、結果として働きがいを生み出すのではないでしょうか。
<ゴールを創り、ゴールを決める>
多くの方にとって目標を設定する体験はhave toになっていて、ワクワクしていないものになってしまっています。
目標は与えられるものではなく自ら選んでwant toで設定できることが本来のあり方だと思います。
目標というゴールを決める。
この行為は、本来は創造的なものです。
マラソンのゴールなら42.195kmと固定的ですが、自分が決めるゴールはなんでもアリです。
ゴールはいくつあっても良いものだと思います。
サッカーで点をとるゴールのように、
目標達成という沢山のゴールを決めて
自分の人生を盛り上げていきましょう!
<今回のQuestions>
以上が28回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?
ということでマネプロ恒例、最後の問いです。
今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!
<次回にむけて>
今回のマネプロを通じて、自分の掲げた目標のタイプやレベルを振り返り、「等身大の目標・適した目標」を見つめ直し、これからの行動へ繋がる機会になれば幸いです。
さて、次回のマネプロは「目標の設定」。
want toに向き合う視点や方法を探求します。
次回は2週間後の水曜日。お楽しみに!
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最後まで読んでもらえて嬉しいです。
ありがとうございました!